
ストックコントローラ―「適正化在庫」・コラム過剰在庫が及ぼすリスクとは?
在庫が余る3つの原因と対処法を解説
在庫が不足すると、企業にとっては機会損失を招く重大な問題になりかねません。しかし、在庫不足を恐れて反対に在庫が多くなりすぎても、さまざまなリスクを招いてしまいます。この記事では、過剰在庫に関心がある人に向けて、過剰在庫が引き起こす問題や過剰在庫の解決策などについて解説します。発注業務を担当する人にもヒントになりますので、ぜひ参考にしてください。
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過剰在庫とはどのような状態か

過剰在庫とは、需要を上回る在庫を確保している状態を指します。在庫が不足して機会損失を招く恐ればかりに気をとられてしまうと、余計な発注を繰り返し、余分な在庫が増えて過剰在庫の状態に陥ってしまいます。
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過剰在庫が起きやすい商品
まずは、過剰在庫になりやすい商品にはどのようなものがあるのか、確認しておきましょう。
サイズや色などの種類が多い商品
商品のサイズや色のバリエーションを増やすと、顧客のさまざまなニーズに対応できるようになる反面、同じ商品でもサイズごと、色ごとの管理が必要となり、在庫管理が複雑になります。そして、特定のサイズや色に人気が偏ってしまった場合など、そうでない商品は過剰在庫となってしまう可能性が出てきます。
需要が変化しやすい商品
流行している商品や季節に特化した商品など、短期間に売れ行きが変化しやすい商品は需要が読みにくい傾向があります。また、これまでに取り扱ったことがなく、売れ行きの見通しが立てにくい商品も、想定より売れない事態が起きることがあります。このような商品は過剰在庫になる可能性がある反面、思ったよりも人気が出て機会損失になるといったリスクも起こり得ます。
需要が少ない商品
ニッチな商品や専門分野でしか使用されない商品、サイズが特殊な商品などの一般大衆向けではないものも需要が安定しないため、適正な在庫管理が難しく、過剰在庫になる可能性があります。人気が出たから、と在庫数を増やしたとたんに需要が落ち着くことがあります。
競合他社が強力な商品
人気がある商品でも、認知度が高い大手企業や人気ブランドなどが競合にいる場合、自社のものが売れない可能性があります。価格や品質などで競合他社との差別化ができていないと、商品が売れ残り、過剰在庫になりやすくなります。
過剰在庫が引き起こすリスク
次に、過剰在庫によって発生し得るリスクを解説します。
キャッシュフローが悪化する
過剰在庫はキャッシュフローに影響を及ぼす可能性があります。在庫は会計上、資産となります。仕入れる際の出費は売上につながった際に計上されるため、仕入れるほど資産が増えることになります。しかし、販売が見込めない在庫が増えると、資産は増えるけれど事業活動に使える資金は減ってしまうという状況になります。そうなると最悪の場合、経営が立ち行かなくなり、倒産する恐れも出てきます。
在庫の価値が下がる
商品によって長期間保管し続けることで品質が劣化し、本来の価値よりも下がってしまうものもあります。また、流行りものや季節性のあるものは、流行が終息したり、季節が移り変わったりすると売れなくなってしまい、かなりの低価格での販売や廃棄が必要になるかもしれません。今後の状況を予測できない状況で在庫を過剰に抱えてしまうと、その商品価値を大きく下げてしまうこともあるのです。
無駄なコストが掛かる
適正な在庫管理ができていなければ、余計な在庫を抱えることになり、それらにかかる保管スペースや管理費用などの負担が増えてしまいます。さらに、余分となってしまった在庫を廃棄や返品することになれば、そうした処理にかかる費用も確保しておかなければなりません。過剰在庫が増えるほど、無駄なコストがかかり、経営を圧迫することになり得るのです。
過剰在庫が起きる3つの原因
過剰在庫となってしまう原因は大きく分けて3つあります。それぞれの原因について解説します。
在庫管理が徹底されていない
在庫管理ルールが確立されていない、またはルールは確立していても徹底されていないと、過剰在庫の発生を把握できないという事態が起きてしまいます。たとえば、在庫管理責任者が決まっていないと、現場作業の責任の所在が不明確となり、在庫の実態と帳簿にズレが生じたり、発注ミスが起きたりなどして、結果的に過剰在庫を引き起こすことにもなり得ます。
適正な在庫数を把握できていない
機会損失を避けるため、余計な発注を繰り返していると過剰在庫を発生させてしまいます。これは欠品させない、かつ過剰にもならない適正な在庫数を理解できていないことが原因です。適正な在庫数を把握するためには、リアルタイムで在庫の状況を把握し、保有日数を考慮して必要な数だけを保管するなどのルールを徹底する必要があります。また、企業全体で必要なデータを共有し、定期的に適正な在庫数の見直しを行うことも大切です。
需要予測の方法が適していない
過去の販売実績などのデータと市場の状況、ニーズの変化などを加味して必要な在庫数を見極めることも、在庫管理を徹底する上では、とても重要です。需要予測の方法が不適切な場合、適正な在庫数を判断することも難しくなり、過剰在庫の発生のきっかけを作ってしまいます。
過剰在庫を防ぐポイント
このようにデメリットが多い過剰在庫を未然に防ぐには、以下のポイントに注意しましょう。
在庫管理を徹底する
まずは現行の在庫管理ルールや業務フローを見直し、入出庫管理と棚卸を適切に行えるようにしましょう。在庫管理をシステム化すれば、作業工数の削減や、リアルタイムでの在庫数の把握ができるようになります。また、在庫管理や発注の最終確認を行う責任者を明確にしておくことで、過剰在庫の未然防止につなげられます。
過剰在庫を可視化する
適正な在庫数を把握せずに勘だけで在庫管理を行えば、過剰在庫だけでなく在庫不足などを招く恐れがあります。在庫管理は、主観的な判断で行うのではなく、客観的なデータによる分析で行わなければなりません。システム導入によって膨大なデータを効率よく分析して在庫状況を可視化できるようになると、過剰在庫も把握しやすくなります。
適切な発注数を算出する
適正な在庫数を確保するためには、発注数の算出方法や需要予測の方法を見直す必要があるかもしれません。販売実績など事実に基づくデータを用いて、商品の特性を理解し、需要変動を捉えられるようになると、適正な発注数を算出できるようになります。過不足ない必要な数だけ発注できるようになれば、過剰在庫を防ぐことができます。
まとめ

過剰在庫はキャッシュフローが悪化するほか、在庫の価値が下がる、無駄な経費がかかるなどのリスクを招いてしまいます。在庫の適正化を図るためには、在庫管理の徹底はもちろん、在庫状況の可視化や発注数の算出方法、需要予測の方法の見直しも視野に入れましょう。
NECソリューションイノベータのストックコントローラー「適正化在庫」は、過去の出荷実績をもとに、発注勧告数を自動計算する発注業務支援システムです。需要予測システムとは異なり、透明度の高い計算ロジックを採用しています。詳しくは製品サイトをご覧下さい。
ストックコントローラー「適正化在庫」は、独自開発した適正発注予測エンジンに、AI機能をプラスした発注業務支援システムです。過去の出荷実績を基に発注勧告数を自動計算します。商品アイテムを24ランクに分け、日々の出荷実績から動的にランク再設定するため、極力メンテナンスを行わない運用が可能となります。