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現場作業支援ソリューション導入事例
朝日ウッドテック株式会社 様
品質検査での品質改善の事例外観検査・目視検査の精度と効率向上に成功


朝日ウッドテック様は住宅のフローリングや壁材、階段材などを製造・販売する木質内装建材メーカーです。創業以来「銘木の大衆化」を理念に、干割れ防止、遮音、床暖房対応フローリングなど、新しい技術を開発してきました。「現場作業支援ソリューション」を導入したのは、フローリング製造の最終検査工程です。それまで作業員がペンと台帳でおこなっていた不具合の記録を音声入力できるようにしたことで、品質の改善を実現することができました。


~朝日ウッドテック様 ショールーム~
外観検査・目視検査の3つの課題
朝日ウッドテック様は大阪府にある忠岡工場をはじめ4つの工場でフローリングや壁材、階段材、手すり、玄関框などの木質内装建材を製造しています。主力商品であるフローリングの月間販売量は約25万坪。自社での天然木化粧フロア生産量としては業界トップを走っています。
現場作業支援ソリューションを導入したのは、フローリング製造ラインの最終検査工程です。ここでは天然木特有の割れなど、製品の外観に問題がないかを作業者が3人一組で目視検査しています。ラインを流れてくる製品に不具合があった場合は、記録として項目ごとに数量を手で台帳に記入していくわけですが、この作業にいくつかの課題があったといいます。
「一番の問題は、作業者が目視検査に集中できなかったことです。製品の検査項目はいくつもあります。不具合を発見するたび台帳に記録しなければならないため、検査に集中しづらいことがありました。お客様に具合の悪い製品をお届けするわけにはいきませんから、より検査に集中できる環境を整える必要があると感じていました」(角井氏)
作業員が手作業で記録する方法では視線がラインと台帳を行き来することになるため、集中しづらくなるのも無理はありません。結果として、検査の精度を落としていたのです。
「作業が二度手間になってしまうのも問題でした。台帳に記録した内容は、一日が終わってから端末に打ち込まなければなりません。この作業に1ラインあたり30分から1時間程度の時間がかかります。3ラインあるので1日あたり最低でも1時間30分程度は必要だったのです。この時間を短縮する方法はないかと考えていました」(角井氏)

品質管理部 次長
角井 晃 氏
確かに1日の作業終了後に台帳の記録をデータとして入力する作業には手間がかかります。また、誤入力の可能性も否定できません。そうなれば、データの修正のためにさらに時間がかかってしまいます。
「もう一つ、ラインで起きている問題に迅速に対応できないことも問題でした。先ほどお話した通り、現場の情報は1日の作業終了後に入力します。つまり、不具合の確認にタイムラグが生じていたわけです。これを現場から離れた人間がリアルタイムに把握し、即座に改善に繋げるようにしたいという課題もありました」(角井氏)
こうした3つの課題を解決するため、朝日ウッドテック様はソリューションを探しはじめました。
4社の類似製品から、現場作業支援ソリューションを選択
現場作業支援ソリューションは、作業員が言葉で発話した内容を端末が認識して自動的に記録するDXツールです。作業員は紙への記入や端末へのタップ入力といった手作業ではなく言葉によって記録を取れるようになるため、記録に気を取られることなく作業に集中することができて、作業効率が大幅にアップします。
最終的に現場作業支援ソリューションを導入した朝日ウッドテック様ですが、実は4社の類似製品を比較したといいます。現場作業支援ソリューションを選択した決め手はなんだったのでしょうか。
「弊社を担当いただいているNECネクサソリューションズさんに紹介いただいたのがきっかけです。弊社の工場で実際に使ってみて、音声の認識性能がもっとも高かったことが導入決定のポイントとなりました」(角井氏)
音声認識の精度はメーカーやシステムによってどうしても差が出てしまいます。特に工場のような騒音環境で活用するには、しっかりと音声を認識するものでなければなりません。また、もう一つ理由があったといいます。
「NECさんは音声入力だけでなくさまざまなシステムを開発なさっています。現場作業支援ソリューションに限らず、さまざまなIoT関係のつながりを持てればと考え、導入を決めたところもあります」(角井氏)
今後、別のシステムを必要とすることは充分考えられます。そうしたことも踏まえ総合的にソリューションを開発しているNECグループの製品を選んだのです。
外観検査・目視検査の改善と作業員の負担軽減、トラブルへの迅速な対応を実現
現場作業支援ソリューションを導入して、課題は解決したのでしょうか。
「検査員が発話することで結果を記録できるため、検査に集中できるようになりました。また、不具合が出たことを管理者や現場の作業員がリアルタイムでモニタリングできるようになったため、問題にすぐ対応できるようになりました。また、以前は最長3日後に出ていた品質実績の収集データを、現在は翌日に発信できるようになっています」(近澤氏)
作業者の評価はどうでしょうか。
「1日の作業が終わってからおこなっていた端末への入力作業がなくなり、負担が軽くなったという声があがっています。また、現場ではハンズフリー・アイズフリーで不具合を入力できるので、作業に集中できるようです」(近澤氏)
狙い通り、導入前に抱えていた3つの課題はいずれも解決できているようです。

品質管理部 製造第1部技術管理室
近澤 航平 氏
「弊社の品質監視レベルは向上したと思います。」(近澤氏)
ただ、導入時には苦労したこともあったといいます。
「現場作業支援ソリューションの話者登録をする際、実際の現場ではなく事務所でおこなったため、現場では登録した作業者の声をうまく認識しないことがありました」(近澤氏)
「話者登録」とは作業者全員の声をシステムに覚えさせることをいいます。これによって作業者の言葉を正しく認識し、記録できるようになるのです。
「NECの担当者さんに相談して、実際の使用環境である工場で話者登録しなおすことで、システムが作業者の声をうまく認識できるようになりました」(近澤氏)
ただ、それでも言葉によってはうまく認識しないものもあったようです。
「弊社の検査工程では約100種類の項目別に数量を入力しています。そのなかには似たイントネーションの言葉があり、システムがうまく認識できないことがあったのです。そこで可能なものに関しては別の言葉に置き換えることにしました。それでもうまく認識できない言葉については、NECさんにお願いして一つの項目について複数の言葉を対応させるよう調整していただきました」(近澤氏)
近澤氏によると、たとえば「2」という数字でうまく認識しないのであれば、「ふたつ」というように言葉を変えることでスムーズに入力できるようになったといいます。こうした導入時の工夫がその後の運用をスムーズにし、課題解決につながっていきました。
今後は他工場へも展開
今後はどのように活用していく予定でしょうか。
「忠岡工場にはフローリングの最終検査ラインが複数あります。当初は1ラインのみに導入していましたが、すでにすべてに導入済です。現在は、他工場の検査工程への導入も検討しています」(角井氏)
最後に、現場作業支援ソリューションの導入を検討する方にメッセージをいただきました。
「システムの導入、立ち上げのときは苦労することが多少はありましたが、NECさんに相談すれば解決できました。それよりも工場の品質改善を実現する品質管理ツールとして、導入効果は大きいと思います」(近澤氏)
お忙しいところ、ご協力ありがとうございました。
朝日ウッドテック様 システム構成
朝日ウッドテック株式会社 様 プロフィール(2022年3月現在)
社 名 | 朝日ウッドテック株式会社 |
本 社 | 大阪市中央区南本町4-5-10 |
設 立 | 1952年 |
代表者 | 代表取締役社長 海堀 哲也 |
事業内容 | 床材をはじめ、階段、手摺、壁・天井材、玄関部材、造作材など木質内装建材の製造・販売 |
URL | ![]() |

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