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スマートワーク推進&ワークスタイル変革・コラム企業や組織にとってデータ
を長期間保管する意味とは

~データアーカイブが必要な業種・業務とは~
デジタルデータをどう安全・確実に管理していくかが、企業などの組織、あるいは個人にとっても大きな課題となっています。

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データの長期保管(アーカイブ)とは

2010年代はビッグデータの活用が本格的に進んできましたが、2020年3月、いよいよ日本でも次世代通信規格「5G」の商用サービスが開始しました。これにより、これまでとくらべものにならないほどの大量データが送受信可能になり、新しいビジネスが生まれることが期待されていますが、必然的に大量のデータが生成されると言われています。
そのような中で、デジタルデータをどう安全・確実に管理していくかが、企業などの組織、あるいは個人にとっても大きな課題となっています。
なお、アーカイブ、あるいは長期保管というお話をすると、多くの方が「バックアップ」と誤解されます。

  バックアップ アーカイブ
目的 稼働しているデータの復旧 長期の保管
管理方法 世代管理(上書き保存) オリジナルデータ保管(上書きしない)
利用頻度 障害発生時に復元 利用の都度
取出し速度の
重要性
障害後、すぐに対処 時間的な猶予があることが多い
注意点 緊急時の対応力が必要
データファイルだけでなく、システム設定情報やプログラムコードも必要
機器、記録メディア、及びソフトウェアの寿命管理が必要
改ざんや消去の防止策が必要

図表:バックアップとアーカイブの違い

わかりやすく言えば、バックアップは、「何かあったときに、データをある時点の状態に戻す」ためのもの、アーカイブは「長期間安全に保存(保管)する」ための管理となります。
アーカイブの目的は、長期保管ですので、例えば、10年後に記録していたデータを取り出して、元のようにみることができるか、といったバックアップとは異なる仕組みや管理策が必要となります。

なぜ、データアーカイブが必要なのか?

それでは、なぜデータの長期保管が必要なのでしょうか。目的に応じて4つにわけられると考えています。

分類
守り ① 法律・ガイドライン対応
  • 株主総会議事録(10年)
  • 建設図面(10年または15年)
  • 研究データ(10年)
② 証拠性担保
  • 建設・工事記録
  • 研究開発
  • 入退館記録
攻め ③ 情報資産の維持・活用
  • 映像などのコンテンツ、文化遺産、美術品
  • 特許などの産業財産権や営業機密
④ データの活用・流通
  • DX、マーケティング、生産性向上のための学習用データ

図表:長期保管の目的

①法律・ガイドライン対応

保管期限が法律、または業界のガイドラインなどで決まっているものがあります。
または製造終了後、〇年間は部品を供給するといった業界ルールがあるので、明文化はされていないものの、関連するデータも保管しておかなければならない、といったものもあります。
昨今の働き方改革やDXへの取組みにより情報のデジタル化が進み、紙保管から、デジタルデータの保管に移行しつつあるため、長期保管ニーズは高まっています。

②証拠性担保

証拠性担保とは何かのときのために証拠を残すためです。法律には定義されていないものの、組織としてルールを作って保管しているもの。あるいは、法律で制定されている年数以上に保管したいというものが含まれます。
近年、様々な業界で、データの改ざん、偽装が問題になり、係争になるケースがでています。建設業では、例をあげると、強度データの改ざん、製造業では、部品の検査データ、研究機関ではデータや調査結果の捏造、改ざんなどです。そのため、建設業では、50年以上の保管を社内ルールとしている組織が多くあります。
また、金融や製薬、医療・介護などの分野でも、顧客への説明や契約時のやりとりの記録を証拠として保全する動きが続いています。
製品寿命が長い、あるいは生命に関わるような、長期かつ厳格な管理が求められるサービス分野で保管期間が長い傾向にあります。
ここまでの2つは、企業などの組織、あるいは個人を「守る」ためのものです。
一方で、情報資産が企業・組織にとって付加価値を生み出す、つまり「攻め」の視点もあります。

③情報資産の維持・活用

企業や組織における歴史資料やコンテンツが該当します。日本は100年以上の長寿企業が世界一多いと言われていますので、古い資料を持つ企業も多く、デジタル化した上で、長期保管を求める企業も多くあります。
また、知財自体が価値を生む時代ですので、映像などのコンテンツもあれば、システムのプログラムなどを確実に管理したいというニーズもでてきています。

④データの活用・流通

ビッグデータの時代になり、膨大なデータの分析が可能になってきています。気象データと自社の購買データを組み合わせて新しい価値を生み出すといったことが可能になり、これまでなら価値があると認められなかったものが重要なデータになるといった場面が多くみられるようになっています。
監視カメラでも同様の例があります。一般的には防犯目的でこれまで使われていましたので、一般的には数日からせいぜい数か月の間で上書きまたは消去されています。
しかしながら、映像や音声の品質があがる、あるいは画像や音声認識の精度があがることで、これまでよりも長期間データを保管し、DX化、マーケティング、生産性向上などにも活用するといったことが進められつつあります。
全体的には、まだまだアーカイブは、守りのためという意識が強く、企業などにとってはコストです。
しかしながら、活用のための攻めのアーカイブ視点もでてきています。

まとめ

ここまでご説明しておわかりのとおり、データアーカイブはあらゆる業界の組織にとって必要です。ただし、「守り」のアーカイブでは、法規制が多い業界や製品寿命が長い等、長期間に渡って説明責任がある業界の方が、重要性がより高いでしょう。
また、「攻め」のデータアーカイブについては、映像などの大量のコンテンツを保有している業界の方が、緊急性が高いと思われます。

経営に必要な4つの資源として、ヒト、モノ、カネと並んで情報(データ)があげられることは一般的になりました。しかし、日々使っているデータはともかく、どうデータを残すかについては、まだまだ軽視されていることも多いのが実情です。
日本は長い歴史を持ち、独自の文化を持っています。また、優れた技術やコンテンツもあるため、我々が有しているデータの価値はかなり高いと考えられます。
せっかくの知恵、情報を活用するには、デジタル化の推進と、それに並行してデータアーカイブの推進が不可欠です。日本でも真のデータアーカイブが普及することを期待してやみません。

執筆者プロフィール

野村 貴彦氏

野村 貴彦氏

株式会社ボウラインマネジメント 代表取締役
公益社団法人日本文書情報マネジメント協会 理事(2011年~)
データ保全推進研究会 理事長(2019年~)

データ保全推進研究会 理事長、(公社)日本文書情報マネジメント協会理事として、データマネジメント及びデータ保全の重要性の啓発を行っている。