NTTドコモ ミッションクリティカルシステム自動化プロジェクト: サステナビリティ事例 | NECソリューションイノベータ

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Sustainability Report 2022

NTTドコモ ミッションクリティカル
システム自動化プロジェクト

Smart City

「絶対に止められない」システムの自動化。
スピードと共有知を武器に挑む。

PF インテグレーション事業部 水澤 賢亮

携帯電話の進化とともに複雑化したシステム。
ミッション成功の鍵は「重みづけ」にあった。

10年以上にわたりサーバストレージ構築で関わってきた、NTTドコモさんのミッションクリティカルシステム。さらなるコスト削減と品質向上のために、「Ansible」という構成管理ツールを使って自動化することが今回のミッションでした。

自動化すればコスト削減になると思われがちですが、実は「何を自動化して、何を自動化しないか」の判断が重要です。たとえば、古いOSにおいて自動化してもコストが下がらない部分があれば、そこは自動化をしません。NTTドコモさんのシステムは、日々新しい機能が追加される携帯電話の進化とともに複雑化してきたもの。千差万別の特性とシステム全体への影響を考慮し、サーバごとに「重みづけ」をして作業を進めました。これは10年来のお付き合いがあり、システムの背景を理解している私たちだからできたことかもしれません。

同時に重要だったのがトラブル対応のスピード感です。さまざまな環境が混在しているシステムに新しい仕組みを入れようとすると、うまくいかないこともありえます。その場合はシステムを元の状態に戻すのですが、影響範囲を極小化するだけはでなく、時間内に終えることも必要です。何かあったときは迅速に対応する。親身になって話を聞く。泥臭いかもしれませんが、8,000万人が使う「絶対に止められない」インフラを扱うにあたって、そういった真摯な対応が信頼された理由のひとつであったと思います。

NTTドコモ
ミッションクリティカルシステム
自動化プロジェクト

機器1,000台、8,000万人が利用するNTTドコモの大規模ミッションクリティカルシステムにおけるSI作業の自動化を2019年度から推進。10年以上のシステム(サーバストレージ)構築・運用で培ったお客様との関係性のもと、何を自動化するかの検討・判断から、自動化プログラム「Ansible PlayBook」の活用、さらにはさまざまなトラブル対応を含めて、重要な社会インフラの維持/通信サービスの継続提供に大きな貢献を果たした。2021年度下期時点にて、「商用作業での自動化適用率80%」の顧客目標を達成。

目の前の仕事に挑みつづけること。
それもまた、ひとつのサステナブル。

お客様の大切なシステムを扱っているという意識は、複雑な環境下にある難しいシステムにも、小さなシステムにも同じようにもっています。どんな作業も与える影響がゼロということはありません。「完璧な仕事はない」という前提で仕事をするのが私のポリシー。人間の行う作業にミスは存在するもの。だからこそ、起こりうるリスクを想定し、影響が少なくなるよう入念に準備をしますし、何か起きたときには迅速な対応を心がけています。これは私だけではなく、このプロジェクトのチームメンバー全員に共通する姿勢かもしれません。

長い年月をかけて、試行錯誤を繰り返して大きくなってきた巨木のようなシステムですから、当社の中にもそのすべてをわかっている人はいない。担当領域の違うメンバーが、プロフェッショナルとしての知見を持ち、知恵を出し合ってトラブルに対応しています。私より長く関わっているメンバーに聞くと、「昔、こういうトラブルがあったんだよね」と解決のヒントを教えてもらえることもある。知恵を寄せ合って、チームとしての「共有知」で問題を解決し続けていますね。

目の前の作業や問題に向き合い続けるSIという職業は、サステナビリティとは無関係に思われがちです。けれど、インフラを止めない「継続性」の観点でいえば、私たちの仕事はまさにサステナブル。何かを動かし続けるために、目の前の作業に粛々と向き合うこともまた、持続可能な社会につながっているのだと思います。