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目視検査の作業方法と課題|検査工程の効率化をすることで検査員の負担を軽減!
NEC 現場作業支援ソリューション目視検査は自動化が進む現代でも有効とされている、製品を検査する方法の一つです。カメラによる検査が一般的になりつつある製造業界でも、細かい傷や異変を流出させないためには目視検査が欠かせません。そのため、目視検査の重要性を把握した上で目視検査の正しい方法を知り、検査の質を上げていく必要があるでしょう。
当記事では、目視検査の方法と課題についてご紹介します。実際に目視検査に問題点を感じていたり、最適な方法が見つからなかったりする方はぜひ参考にしてください。
~目次~
目視検査を効率化する「現場作業支援ソリューション」
目視検査を効率化し生産効率を改善する「現場作業支援ソリューション」の概要資料や活用アイディアをまとめた下記のようなPDF資料をダウンロードできます。
目視検査とは
目視検査とは製造現場における途中工程や最終工程などで 『人間の目』 によって行う従来からある検査方法のひとつです。最近では、カメラなどを利用した画像認識技術による合否判定が出来る様になり自動化が可能になってきましたが、最終的な検査はやはり 『人間の目』 で行っているのが大半の実状です。その理由として、機械では検出できない不具合を人の目なら検出できるという、目視検査にしかない精度の高さが製造業には必要不可欠であることが挙げられます。
官能検査とは
官能検査とは人間の五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)を用いた検査方法のことを指します。工業部品では視覚や触覚を用いて外観や形状の検査を行うことが多く、食品製造では五感すべてを用いて検査を行います。このように、検査は製品の特徴に合わせてあらゆる感覚を駆使することで不具合を検出します。
目視検査は官能検査の一部で、主にプラスチック部品や組み立てを要する製品などに採用されることが多いです。
目視検査の種類
目視検査は主に4種類あり、検査するタイミングや工程などで使い分けます。製造品の品質レベルによっても使い分けたりするので、種類の特徴を押さえて適切な工程へそれぞれの目視検査を組み込めるようにしましょう。
【目視検査の種類】
- インライン検査
製造ラインの中に組み込まれる検査。ライン工程、すなわち流れる工程の中で製品を検査する方法で、『検査スピードが早い』『全数検査に適している』といった特徴があります。 - オフライン検査
インライン検査とは違い、製造ラインとは別工程で行う検査。ライン工程と別にあるので、流れに迫られないのが特徴です。検査に時間を割けるので精密な検査ができます。 - 全数検査
対象の製品全てに行う検査。食品、医療など不具合品が絶対に流出してはいけないような製品に対して行う検査です。不良品が市場に流出しないメリットはありますが、人件費がかなりかかるのと、人が行うので100%保証できるかは作業員次第もしくは検査工程の仕組み次第になります。 - 抜き取り検査
検査対象のロットからサンプルを抜き取って調べる検査。ロットごとに検査をするので手間が最小限で、全数不良を防げる特徴があります。外注からの受け入れ時などによく活用される方法でもあります。
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目視検査の方法
目視検査の方法は主に3種類あり、製品の用途に合わせて使い分けます。そのため、目視検査を導入する際は製品が最終的に何に使われるのか把握しておくことが重要です。
【目視検査の方法】
- 形状・構造に関する検査
- 衣装部分(外観部分)の検査
- 最終検査
基本的に、機能性部品に関しては『形状・構造に関する検査』を行い、電化製品などのように衣装部分(見た目)が重視される部品・製品は『衣装部分(外観部分)の検査』を実施します。最終検査は市場に出る直前に実施されることが多く、製品の完成形を対象に行ったりします。
形状・構造に関する検査
形状・構造に関する検査は製品が作られた直後に実施する検査です。主に機能性重視の部品に実施されることが多く、標準仕様と異なる形状の製品が作られていないかを検査します。形状・構造違いの製品は、生産設備(金型など)の不具合やラインに携わる人間自身のミスによって発生します。
特に組み立てを実施する工場では、作業者が手順を間違えてしまって規格と違う製品が作られてしまった、なんてことも珍しくありません。傷などによる単発的な不具合であればまだしも、形状・構造に関する不具合は基本的に保証の対象にならない場合が多いです。そのため、ある意味いちばん注意深く取り組まなくてはならない検査と言えるでしょう。
衣装部分の検査(外観検査)
衣装部分の検査は主に傷や欠け、材料の変色などの検査をします。主にプラスチックの部品を製造している企業で実施されることの多い検査方法です。プラスチックの部品は取扱次第で簡単に傷がついてしまうので、かなり細かい部分まで検査が必要とされ、製品によっては0.1mm単位で傷などを検出します。特に電化製品は外観の基準が厳しい企業が多いです。
最終検査
最終検査は生産ラインの最終工程で実施される検査です。最終検査では製品を本当に市場に出して問題ないかを確認する検査で、製品の仕上がり度合い、傷などがついていないか、動作不具合はないかを検査します。製造業において、市場クレームは最も発生してはいけないとされる問題であり、最終検査は市場クレームを発生させないための最終防衛ラインということになります。
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目視検査で発生する課題
目視検査は人が行う検査方法なので、機械が行う検査よりも不確実性があって課題が発生しやすい工程です。現時点で実際に課題として考えられているものは以下の通りです。
【目視検査で発生する課題】
- 人によって精度にムラが出る
- 教育完了まで時間がかかる
- 機械に比べて効率が悪い
- 検査員の負担が大きい
目視検査は簡単な作業ではありません。コンマ何ミリといった基準で品質は求められることもあれば、光の角度によって見えたり見えなかったりする傷を検出したりと、未経験の方が初日で完璧にできるようなものではないのです。そのため、検査員を教育するまでに時間がかかりますし、教育が完了したとしても、検査員の見え方によって不具合が流出するなど企業ごとに様々な課題が発生します。
人によって精度にムラが出る
目視検査のスキルは作業者の経験に依存しやすい傾向があり、人によって検査精度にムラが発生しやすいです。それだけでなく、検査員の体調、メンタル、集中力からも影響を受けやすく、日によっても検査精度に影響を与えてしまいます。
人の目の『見え方』はお互いに共有することができないので、全員が同じ方法で見ているようでも、実はそれぞれバラバラなことの方が多いです。現場ではこのような課題点が生まれることを前提に検査工程に工夫を凝らす必要があります。例えば、検査する箇所を絞って集中しやすい検査工程を組んだり、視力が良い方でもルーペを装着するように促したりすることで少しでも検査しやすくなるような工夫を凝らすことが大切です。
教育完了まで時間がかかる
目視検査は初心者の方がいきなり取り組むには難しい検査です。どんな不良があるのか、どんな角度で見れば不具合が見つかるのかといった内容は経験を重ねて少しずつ慣れていきます。そのため、検査員を教育するにはそれなりの時間が必要です。
とはいえ、検査員の教育に時間をかけすぎても生産性が上がらないので、育成と生産維持の両方を並行して進めることが企業には求められます。同時並行するためには、生産時間と教育時間をきっちり分けて効率よく進めるようにしたり、効果的なシステムを使って教育の質を上げたりなどがあります。
- *NECが提供する『作業支援ソリューション』を活用すれば、手順を自動音声で読み上げられるので、手順を遂行しつつも作業に集中できる環境が作れるのでおすすめです。
機械に比べて効率が悪い
目視検査は機械ようにスピード感あふれる検査ができません。人が機械のように素早く動けないのももちろんですが、それ以上に製品の良し悪しを判断するのに時間がかかってしまいます。機械なら画像で検知して判断するのに0.1秒単位でできますが、人の目の場合は早くても2~3秒が良いところでしょう。これがサイズの大きい製品になった場合はなおさら時間がかかります。
もちろん、スピードだけの話であれば目視検査を導入するメリットはありませんが、スピード以上に『精度の高い検査』というメリットが目視検査にはあります。製品の検査をする場合は、検査の意図を踏まえて『目視検査』にするべきか『機械検査』にするべきか検討しましょう。
検査員の負担が大きい
人が実施する作業な上に、目を使い続ける仕事なため作業者への負担は大きくなりやすいです。特に細かい検査になればなるほど作業者はより集中することが求められるので、検査対象が小さいものになるほど比例して負担が増加していきます。
検査のみを請け負う企業も世の中には存在しますが、検査の仕事は製品を時間あたりいくつ検査できるかで売り上げが決まることがほとんどで、最低限の休憩しかもらえない現場も珍しくありません。こういった過酷な検査員の労働環境を、今後どのように効率化していくべきかが製造業界では重要なポイントとなってくるでしょう。
目視検査を効率化する方法
以上、目視検査について解説しました。最後に、目視検査を効率化する音声技術の活用法についてご紹介します。
目視検査は検査項目にそって、検査員が検査を行います。そして検査結果は検査結果の報告書に入力されます。この時検査に抜け漏れなどが発生すると品質低下を招くため、抜け漏れはないように効率よく進めなければなりません。そこで、下記のイラストのように検査項目を音声で指示され、検査結果を音声で入力することで、目視検査を効率化できます。

音声で検査内容を指示され、検査結果を音声で入力していきますので、検査員は効率よく検査できます。こういった音声による目視検査を実現するのが現場作業支援ソリューションです。詳細については下記ページにて解説していますので是非ご確認ください。
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