【テンプレート有】作業手順書の作り方|効率的な現場運用の実現に向けて作業手順書を有効活用!

NEC 現場作業支援ソリューション

作業手順書は取り扱う製品の種類が多ければ多いほど効力を発揮する重要な書類です。作成する手間はありますが、作業手順書があることにより新人が戦力になるまでの期間を短縮できたり、品質の安定化を図ったりできます。

当記事では作業手順書の作り方と導入によるメリット・デメリットについて解説します。これから作業手順書の導入や既存の手順書の改善を検討している方はぜひ参考にしてください。

~目次~

製造現場の作業手順を効率化する「現場作業支援ソリューション」

作業手順書のテンプレート

作業手順書は企業の特徴に合わせて最適なものを作り上げていくものです。しかし、ゼロから最適な作業手順書を作り上げると言うのは簡単なことではないでしょう。そこで、当記事では作業手順書のフォーマットを用意しました。まずはフォーマットを活用しつつ、徐々に必要な情報を加えたり、不要な欄を削除したりすることで専用の手順書を作り上げていってください。

作業手順書フォーマット

作業手順書とは

作業手順書(SOP『Standard Operating Procedures』とも言う)とは、一つの作業に対する手順が書類としてまとめられているもので、作業者が確実かつ安全に作業に取り組めるように使用するものです。作業手順書は基本的に一部の作業の手順を記すので冊子のような作りになることはなく、A4用紙1~2枚程度で構成されます。あくまでも作業が簡潔に把握できて、誰でも迅速に作業に就くことができるようにするための書類であることを覚えておきましょう。

作業手順書の目的と主な記載内容

作業手順書は、作業を無理なく、スピーディーかつ正確で、安全に実施できるようにすることを目的として作成する書類です。作業手順書は誰でも理解できるように言葉や図・写真などを使って作成することで、作業手順書の持つ目的を達成できます。そのため、少しでも手順書を理解できない人が発生したら改善を検討しなくてはいけません。

作業手順書を改善もしくは作成する場合、以下の記載がされているか確認してください。必要事項を記載していないだけで、理解できるものができなくなることも多々あります。

【作業手順書の記載内容】

  • 基本事項(作業名、作業内容、作業人員、必要な機械・材料など)
  • 作業手順
  • 過去の不具合履歴
  • 危険性の度合い
  • 予想される災害
  • 予想される災害に対する対策
  • 低減対策実施責任者名
  • 作成日・改定日
  • 準備作業・本作業・後片付け作業の区分

作業手順書の必要性

作業手順書は現場の業務を円滑に遂行するためには欠かせない書類の一つです。業務に携わる各担当者が独自のやり方で作業を進めると、次工程への取り次ぎが難しくなったり、安全を確保できない方法になったりして、現場全体を統括できなくなってしまうでしょう。そういった問題を発生させないためにも、作業手順書を作成してそれに準じた方法で取り組むように作業者を教育することが企業には求められます。

また、作業手順書は問題の発生を防ぐだけでなく、業務効率化に繋がる側面もあります。念入りな検討のもと設計された作業手順書に沿って作業に取り組むと、ムダな動作がほとんど発生しません。これにより作業が効率的になり、業務全体の効率化が図られ企業の成長を促進することへと繋がります。

製造現場の作業手順を効率化する「現場作業支援ソリューション」

作業手順書導入によるメリット

作業手順書を導入することで作業者が安全かつ正確に作業を実施できるようになります。これにより現場全体を通して以下のようなメリットが発生します。

【作業手順書導入によるメリット】

  • 作業時間が短縮する
  • 業務の質が安定する
  • 属人化を防げる
  • 教育機関を短くできる

手順書により作業方法が統一されれば、ムダな作業が減って作業時間が短縮するだけでなく、業務の質が安定して製品の品質も安定します。さらには、『誰でもできる作業』が実現するので『この人にしかできない作業』というのが発生しにくくなります。

作業時間が短縮する

作業手順書を作成することで作業者の作業内容が確立するので、次の工程がどうなっているのか迷ったり、作業中の疑問点があったときにどう対処したらいいのか分からなくなったりすることがほぼ無くなります。これにより、作業者によって作業時間が違ってしまうといった問題も解決するでしょう。

作業手順書のやり方が実行できれば作業時間が短縮するだけでなく、業務全体にかかる作業時間を把握することも可能です。作業時間が把握できれば製造予定が立てやすくなり、さらに効率的なスケジューリングができるでしょう。

業務の品質が安定する

作業手順書を作成することで、作業者が独自のやり方で作業をしたり、間違ったやり方で進めたりしなくなります。作業方法が手順書で指示されて作業員全員が同じやり方をすれば、業務の質にムラが出なくなり品質が安定するでしょう。業務の質にムラがなくなると安定した品質で顧客へ製品を供給できるので、顧客からの信頼を得るきっかけにもなります。

属人化を防げる

作業手順書は作業の属人化を防ぎます。属人化が防げれば担当者がいなくても作業を止めることなく、他の人が代わりに作業にあたれるようになります。一点ものの製品を製造する場合は別ですが、一定の品質水準で製品を量産する場合は『誰でも作業ができる』ように作業手順書を活用したほうが現場の運営が円滑に進みます。

教育期間を短くできる

作業手順書は誰でも理解できるように作成されます。そのため、作業者が今までやったことのない作業をする場合でも作業方法が理解しやすく、すぐに戦力として活躍してもらうことができるでしょう。作業手順書は作業を教える手間を大幅に削減するので、本来必要とされる教育期間の短縮が実現します。

  • 危険作業が伴う場合は作業手順書だけ終わらせずに、必ず教育者が教育を実施するようにしてください。

製造現場の作業手順を効率化する「現場作業支援ソリューション」

作業手順書導入によるデメリット

作業手順書により作業が統一されることで『作業時間の短縮』『品質の安定』などが見込めます。一方で、作業手順書を導入することで発生するデメリットもあるので把握しておきましょう。

【作業手順書導入によるデメリット】

  • 手順通りの動きしかできなくなる
  • 手順書を作成するのに時間がかかる

作業手順書を作成することで作業内容を統一できますが、単調な作業が続くことになるので新たな発想をしたり、作業に工夫をしたりということが起きにくくなります。手順書が完璧なものである保証はどこにもないので、作業員や管理者が常に改善策がないかを意識しながら作業に着手するのが理想と言えるでしょう。

手順通りの動きしかできなくなる

作業手順書を作ると、作業者は手順書通りに作業を実施します。手順書通りに実施するのは当たり前ですが、これが通常化すると新しい発想や課題点が生まれにくくなるデメリットが発生するでしょう。手順書は人が作ったものなので『完璧なもの』であるかどうかは定かではありません。改善できる部分は積極的にしていくべきですし、作業者も今以上に効率よく作業する方法がないかを考えながら作業に携わっていくのが好ましいです。

また、手順通りに動いてばかりの人材が増えると、柔軟な思考が求められる部門への異動がしづらくなり、作業者自身の出世を妨げることにもなりかねません。企業として成長を続けていくためにも、作業手順書の目的・存在意義を再度確認して従業員全体で把握しておくことが大切です。

手順書を作成するのに時間がかかってしまう

作業手順書は業務内容を網羅した上で質の高いものを作らないと手順書として意味をなさないので、念入りに検討を重ねて作成しなくてはいけません。質の高い手順書にするには他の工程に携わる人の意見も聞いたほうがいいので、なるべく多くの人を交える機会を設けることも必要になってくるでしょう。以上のような手順を踏んで書類を作成していくと、自然と時間がかかってしまうので作業手順書を現場へすぐに投入することができません。

とはいえ、作業者の手順書がない状態で作業に入るのは難しいので、最低限必要な情報をまずは埋めて簡易的な作業手順書を作った上で、内容を詰めていくのが現実的と言えるでしょう。

作業手順書の作り方

当記事でも作業手順書のフォーマットは提供していますが、フォーマットの形式が自身の作業形態にうまくフィットしない場合は、以下で説明する『作業手順書の作り方』を参考にオリジナルの手順書を作成してみてください。

【作業手順書の作り方】

  1. 単位作業の選定

    手順化する作業を単位レベルで選定します。単位作業レベルとは『作業スペースを準備する』『検査をする』『箱詰めをする』といったレベルのことを指します。まずは、ここでどんな作業があるのかを把握しましょう。

  2. 作業内容の細分化

    単位作業レベルで選定したものをさらに細分化していきます。例えば、『ニッパーを準備する』『専用機材を準備する』『箱詰めのために製品を並べる』『箱を組む』などです。細分化することで1つの作業の中にどんな動作があるのか把握ができて、円滑な動作が取れるような方法を検討できます。

  3. 作業内容の手順化

    細分化したものを作業の流れに従ってムダが発生しないように並べていきます。並べる際は実際に作業を行う時のイメージをしながら、最小限の動作で作業ができるように並べます。この際に実際の担当者も一緒に検討すると、より質の高い手順書が完成します。

手順書は見たときに全体のイメージが把握しやすいように写真や図を使って作るようにしましょう。そうすることで細分化された作業内容の記載とマッチして理解の質が高まります。イメージできるかどうかは実際の作業者に確認してもらうのが一番早い方法です。

製造現場の作業手順を効率化する「現場作業支援ソリューション」

作業手順書作成時のポイント

作業手順書の作り方を把握したら、作成する際のポイントを押さえておきましょう。ポイントを押さえておくことで質の高い作業手順書を完成させるまでの期間を短縮できるでしょう。

【作業手順書を作る際のポイント】

  • 誰でも理解できる作りになっているか
  • 一度作ったら終わりではなく改善を繰り返して完成度を高めていく
  • 作業の最終目標が明確化しているか
  • 誰でも実行できる作業内容になっている
  • 安全に配慮した作業内容になっているか
  • 異常時の行動指針が記載されているか
  • 手順通り進めることで不具合品が出ないようになっているか
  • 作成者や責任者の記名がされているか

一見当たり前のことも、作業効率化のことばかりを考えていたり、他の課題のことを考えていたりすることで盲点になってしまうのも珍しくありません。意識すべきポイントは紙に記して、作成時に手元に置いておくなどしてしっかり手順書に組み込んでいくようにしてください。

作業手順書は作って終わりではない!

以上、作業手順書の作り方について解説しましたが、作業手順書は作って終わりではありません。作業手順書に従い作業者が作業を行い、品質の高い作業を完了させることが重要です。そのためには、作業者が質の高い作業を行えているか?の作業結果の収集と分析、そして作業手順書の改善が重要になります。

作業手順書の改善については、現場作業支援ソリューションを活用することで効率化できます。現場作業支援ソリューションは、下記のイラストのように作業手順書に従って、作業内容が音声で指示され、その結果を音声で報告することができます。

作業手順書は作って終わりではない!

音声で作業内容を指示され、作業結果を音声で入力していきますので、作業の実績データを効率よく収集できます。つまり、作業手順書に沿った作業を作業者に音声で指示でき、作業結果を音声で収集できるのです。さらに作業時間の記録も音声入力により自動化されますので、非常に正確な作業実績が記録できるようになります。現場作業支援ソリューションの詳細については、下記のページで解説していますので、御社の作業手順書に活用できないか、一度ご検討ください。

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