サイト内の現在位置
コラム
POSシステムとは?|POSレジとの違いや管理できる情報や機能など詳しく解説

UPDATE : 2021.02.26
今や小売店ビジネスになくてはならないものとなっているPOSシステム。
売り上げ・商品・在庫などの情報を管理でき、店舗経営を効率化できる必須のソリューションです。
導入を検討しているものの、まだ詳細を把握しきれていない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、混同しがちなPOSシステムとPOSレジの違いや、管理できる情報、注目機能など、詳しく解説します。最適なPOSシステムを導入するためのポイント、POSシステムの最新市場動向についても紹介しますので、参考にしてみてください。
INDEX
-
POSシステムとは?
- そもそもPOSとは何か
-
POSシステムの種類
- ターミナル型
- タブレット型
-
POSシステムで管理可能な情報
- 売り上げ管理
- 商品管理
- 在庫管理
- 顧客情報管理
- 売り上げ分析
- 人事管理
-
POSシステムの活用例
- 売上データの管理
- 在庫の適正化
- 商品回転率の把握
- 交差比率の確認
- 販売データの分析
-
POSシステムとはどう違う?POSレジについて
- POSレジとは?
- POSシステムとPOSレジの違い
- POSレジの機能
- POSレジの歴史
-
POSシステムの導入メリットとは?
- 経営分析がしやすい
- 業務効率化を図れる
- マーケティングへの利活用が可能
-
POSシステム導入におけるデメリット
- 導入費用が発生する
- 停電などで使用できない可能性がある
-
最適なPOSシステムを導入するには?
- 求める機能を明確にする
- 導入前に使ってみる
- 費用について把握しておく
- 外部システムと統合して運用する
-
POSシステムの市場動向
- 注目はオムニチャネル化に対応のPOSシステム
- まとめ
POSシステムとは
POSシステムの「POS」とは「Point of Sale」の略で、「販売時点情報管理」という意味。商品のバーコード(JANコード)を読み取るスキャナー、読み取った情報を蓄積できるPOSレジ、そして、蓄積した情報を元に売上管理や在庫管理を行うためのシステムそのものを総称して「POSシステム」と呼びます。
そもそもPOSとは何か
「販売時点情報管理」という言葉の通り、お客さまが商品をお買い上げになった瞬間にPOSレジ内のメモリーに商品の部門、品名、価格などを記録・蓄積し、最新の売上情報を管理する仕組み・経営手法のことです。現在ではその役割は大きく拡張されており、在庫管理や顧客管理など、より幅広い用途に活用されるようになっています。
POSが活用される業界・業種
コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどのほか、ドラッグストア、アパレルショップなど、多くの小売店でPOSシステムはなくてはならないものになっています。それ以外にも、飲食店や宿泊施設、遊戯施設など、ありとあらゆる小売業・サービス業で活用されています。
POSシステムの種類
現在の「POSシステム」は、「ターミナル型」と「タブレット型」の大きく2種に分類することができます。ここではそれらについて解説します。
ターミナル型
ターミナル型は、専用のハードウェアを利用するタイプのPOSシステムです。ハードウェアの種類によって「一体型」「PC型」「ハンディタイプ」とさらに細かく分類でき、それぞれ得意とする店舗形態が異なります。現在、最も導入数が多いのがこのターミナル型です。
一体型
レジと一体化したPOSシステムのことです。「専用端末型」「筐体一体型」とも呼ばれます。主にコンビニやスーパーなどの大規模チェーン店で使われており、導入数ではナンバーワン。スーパーなどで使われているカウンター一体型のものから、コンビニで使われている多機能なものまでバリエーションも多彩です。ただし、システムの陳腐化に合わせた定期的な(4~6年程度)ハードウェアの入れ替えが必要で、コストがかかるという弱点があります。
PC型
一般的なPCに専用アプリケーションをインストールし、スキャナーやキャッシュドロワーなどといった周辺機器を接続してPOSシステムとしたものです。一体型と比べてハードウェアの導入コストが低く抑えられ、バリエーションも豊富。もちろんノートPCでも利用できます。汎用のPCとしても利用できるため、複数店舗での情報共有などがスムーズに実現できます。
ハンディタイプ
文字通り、ハンディサイズの小型POSシステムです。スキャナーとレシートプリンターが一体化されているものが一般的です。本体サイズが極めて小さく、内蔵バッテリーで動作するため、屋外催事場でのイベント販売や出張販売などで重宝されています。クレジットカードなどキャッシュレス決済と相性が良いのも特徴と言えるでしょう。
タブレット型
市販のタブレットやスマートフォンにアプリケーションをインストールしてPOSレジとして使用する方式のPOSシステムです。必要に応じて、別途キャッシュドロワーなどを追加します。PC型との違いは売上データをクラウドにアップし、クラウド上のサービスで管理すること。設置スペース、初期コストが群を抜いて小さいため、近年、小規模販売店・飲食店での導入が加速しています。
POSシステムで管理可能な情報
POSシステムでは売り上げ情報のほか、商品情報や在庫情報など、さまざまな情報を管理できます。ここではそれらについて解説します。
売り上げ管理
POSシステムの基本機能にして最重要機能です。いつ、なにが、いくつ、いくらで売れたのかといった売上情報を管理して、POSシステム内のデータベースに記録します。システムが異なっても記録される情報はほとんど同じですが、データベースの使い勝手などが異なるため、使いやすいものを選ぶようにしましょう。
商品管理
POSシステムで商品を管理するには、あらかじめシステムにバーコード(JANコード)と商品情報を登録しておく必要があります。商品情報は、商品名称、カテゴリー、商品コード、単価、税設定などが登録できます。こうした情報の一部はレシートの印字情報としても利用されます。
在庫管理
現在、店舗内に存在する商品在庫を正確に把握することができます。POSの仕組みを通じて、商品が売れた瞬間に在庫数を修正するので、リアルタイムでの在庫管理が可能です。POSシステムの中には発注システムと連動し、在庫が一定数を切ると自動的に商品を追加注文する仕組みを備えたものもあります。
顧客情報管理
年齢、性別など、商品を購入したお客さまの情報を入力・管理することもできます。ポイントシステム(会員制度)を導入することで、購買情報を個人情報に紐付けることも可能です。これによってお客さまにより適切なサービスを提供できるほか、より適切なマーケティング活用などが行えるようになります。
売り上げ分析
POSシステムを通じて蓄積した売上データや顧客情報などを元に、精度の高い売上分析を行うことができます。同時に購入されることの多い商品を分析したり、曜日や時間帯別の売れ筋を分析したりすることで、より効果的な新商品開発や発注の効率化なども実現可能です。店舗の売上情報を一元出力できるため、経理処理の効率化にも貢献します。
人事管理
一部のPOSシステムには勤怠管理機能を備えたものも。タイムレコーダーから入力された出退勤情報をPOSシステムで管理したり、シフトを作成したりすることができます。POSシステム内の売上データと連動させて、スタッフごとの売上成績を可視化し、モチベーションアップを図るといった使い方も可能です。
POSシステムの活用例
売上を伸ばすためには、POSシステムを導入するだけではだめ。POSシステムを使って収集したデータをしっかりと活用していく必要があります。
売上データの管理
「売上」は店舗経営における最重要データですが、この項目だけを見ていても、売上を伸ばすことはできません。売れ行きの良い時間帯や客層・客単価、売れ筋商品、不良在庫商品など、売上データから導き出せる情報をしっかり把握することが大切です。
在庫の適正化
人気の売れ筋商品は何なのか、どの時間帯に、どのような層に売れているのかをしっかり把握することで、品切れなどの機会損失を最小限に防ぐことができます。逆に不人気商品は速やかに値下げするなどし、不良在庫を抱えるリスクを低減していきましょう。
商品回転率の把握
経営効率を高めていく上で大切な指標の1つが「商品回転率」。これは一定期間に商品がどれくらい売れたかを示す数値です。一般的には売上高(売上原価)を平均在庫高(平均在庫金額)で割ることで算出でき、POSシステムによっては画面上でこれを確認できます。在庫を適正化し、商品回転率を高めることが利益アップへの第一歩です。
交差比率の確認
「交差比率」とは、商品回転率と粗利率を掛け合わせた数値のこと。この交差比率が高い商品ほど、お店の利益に大きく貢献していることになります。一部のPOSシステムではこの交差比率をランク付けして表示できるものもあります。交差比率の高い製品を中心とした売り場作りを心がけることで、店舗の利益を最大化することができます。
販売データの分析
近年発売された新型のPOSシステムの多くは、本格的な販売データの分析機能も搭載。ABC分析(重点分析)などといった手法でマーケティングの効率化を図れます。また、外部のPOSデータ分析システムや、会計システムと連携させることで、さらに高度な分析を行うこともできます。
POSシステムとはどう違う?POSレジについて
ここではPOSシステムの中核を担う「POSレジ」について、その定義と歴史を説明します。
POSレジとは?
「POSレジ」とは小売店店頭などに置かれているレジスター一体型のPOSシステム端末のこと。1970年代に米国のスーパーマーケットで売上向上を目的に開発され、すぐに世界中に広がっていきました。ちなみに世界最初期の「レジスター」は1878年に米国で登場、1910年代には国内の大手百貨店などでも使われるようになりました。
POSシステムとPOSレジの違い
「POSシステム」と「POSレジ」は混同されやすい言葉ですが、きちんと理解し、正しく使い分ける必要があります。「POSシステム」とは「販売時点情報管理」からの効率的な売上分析を実現するための仕組み全体を示し、「POSレジ」は、その仕組みの中で使われる端末のことを示します。
POSレジの機能
POSレジは、レジスターとしての会計機能に加え、POSシステム端末としてのさまざまな機能を搭載しています。具体的には売上管理、商品管理、在庫管理、顧客情報管理といったことが可能です。時代とともにその機能は拡張され、最新モデルでは売上分析や勤怠管理など、店舗経営にまつわる数々の機能を備えるに至っています。また、POSシステムをクラウド上に展開し、売上データをインターネットを経由してアップするタイプのPOSレジも登場しています。
POSレジの歴史
1878年に米国で登場したとされるレジスターは、当初、取引内容を記録し、従業員による不正を防ぐための仕組みでした。レジスターはその後、合計金額の自動計算やレシートの発行といった機能を追加しながら順調に進化を続け、1970年代にPOSレジスターに進化。当初は大規模小売店を中心に導入されていましたが、昨今では小規模店舗でも当たり前のように使われています。
POSシステムの導入メリットとは?
POSシステムの導入はどういったメリットがあるのか。ここでは大きく3つのメリットを紹介します。
経営分析がしやすい
POSシステムを導入する第一のメリットは、販売実績を正確に把握できることによって、正しい経営分析が行えること。売上情報がリアルタイムにデータ化されるので、迅速な経営判断が可能になります。また、売上情報を時間帯や天候、購入者情報などと紐付けて分析できるため、より踏み込んだ経営戦略を立てることができます。
業務効率化を図れる
POSレジのスキャナーで商品のバーコードを読み取っていくだけで会計できるため、入力ミスがなく、取引の迅速化を図ることができます。日々のレジ締めもドロワー内の現金額を確認するだけで完了。こうした業務効率化による人件費の削減なども期待できます。また、売上がその場で販売データベースに登録されるため、在庫管理や経理業務などといったバックオフィスでの業務も大幅に効率化されます。
マーケティングへの利活用が可能
POSシステムに蓄積されたデータは、どんな人が、いつ、どのような商品を購入したかなど、マーケティングに活用できる情報が詰まった、まさに「ビッグデータ」です。これを利活用することで、店頭キャンペーンや新商品開発などといったマーケティング活動をより効果的に行えるようになるでしょう。
POSシステム導入におけるデメリット
多くのメリットがあるPOSシステムですが、少なからずデメリットも存在します。導入時にはこれらについても把握しておきましょう。
導入費用が発生する
POSシステムを利用するには、POSレジの購入などといった初期費用がかかります。またPOSシステムは社会情勢に合わせた定期的なアップデートが必要なため(例:消費税率変更やキャッシュレス対応など)、導入後も定期的な投資が必要です。売上規模とPOSシステム導入による効率化を照らし合わせて導入を検討しましょう。なお、近年はタブレット型POSシステムのような、初期費用を抑えられるソリューションも登場し、小規模店舗で人気を博しています。
停電などで使用できない可能性がある
POSシステム、POSレジの動作には電力が必要なため、当然ながら停電の発生時には利用できません。会計ができないだけでなく、在庫管理や発注など、POSシステムに任せている全ての業務が停止してしまう問題があります。電力復旧までデータを確認することすらできないのは大きな弱点と言えるでしょう。ただし、きちんとした停電対策を施していれば、データが失われるということはありません。
最適なPOSシステムを導入するには?
一口にPOSシステムといっても、世の中にはさまざまなタイプのPOSシステム(ソリューション)が存在します。店舗経営を効率化するには、ビジネスに合致したPOSシステムを選ぶことが重要です。
求める機能を明確にする
まずはPOSシステムに求める機能を明確にしましょう。「店舗が狭いので少しでもコンパクトなシステムがほしい」「複数店舗で売上データを共有しやすいものがよい」「幅広いキャッシュレス決済に対応したい」などといった具合です。なお、POSシステムにはコンビニや飲食店、アパレルなど特定の業種向けに特価したものも存在します。これらの特化型POSシステムは、それぞれの業種に必要な機能がパッケージ化されているメリットがあります。
導入前に使ってみる
導入する前に実際に試してみることも大事です。「なにができるか」はカタログなどで確認できますが、その「操作しやすさ」や「見やすさ」「分かりやすさ」は使ってみないとわかりません。POSシステムは提供メーカーのショールームや販売店のほか、定期的に開催されている展示会などでも試用できます。
費用について把握しておく
POSシステムは買って終わり、ではありません。初期費用について確認しておくことは当然ですが、その後にはランニングコストが発生します。たとえば、売上データをクラウドにアップするタブレット型POSシステムは月額料金がかかり、しかも利用量に応じて料金が変動します。ハードウェアの入れ替えなど、定期的なアップデートにかかる費用についてもあらかじめ確認しておきましょう。その上で、なおメリットが大きいと判断した場合に導入すべきです。
外部システムと統合して運用する
顧客情報、商品管理、経理など、すでに社内で何らかのデータ基盤が運用されている場合は、POSシステムとの連携・統合がおすすめです。たとえばPOSシステムのデータを既存の経理システムや顧客管理システムのデータと統合することで、データの一元管理、入力の手間軽減、管理コストの削減など多くのメリットが生まれます。
POSシステムの市場動向
近年、これまで導入をためらっていた小規模小売店を中心に爆発的に普及が進んでいるPOSシステム。その牽引役となったのが、低価格に導入できるタブレット型POSシステムです。また、コンビニエンスストアやスーパーなどのPOSシステムもキャッシュレス決済の普及などといった社会情勢の変化を受けて多機能化。今後は、そうした多機能を誰もが短期間で習得できるようにするための操作の簡素化などもキーワードになっていくと言われています。
注目はオムニチャネル化に対応のPOSシステム
そして、そんなPOSシステム進化の最先端と言われているのが「オムニチャネル」への対応です。オムニチャネルとは、リアル(実店舗)とネット(オンラインショップやSNSなど)の情報管理システムを統合することで、シームレスに顧客をフォローし、機会損失を防ぐという販売戦略のこと。POSシステムは「リアル」の最前線として、オムニチャネルへの対応が求められています。
まとめ
POSシステムは今後の店舗運営には必須のソリューション。タブレット型POSシステムなど、店舗ごとにことなる細かなニーズに対応できる多彩な選択肢が登場したことで、予算や設置スペースなど、さまざまな理由から導入が難しかった小規模店舗においても導入が進んでいます。キャッシュレスやオムニチャネルなど、最新のビジネストレンドにキャッチアップするためにも最新POSシステムの導入を検討しましょう。
NECソリューションイノベータでは、小売業向けの多彩なPOSソリューションを提供しています。売上管理・在庫管理・顧客管理などの機能を搭載し、レジ待ちの解消や会計ミスの低減など、さまざまな小売業の課題を解決します。
小売業向けソリューションの資料請求はこちら