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コラム
ジョブ型雇用とは?
メンバーシップ型との比較やデメリットも解説

UPDATE : 2023.02.17
「ジョブ型雇用」とは、企業にとって必要なスキル、経験、資格などを持つ人材を、職務内容などを限定して採用する雇用方法です。従来の日本では、まず人材を確保し後から職務を割り当てる「メンバーシップ型雇用」が主流でしたが、日本経済団体連合会(経団連)がジョブ型雇用の採用を後押ししたことなどを背景に、日本でもジョブ型雇用を導入する企業が増えてきています。
本記事では、ジョブ型雇用の概要やメリット・デメリット、メンバーシップ型雇用や成果主義との違いなどをわかりやすく解説します。
INDEX
- ジョブ型雇用とは?
職務に適したスキルや経験を持つ人を採用する雇用方法- メンバーシップ型雇用との比較
- 成果主義との比較
- ジョブ型雇用が日本で注目されている背景
- 経団連の提言
- テレワークの普及
- 大手企業のジョブ型雇用の導入
- ジョブ型雇用のメリット・デメリット【企業側】
- メリット①スキルや技術のある人材を確保できる
- メリット②業務であげた成果に応じて社員を評価できる
- メリット③業務内容に合致した人材を採用できる
- デメリット①早期に転職される可能性がある
- デメリット②流動的な対処が困難
- デメリット③給与体系や社員の評価項目などの抜本的な見直しが必要
- ジョブ型雇用のメリット・デメリット【従業員側】
- メリット①成果をあげやすい
- メリット②スキルアップを望める
- デメリット①スキルアップには自己研鑽が必要
- デメリット②業務がなくなった場合に失職の恐れがある
- ジョブ型雇用の導入手順
- ジョブ型雇用の適用範囲を検討する
- 職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成する
- 職務記述書をもとに職務を評価し価値を算出する
- 職務価値を等級に分ける
- 職務と賃金を紐づける
- 職務記述書や職務価値を定期的に見直す
- ジョブ型雇用を導入した企業の事例
- カゴメ株式会社
- KDDI株式会社
- 株式会社資生堂
- ジョブ型雇用導入の課題はITで解決
- まとめ
ジョブ型雇用とは?
職務に適したスキルや経験を持つ人を採用する雇用方法
「ジョブ型雇用」とは、企業にとって必要な職務に応じて、職務を実行するために必要(もしくは有効)となるスキル、経験、資格などを持つ人材を採用する雇用方法です。2020年3月に経団連が発表した「採用と大学教育の未来に関する 産学協議会・報告書 『Society 5.0 に向けた大学教育と 採用に関する考え方』」では、ジョブ型雇用について「特定のポストに空きが生じた際にその職務(ジョブ)・役割を遂行できる能力や資格のある人材を社外から獲得、あるいは社内で公募する雇用形態のこと」としています。
欧米型の企業では主流となっている雇用方法ですが、日本ではほとんどの企業が採用後に職務を割り当てる「メンバーシップ型雇用」を選択していました。しかし、専門性の高い職種が増えたこと、コロナ禍の影響でリモートワークが普及したことなどから、近年では大企業を中心にジョブ型雇用の導入が進みつつあります。
なお、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用は、労働政策研究・研修機構労働政策研究所長の濱口桂一郎氏の著書である『新しい労働社会: 雇用システムの再構築へ (岩波新書)』(岩波書店、2009年)によって命名され広がった用語と言われています。
メンバーシップ型雇用との比較
日本における雇用方法はメンバーシップ型雇用が主流となっています。メンバーシップ型雇用では、会社にとって必要となる人材の「数」を採用して、その後に職務や就業場所を割り当てます。基本的に、就業規則や雇用契約についても、すべて同じ内容になります。もし就業規則に「転勤に応じる義務」が定められていれば、それを拒否することはできません。特に新卒採用については、日本国内のほとんどの企業がメンバーシップ型雇用を導入しています。
一方、ジョブ型雇用は主に中途採用で導入されているケースが多くあります。そのほかの違いとしては、以下のようなものがあります。
ジョブ型雇用 | メンバーシップ型雇用 | |
---|---|---|
対象 | 新卒採用の一部と中途採用に適用 | 新卒採用のほとんどに適用 |
職務・部署配置 | 採用時に決定 | 採用時に決定 |
賃金 | 難易度や責任に応じた賃金(職務給) | 職務遂行能力に応じた賃金(職能給) |
教育 | 基本的には自己研鑽 | 会社で定められた教育制度 |
雇用契約 | 採用時に独自の契約が可能 | 会社が定めた規則に従う |
解雇 | 職務が終了した場合、雇用契約によっては解雇される可能性がある | 正社員の解雇は厳しく制限される |
成果主義との比較
ジョブ型雇用と混同されがちな用語に「成果主義」があります。しかし、ジョブ型雇用の名付け親である濱口桂一郎氏は「ジョブ型=成果主義ではない」と説明しています。
ジョブ型雇用は、あくまでも雇用の手段です。対象のジョブを実行できる人物であるかどうかの評価は採用時点で済んでおり、報酬も業務内容によってあらかじめ職務記述書(ジョブディスクリプション)によって定められています。もし、想定以上の成果や結果を残したとして、それが報酬や待遇に反映されるかどうかは、雇用方法ではなく人事制度によるものです。
仕事の成果や成績によって報酬や待遇が変わる成果主義は、人事制度の1つです。つまり、ジョブ型雇用であってもメンバーシップ雇用であっても成果主義を採用することができます。ただ、その人が担うジョブが明確に切り分けられているジョブ型雇用の方が、幅広く業務を担うメンバーシップ型雇用より成果が見えやすいため、成果主義を採用しやすい傾向があります。
ジョブ型雇用が日本で注目されている背景
近年、大企業を中心に、ジョブ型雇用を採用する企業が増えてきました。日本において、欧米型の雇用方法であるジョブ型雇用が注目されている理由について、簡単に解説します。
経団連の提言
経団連は2020年の経営労働政策特別委員会において、「日本型雇用システム(メンバーシップ型雇用)の見直し」と「ジョブ型雇用の推奨」を提言しました。2022年の「春季労使交渉に臨む経営側の方針」では、「ジョブ型雇用の導入・活用の検討が必要」と、さらに踏み込んだ提言をしています。これらの提言が行われたことで、特に経団連に所属する企業の中で、ジョブ型雇用を推進する気運が高まってきています。
テレワークの普及
総務省の「令和3年 情報通信白書」によると、2021年3月におけるテレワークの普及率は全体で38.4%、大企業*では69.2%となっています。コロナ禍の影響により、多くの企業が実施環境を整えた結果、テレワークの普及率と作業効率は大幅に上昇しました。一方で、勤務態度や意欲など、成果面以外での評価が難しくなるという課題も発生しています。
テレワークにおいては、あらかじめ職務、成果、給与を定めておくジョブ型雇用の方が評価しやすいため、テレワークに適した職務を中心に導入の検討が進んでいます。
*中小企業庁「中小企業者の定義」を元に、「製造業」「建設業」「電力・ガス・水道業」「金融・保険業」「不動産業」「運輸業」「情報通信業」は従業員数が300人以上の企業を「大企業」、同300人未満の企業を「中小企業」として分類し、「商業」「サービス業」は、従業員数が100人以上の企業を「大企業」、同100人未満の企業を「中小企業」として分類。
大手企業のジョブ型雇用の導入
近年、カゴメ、KDDI、資生堂などの大手企業を中心にジョブ型雇用が進んでいます。これら著名な企業がジョブ型雇用を採用したという報道が相次いだため、多くの注目が集まりました。なお、具体的な導入事例については後述します。
ジョブ型雇用のメリット・デメリット【企業側】
ジョブ型雇用の導入は、企業側と従業員側、それぞれに対してメリットとデメリットが存在します。まず、企業側の視点からメリットとデメリットについて紹介します。
メリット①スキルや技術のある人材を確保できる
ジョブ型雇用は、企業が必要とする特定のスキルや経験を持つ人材を募集するため、特定のプロジェクトや自社課題に最適な人材を確保できる可能性が高まります。採用した人材は、一定以上のスキルや経験を持っている即戦力としての採用となるので、雇用後の研修や教育などのコストは必要最低限で済み、業務効率が上がるなどの成果もすぐに現れる可能性が高いでしょう。
メリット②業務であげた成果に応じて社員を評価できる
ジョブ型雇用は、あらかじめ設定された職務記述書(ジョブディスクリプション)、評価基準、給与体系などに合意した人材を雇用します。採用時点で評価の基準が決まっているため、上司や同僚の主観に影響されることなく、明確で正当な評価が可能となります。
メリット③業務内容に合致した人材を採用できる
ジョブ型雇用は、職務内容と必要なスキルを明確にしたうえで募集を行います。求職者側も理解した上で応募してくるため、求める人材をピンポイントで採用できる可能性が高まります。ただし、たとえば「経理職募集」など、職種のみを記載し職務内容が不明瞭な状態で募集をすると、ミスマッチが生じる可能性があります。「経理部で給与計算を行う人材」など、募集する職種および職務を具体的かつ明確にする必要があります。
デメリット①早期に転職される可能性がある
ジョブ型雇用は、給与、業務、勤務地などがあらかじめ定められており、途中で変更することは原則としてありません。そのため、同じ職務内容でより高い条件を提示する他社が現れた場合、採用してまもない時期であったとしても、早期に転職をされてしまう可能性があります。
デメリット②流動的な対処が困難
ジョブ型雇用は、あらかじめ決められた内容や範囲の中で業務を行います。その範囲を超えた業務は原則として行いません。もし、他の部署で人材が不足した場合でも、ジョブ型雇用で採用した人材は、簡単に異動できないので、流動的な人材の活用が難しくなります。
デメリット③給与体系や社員の評価項目などの抜本的な見直しが必要
従来のメンバーシップ型雇用とジョブ型雇用とでは、給与体系や評価項目が異なるため、新たにジョブ型雇用を実施する場合、それらを抜本から見直す必要があります。また、新たにジョブ型雇用の従業員を採用する場合は、従来から所属している従業員に対しても誤解が生じないように丁寧に説明して理解を得る必要があります。
ジョブ型雇用のメリット・デメリット【従業員側】
続いて、従業員側の視点からジョブ型雇用のメリットとデメリットについて紹介します。
メリット①成果をあげやすい
ジョブ型雇用は、あらかじめ職務内容や必要スキルが明示されているため、求職者側も自らがもっとも力を発揮できる職種に応募できます。また、業務範囲が明確で自分の仕事に注力できるので、成果をあげやすいと言われています。
メリット②スキルアップを望める
ジョブ型雇用は、自分が得意としている分野の業務に集中して取り組めるため、その分野に対する知識と経験がさらに深まるでしょう。より好条件の雇用契約を結びたい場合には、スキルアップやリスキリングが重要です。目指すポジションがジョブ型雇用であれば、具体的に何を学び何を身につければ良いかがわかりやすいため、スキルアップがしやすいでしょう。
デメリット①スキルアップには自己研鑽が必要
前述したように、ジョブ型雇用のメリットにはスキルアップのしやすさがあります。ただし、メンバーシップ型雇用とは異なり、企業側が従業員のスキルアップのために研修や教育を実施するケースは少ないので、ジョブ型雇用のスキルアップは、主に自己研鑽によるものとなります。
デメリット②業務がなくなった場合に失職の恐れがある
企業側から見ると、ジョブ型雇用には人材の「流動的な活用が困難」というデメリットがあります。そのため、業務や職務において人材が不要となった場合は失職する恐れが生じます。特にエンジニアなどは、プロジェクト単位でジョブ型雇用が行われるケースがあります。プロジェクトが終了して職務が不必要となった場合はどうなるのか、あらかじめ雇用契約を企業側と協議しておくのが良いでしょう。
ジョブ型雇用の導入手順
ジョブ型雇用は、従来からのメンバーシップ型雇用とは、さまざまな面で異なります。スムーズに実施するには、いくつかの手順を踏んだ上で、制度と風土の両面で土台を築く必要があります。
ジョブ型雇用の適用範囲を検討する
まずは自社にどんな職務や役職があり、どんな人材が必要なのかを分析した上で、ジョブ型雇用を適用する範囲を検討します。
日本の場合、新卒一括採用を代表とするメンバーシップ型雇用が一般的なので、一度にすべての職務や役職をジョブ型雇用に切り替えると、混乱が生じる可能性があります。例えば開発部門など、ジョブ型雇用に適していると言われる職務の一部から、徐々に導入を進めていくと良いでしょう。
職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成する
続いて、ジョブ型雇用を適用する職務ごとに、「職務内容、業務範囲、必要なスキルや資格などをまとめた職務記述書(ジョブディスクリプション)」を作成します。ジョブ型雇用を成功させるには、いかにして明確かつ簡潔な職務記述書を作成するかが重要なポイントとなります。
なお、職務記述書は従業員が自ら作成するケースと、面接などを通して上司が作成するケースがあります。具体的な職務記述書の項目例は以下となります。
- 職種・職務名・職務等級
- 職務概要・具体的な職務内容・各職務のウェイト(重み付け)
- 期待されるミッションと目標
- 組織との関わり方
- 直属の上司・部下、責任・権限の範囲
- 雇用形態、勤務地、勤務時間など
- 必要とされる知識・スキル・資格
- 待遇・福利厚生
職務記述書をもとに職務を評価し価値を算出する
ジョブ型雇用の評価は、職務記述書をもとに評価を測定します。厚生労働省の「多様な働き方の実現応援サイト」では、職務評価の手法として、「単純比較法」、「分類法」、「要素比較法」、「要素別点数法」の4つを挙げています。
手法 | 内容 |
---|---|
単純比較法 | 社内の職務を1対1で比較し、職務の大きさが同じか、あるいは、異なるかを評価します。比較の際に、職務を細かく分解せず、全体として捉えて比較します。 |
分類法 | 社内で基準となる職務を選び、詳細な職務分析を行った上で、それを基に「職務レベル定義書」を作ります。「職務レベル定義書」に照らし合わせ、全体として、最も合致する定義はどのレベルかを判断し、職務の大きさを評価します。 |
要素比較法 | あらかじめ定めておいた職務の構成要素別に、レベルの内容を定義します。職務を要素別に分解し、最も合致する定義はどのレベルかを判断することにより、職務の大きさを評価します。分類法のように、職務全体として判断するよりも、客観的な評価が可能です。 |
要素別点数法 | 要素比較法と同様に、職務の大きさを構成要素別に、評価する方法です。評価結果を、要素比較法のようにレベルの違いで表すのではなく、ポイント数の違いで表すのが特徴です。要素別にレベルに応じたポイント数を付け、その総計ポイントで職務の大きさを評価します。 |
職務価値を等級に分ける
職務記述書で算出した職務価値を数段階の等級に区分します。等級が粗すぎると正当な評価となりにくくなります。逆に細かすぎると、手間がかかると同時に柔軟な人事異動を阻害する要因ともなります。
職務と賃金を紐づける
職務価値を等級に区分したら、等級に応じた賃金を設定します。ジョブ型雇用では、他社と比較して待遇が悪いと、短期で転職される恐れがあります。人材を確保するためにも、自社の報酬基準ではなく、市場が形成する相場にあわせて賃金を設定します。
職務記述書や職務価値を定期的に見直す
職務内容は自社事業の変化などによって変わることがあります。そのため、職務記述書から算出した職務価値も、適切な頻度で見直しを行います。現場の変化にあわせて行うため、人事担当ではなく現場の上司や従業員が行うことが多いようです。見直しがないままで運用を続けると、時代にそぐわない形だけのジョブ型雇用となってしまいます。
ジョブ型雇用を導入した企業の事例
近年、大企業を中心にジョブ型雇用の導入が進んでいます。ここからは、実際にジョブ型雇用を導入しているカゴメ株式会社、KDDI株式会社、株式会社資生堂の3社の事例を紹介します。
カゴメ株式会社
食品関係の総合メーカーであるカゴメ株式会社は、2013~2015年の中期計画における最重要課題として「グローバル人事制度の導入」を掲げ、管理職を対象としたジョブ型雇用の導入を進めました。職務の大きさを、仕事の影響度や達成責任の度合いなど20項目の数値で定量化・点数化を行い、その数値に応じた報酬を支払います。
ジョブ型雇用の導入に際しては現場に混乱を生じないように「トップから始めること」を徹底。まずは社長と会長からジョブ型雇用に応じた報酬体系を、固定報酬80%・変動報酬20%から、固定報酬50%・変動報酬50%へ変更しました。その後、執行役員、部長、と段階的に導入を進めています。
なお、一般の従業員にはフレックス制度やテレワーク制度の導入などもあわせて行い、総合的な人事制度改革に取り組んでいます。その結果、管理職の登用が実力主義となり、子会社の社長に若手が抜擢されました。
KDDI株式会社
大手キャリア事業者であるKDDI株式会社では、デジタル化の加速、人生100年時代の到来といった外的環境の変化と、事業領域の拡大、年齢構成、組織風土、人財活用などの自社が抱える課題を解消する術として、2021年よりKDDI版ジョブ型人事制度を開始しました。多様な成長機会の提供や人間力の高さも評価するKDDIらしさを大切にしながら、職務領域を明確にするジョブ型雇の導入を実施しています。
その取り組みが評価され、日本企業における人事変革の推進を奨励するために創設された「HR Transformation of The Year 2022」の最優秀賞を受賞しています。
株式会社資生堂
化粧品の製造・販売を行う株式会社資生堂では、生産性の向上および欧米の地域本社と日本本社との間にある専門スキル格差の解消を目的として、2020年1月に日本国内の一部管理職を対象としてジョブ型雇用(ジョブグレード制度)を導入しました。2021年からは国内の一般社員にも適用範囲を広げています。
同社が導入しているジョブ型雇用では、以下の4項目に沿って、評価基準を「能力」から「職務(ジョブ)」に移行し、グローバルスタンダードに沿った客観的な格付けや処遇を可能にしています。
- 社員が目指すべき専門性の領域をジョブファミリー(JF)としてグローバルで明確化
- それぞれのジョブファミリーに必要な専門性とスキルを、ファンクショナル・コンピテンシー(FC)として明示
- 管理職だけでなく一般職も含めた全階層にジョブグレード(JG)を導入
- グレード判定の基準となるジョブ・ディスクリプション(JD)を明示(部署ごとにジョブ・ディスクリプションを作成することで日本の労働慣行に沿って組織変更やアサインメント変更に対しても対応できるよう考慮)
引用元:株式会社資生堂「人材育成と公正な評価」
ジョブ型雇用導入の課題はITで解決
ビジネスのグローバル化が進めば、雇用方法もグローバル化していきます。今後、日本国内においても、欧米型のジョブ型雇用は広く浸透していく可能性が高いと言えるでしょう。ただしジョブ型雇用導入には、職務記述書の作成、従業員の能力や経験の把握、目標管理などの仕組み整備、従業員の能力発揮を支える仕組みづくりなど、さまざまな課題をクリアしなければなりません。
NECソリューションイノベータでは、人事、給与、就業管理など広範な機能を網羅した「統合HCMシステムPOSITIVE」を提供しています。従業員のスキルや人事考課歴、職務歴などの情報を集約した人材データベースを構築可能です。また、タレントマネジメント機能で職務スキルのレベル判定・ギャップ分析などで最適な能力開発を支援します。
もちろん、ITツールを導入しただけでジョブ型雇用が実現するわけではありません。自社に合致する制度を策定し、運用をしながら見直しを繰り返し、改善していくことが肝要です。ジョブ型雇用制度の策定、運用を効率的に進めるために、ITツールの活用は効果的です。
まとめ
生産年齢人口の減少などの要因によって、特に専門職の人材不足は日本の大きな課題になっています。企業の雇用形態も変革を求められる中、自社の職種に適した人材を採用する「ジョブ型雇用」は、費用対効果も高いと見込まれており、課題解決の一手となるでしょう。ジョブ型雇用制度を導入する際には、タレントマネジメントなどITツールを活用すれば効率的な運用が可能です。ジョブ型雇用制度を自社に取り入れる場合には、ITを活用した仕組みづくりもあわせて検討してみてはいかがでしょうか。