戸田建設
会計システム刷新プロジェクト
会計システム刷新プロジェクト
Work Style
15年間の集大成であり、
新たな出発点。
同じ思いを胸に、
建設のDXを加速させる。

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- 戸田建設株式会社 大島 修様
- 1990年入社。2004年にシステム部門へ転籍し、以降、主に自社の会計システムに関わる開発・保守などを担当。このたびの会計システムの刷新プロジェクトを自身の「集大成」と位置づけて参画。
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- ビジネスアプリケーション事業部 小西 博文
- 2000年入社。製造業向けSI、環境ソリューションなど、幅広いお客様に対するソリューション提供プロジェクトの担当を経て、2016年より戸田建設様の会計システムの再構築を担う。
会計システムは、会社の根っこ。再構築が至上命題だった。
- 小西
- 戸田建設さんと当社とのお付き合いがスタートしたのは2007年。当初から、担当者が戸田建設さんのオフィスに常駐する形でシステム領域の保守対応を担ってきました。会計システムを含むシステムまわりの大幅な再構築をしようという動きが始まったのは2013年頃でしたね。
- 大島
- 会計システム自体は直接利益を生むものではありませんが、会社の基幹システムであり、いちばん根っこの部分。継続して支払いや決算を正しい金額で処理を行う必要があるため、最新OSへの追随やワークフローの見直しという観点から、再構築の必要性を強く感じていました。
- 小西
- ワークフローに関していえば、紙でのやりとりをなくすという命題もありました。今回の『会計システム刷新プロジェクト』は、新しいワークフローやペーパーレスに対応するための、基盤となるシステムをつくるプロジェクトでもあったのです。
- 大島
- 当初は他のパッケージシステムを開発・販売する企業とプロジェクトをスタートしましたが、その企業の都合でプロジェクトを中断せざるを得なくなってしまって……。
- 小西
- 大島さんが困っている様子をすぐ隣で見ていた私としては、とにかく「なんとか力になりたい」と強く思っていました。
- 大島
- 小西さんとのやりとりの中で、「システム全般を見直そう」としていたところから、「まずは会計システムだけでも段階的に再構築しよう」と方針を変更。そして「長年付き合いのあるNECソリューションイノベータさんと、プロジェクトをリスタートしよう」という結論にいたりました。
- 小西
- 改めて当社が携わることになり、大島さんと相談しながら掲げたテーマは「戸田建設の次の10年~20年をつくる」でした。そのうえで、大手建設業のお客様でもすでに利用いただいているNECの『建設クラウド 建設業向け基幹システムサービス』をベースに、戸田建設さんの要望を踏まえてシステムを開発することになりました。
- 大島
- NECソリューションイノベータさんなら、お願いしたことを最後まで責任をもってやりとげてくれる。約15年、実務を担当してくれる方々とも関係性を築いてきたので、確かな信頼がありましたね。
未来を見据えた構築ができたのは、
15年の積み重ねがあったから。

- 大島
- 2007年に構築してもらった旧会計システムも、非常に確立されたものでした。根本的な部分は現在にいたるまで全く問題ないと思っていたので、今回のプロジェクトは、承認フローの電子化や電子帳簿保存法対応などの新たな機能を盛り込んだり、我々がより使いやすくするための最適化を行ったりといった、バージョンアップが主な目的になりましたよね。
- 小西
- そうですね。2007年以降、当社の担当者が戸田建設さんに常駐し、システムまわりをサポートさせていただいたことが、プロジェクトの成功にもつながったと思っています。日々現場でシステムの課題を見つけ、使いやすい仕組みを追求する。長年の積み重ねがあったからこそ、15年経った今でも刷新の基盤となるシステムになったと思っています。
- 大島
- 「戸田建設の次の10年~20年をつくる」というテーマを掲げたのは、そういった過去の経験があったからこそ。加えるなら、NECソリューションイノベータさんが建設業界に対して深い知見をお持ちであるということを、我々としては再認識する結果になりました。
- 小西
- ありがとうございます。まさに今回のプロジェクトでは、当社の持つ知見と技術とを集結したトータルソリューションを提案できたと自負しています。今回刷新したシステムは今後20年使えることを見据えて開発していますが、長年にわたりともに改善を重ねてきた経験があるからこそ、未来を想定した構築ができたのだと思っています。私自身、大島さんの力になりたいと思っていたので、こうしてプロジェクトを完遂できたことはとても感慨深いです。
問題が起きても、すぐに対応できる信頼がある。だから、前へと進む判断ができる。
- 大島
- 印象的だったのは、プロジェクトが始まったばかりの頃に起きた新型コロナウイルス感染症の拡大。実際に会ってやりとりできたのは要件定義くらいで、以降の設計はほぼリモートでの進行になってしまいました。
- 小西
- 物理的に離れた作業環境でもお互いの関係性を切らさないよう、戸田建設さんと私たちは終日Zoomをつないでいました。最初は戸惑いもありましたが、結果としてプロジェクトをスケジュール通りに進めることができ、非常に達成感がありましたね。
- 大島
- それができたのも、建設業界を熟知しており、何ごとも最後までやり遂げることができるNECソリューションイノベータさんとの取り組みだったからだと思っています。ほかのベンダーでは、間違いなく最低1年は延期になっていたでしょう。また、仕様に関わる部分で、もし何か問題があったとしても「NECソリューションイノベータさんなら、使い始めてからでも十分対応できるよね」という安心感があった。重大な問題でなければ、あとからすぐに修正することも視野に入れて、いったん先に進もうという判断ができたことが非常に大きいです。
- 小西
- ありがとうございます。私たちとしては、戸田建設さんのシステムまわりの仕様や、会社としての目指す姿を、しっかり理解できているメンバーをアサインしたことが何よりも大きかったと思っています。
- 大島
- 小西さんにはもともと依頼していた会計システムの刷新だけでなく、周辺システムに関わるタスク管理・工程管理にも尽力いただけて、本当に助かりました。
- 小西
- 関連する周辺システムが30以上もあり、戸田建設さんはそれらシステムの全体を管理しなければならない状況でした。ほかのシステムに対して私たちが直接入り込むことはなかなかできないので、周辺システムの状況一覧をつくり、進捗確認や課題の共有、対策などを支援しました。私としては、そういった周辺システムの担当者を大島さんが取りまとめて推進してくださったおかげで、タスク管理や工程管理もスムーズに進められ、無事にゴールを迎えられたと思っています。
- 大島
- テストの工程で現場の人手が足りていないときの進め方について小西さんからアドバイスをもらえたのは、助かりましたね。ときには「戸田建設さん、このままでいいんですか!」と、厳しい言葉をいただいたこともありますが、我々にとってはむしろありがたかったです。
- 戸田建設 会計システム
刷新プロジェクト - 建設業特有の会計機能に対応した財務会計システムを、NECの『建設クラウド 建設業向け基幹システムサービス』のAP基盤にてスクラッチ開発。建設業会計業務に対する業務改善に加え、「電子承認機能」、帳票管理システム導入による「ペーパーレス化・電子帳簿保存法対応機能」、マスタ一元管理のための「統合マスタ機能」、会計システムと周辺システム間の情報連携効率化を図った「データ連携機能」などを実現。
残業、追加の工程、複雑な仕様。
ICTのチカラで、建設現場のムダはなくせる。

- 小西
- 今回の会計システムの刷新では、戸田建設さんが掲げているサステナビリティビジョンやマテリアリティに対しても、持続的成長のベースを整備したという点で貢献できたと考えています。プロジェクトのテーマであった「戸田建設の次の10年~20年をつくる」という観点では、これがゴールではなく、むしろ出発点ではないでしょうか。
- 大島
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まさにその通りで、システムとしてはこれからが本番。私自身、戸田建設におけるキャリアの「集大成」として今回のプロジェクトに携わりましたが、システムを利用する社員の声をしっかりと吸い上げて、さらなる改善を重ねていきたいと考えています。また、根幹ができたからこそ、これから周辺のシステムを変えていけると思っています。
さらに建設業界全体で見ると、高齢化にともなう人材不足や2024年に控えている残業規制、生産性の向上など、課題は山積み。データの有効活用によりムダな作業や工程をなくして生産性を向上し、それら課題の解決に貢献できるのではと期待しています。共創できることがあれば、ぜひともお願いしたいですね。
- 小西
- ありがとうございます。NECグループとしても、これまでに蓄積してきたICTの技術・知見を、建設業界が抱える課題の解決に活かせるのではないかと考えています。
- 大島
- 我々のシステムでいえば、たとえば事務作業。二次作業という追加業務の負担をなくすために、1回の入力作業でデータが流れていくような効率化が実現できたらと考えています。そのほかにも、横断的な仕様にすることで、発注から納品まで紙を使わないシステムに変えていくなど。こういった業務一つひとつを効率化することで、全社的な働き方改革にもつながるはず。今回の会計システムの刷新は、そういった未来のDX(デジタル・トランスフォーメーション)につながる基盤として構築できたと考えています。まさに、当社がサステナビリティビジョンの中で掲げている5つのマテリアリティのうちの「技術革新と提供価値の向上」「働く喜びを感じる職場づくり」にも結びつくところです。
- 小西
- 建設業界のDXを進める仕組みの1つとして、建設現場での作業効率化を支援する建設現場ポータルが挙げられます。建設現場での工事情報や現場作業者の工数情報などの可視化や統合管理に加え、データ解析やデータ利活用などを行うソリューションです。ほかにもAIを使った現場効率化のシステムを提案したこともあり、AIや画像認識など私たちの技術力を存分に発揮し、お役に立てる機会があるはず。戸田建設さんとの共創という意味でも、建設業界に対する貢献という意味でも、できることがあると考えています。これからも協力して新たな共創をしていけたら嬉しいです。


新たな会計システムの基本カラーには、戸田建設のコーポレートカラーであるライトブルー・オレンジレッド・シルバーグレーを使用。今後の事業展開を見据えた機能の拡充によって、企業の根幹をなす会計システムへと刷新。