「設備の見える化」とは?

NEC 現場作業支援ソリューション

工場における「設備の見える化」とは?

設備の見える化とは、工場内の様々な設備や生産ラインの問題を「全員が見えるようにする」ことをいいます。設備の見える化により、製造設備の様々なデータ(温度や湿度、風量、圧力など)を収集し、様々な判断に活用することが可能です。例えば、製造装置の温度などをリアルタイムに収集し、故障前の傾向を掴み、故障を事前に予知することに活用できます。

「設備の見える化」のメリット

品質の向上

設備の見える化で、故障・不具合を事前に検知できるようになります。その結果、不良率が低下し、品質の向上につながります。

稼働率の向上

故障やエラーなどによるラインの停止は生産性に大きな影響を与えます。従来はアナログが中心で、「発見が遅れる」「解決に時間がかかる」といった問題がありました。しかし、「設備の見える化」で、設備の不具合をいち早く発見し、状況を把握することで解決もスムーズになります。

コスト削減

故障・不具合の予兆を事前に検知することで、故障の発生率を抑え、修理に必要な費用・時間を削減することができます。また定期的な保全業務の回数を削減するといった効果も期待でき、人件費や部品の費用なども削減できます。

モチベーションの向上

品質や稼働率の向上、コスト削減などの「改善活動(QCサークル)」は、新たな発見や課題の解決をグループで取り組むことで現場社員のモチベーションアップや活気をもたらすことも期待できます。

「見える化」のステップ

一般的に、設備を「見える化」するには、下記のようなプロセスで「見える化」するケースが多いようです。

センサーデータの「見える化」とシステム構築

多くの製造装置・設備にはセンサーが搭載されており、稼働状況を出力できるようになっています。そのため、まずはそういったセンサーデータを収集し見やすく加工することから始まります。

また、センサーがないような場合は、新規のセンサー埋め込みも必要となり、どの位置にどのようなセンサーを用意すればいいかを検討しなければなりません。これは、「設備の見える化」でどんなデータを見て、何がしたいのか?を明確にしなければ、どのようなセンサーをどこに設置すればいいのか?が判断できません。

そして、様々なセンサーデータを集約すると、そのデータ量は膨大となり、1つの工場でもビッグデータと呼ばれるほどの容量となります。そういったデータを集計・加工して、見やすい形(グラフなど)で表示する必要があります。

こういったデータの収集・集計・加工・表示の仕組みを構築することで、まずは見える化のシステムが構築できます。

システムの運用と改善

「見える化」しても、見える化が目的では意味がありません。見える化されたデータを活用し、故障の予兆を検知して故障が起きないようにするといったデータの活用が必要になります。見える化されたデータがどのような「状態」になれば故障が発生しやすいのか?など、故障のパターンなどを検知して自動的にアラームを鳴らすといったAI活用も視野に入れつつ、不良を作らないためのデータ活用が必要になります。

このように、設備の見える化は、まずは現在の設備の様々なデータを「見える化」する仕組み・システムを構築し、その後、見える化したデータを活用して、稼働率や生産性を向上させます。そのため、「設備の見える化」で何がやりたいのか?を明確にし、そのためには、どのデータを「見える化」しなければならないか?を具体化することが非常に重要と言えます。

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