技術特化型事業プロジェクト: サステナビリティ事例 | NECソリューションイノベータ

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Sustainability Report 2022

技術特化型事業プロジェクト

Work Style

事業を加速させるシステムで、
これまでのSIの
概念そのものを変えていく。

沖縄支社 石川 竜矢

正解がわからない時代。
技術を知り、語れることは価値になる。

システムを取り巻く環境変化が激しい昨今。技術の活用により事業を加速したいと考える企業が増えたと同時に、お客様自身が「そもそも何をどうすればいいかわからない」というケースも増えてきているように感じていました。だからこそ、お客様のやりたいことや解決したい課題に対し、必要な技術を語れることは大きな強みになるのではないか。そのような考えが、NECソリューションイノベータならではの技術を起点にしたパートナーシップと最適な技術提案により、お客様とともに新たな事業を構築する「技術特化型事業」が生まれた背景にはあります。

その第一弾として私たちが取り組んだのが、セブン-イレブン・ジャパンさんにおける、クラウドを活用したPOSシステムの価格算出ロジックの実装と売上データの連携でした。同社では、システム上の価格計算の複雑化が要因で、「7NOW(セブン-イレブンネットコンビニ)」「セブンスマホレジ」など店舗レジ以外の販売の仕組みを、全国に拡大できていないという課題を抱えていたのです。この難解なプロジェクトに私たちが手をあげることができたのは、「技術特化型事業」だったからこそ。請負開発型のITベンダーとしてではなく、戦略的パートナー型のITベンダーとしてお客様と同じ目線に立ち、ゼロベースから対話を重ねていけたことが、スピーディーかつ高品質な価値提供につながったのだと思っています。

技術特化型事業プロジェクト

システム開発技術・手法の多様化や、多くの企業におけるシステムの内製化が進む中で、沖縄支社では、NECグループに蓄積された技術・知見をベースに、これまでの作業量に応じ人員を提供する工数ビジネスではなく、メニューに応じた料金体系で技術支援を行う「技術特化型事業」を確立。請負ではなく技術起点の戦略的パートナーとしてお客様のビジネスを展開・拡大していく「技術特化型事業」は、先進的な取り組みである。

2022年9月、「技術特化型事業」の拡大に向け、全国各地の支社が集結し「技術戦略部会」を発足。組織を越えたテクニカルなノウハウの共有や、お客様への提案に向けた共創などにも取り組んでいる。

  • クラウド化によって、店舗レジ以外のPOSシステムにおいても、最適な価格算出がリアルタイムで適用される環境を実現。消費者は、「7NOW」「セブンスマホレジ」などの活用時にも、店舗と同じ価格で商品を購入することができる。

数年かかることを、5ヶ月でやる。
ビジネスに直結してこそのシステムだから。

お客様の期待に応えるために大切にしていることは、開発のスピード。早く世に出せるということは、それだけ早くお客様のビジネスに影響を与えることができるからです。セブン-イレブン・ジャパンさんのプロジェクトでは、一般的には数年かかるといわれた内容を5ヶ月で完遂することができました。これだけスピーディーな開発を実現できたのは、速やかにシステムをリリースできるアジャイル開発を得意としている私たちだからこそです。

システムの構成や設定に関する情報をプログラムコードとして記述し、専用のソフトウェアによって自動的に適用するI a C(Infrastructure as Code)の活用や、疎結合に開発された小さなサービスを組み合わせ、1つのサービスを提供するマイクロサービス化、さらには機能単位で、設計・開発・テストなどの工程を繰り返すことにより、スピーディーな開発を実現しました。

課題解決の方法は時代によって大きく変わります。ならば、できあがったシステムをまずは世に出し、世の風に当てながらアップデートしていくほうが、その時点で最適な方法となるはず。また、システムを内製化していく流れが強い昨今、これからはお客様と一緒になって、事業を創っていくことが大事になると思っています。

システムを物語として捉える発想。
技術者同士をつなげて、より「尖った」IT集団へ。

私は文系出身で、理系出身のエンジニアとは考え方が異なるところがあると思っています。たとえばマイクロサービス化でいうと、一般的には、データを起点に検討を行う「ドメイン駆動設計」のアプローチが多いのですが、私の場合はユーザーの「行動単位」でアプローチをするほうがしっくりきます。具体的には、システムを物語として捉え、利用する人物像の行動・思考・感情を分析し、認知から検討、利用へといたるシナリオを捉えることで、当てはめるべき技術が見えてくるタイプ。また、お客様と一緒に何が必要なのかを見極めたうえで、人間味のある、意志や魂を込めたシステムをつくりたいと考えています。そのために必要になるのも、結局は技術なのです。

私としては、この会社が技術でより「尖った」集団になっていく必要があると考えています。そのために、全国各地にある支社の技術者が集う「技術戦略部会」を立ち上げ、活動をはじめています。

「技術特化型事業」としては、お客様の組織づくりにまでアプローチできるようになることが第一の目標です。その先にはきっと、ITベンダーの新たな役割までも確立できると思っていますし、お客様に対する価値提供はもちろん、社会に対する価値提供にもつながっていくと確信しています。