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NECソリューションイノベータと日本大学文理学部次世代社会研究センター(RINGS)、メンターによる1on1ミーティングでのメンタリングを、AIを用いたシステムで代替する実証実験を開始

2023年5月17日
NECソリューションイノベータ株式会社
日本大学文理学部

NECソリューションイノベータ株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 執行役員社長:石井 力、以下 NECソリューションイノベータ)と、日本大学文理学部次世代社会研究センター(センター長:大澤 正彦 准教授、以下 RINGS 注1)は、日本大学文理学部の学生を対象とした1on1ミーティングでのメンタリングにおいて、教員や学生が担うメンターの一部について、AIを用いたシステムで代替する実証実験を、本日より開始します。

NECソリューションイノベータと日本大学文理学部大澤研究室(以下 大澤研究室)は、メンタリング指導者の専門的なスキルやノウハウを参考に、メンタリング指導者の問いかけフレーズ(注2)を設計し、学生への問いかけをAIを用いてシステム化しました。さらに、問いかけには効果的な順序があることを発見し、これをシステムに実装することで問いかけの自動化を実現しています。本システムを日本大学文理学部の1on1ミーティングでのメンタリングに用いて、学生へのメンタリングの支援効果を確認し、AIを用いたシステムによるメンターの代替が、どの程度可能かを検証します。

背景

近年の教育において、「本当にやりたいことを見つけ、それに向かって計画を立てる」ことを目的とした探究教育が重要視されています。その探究教育には、教員が学生一人ひとりと時間をかけて向き合い、その学生にあった教育を行っていくためのメンタリングが必要です。

しかしながら、メンタリングに必要となる時間は膨大で教員の負荷が高く、学生も都合の良い時に相談しづらく、適切なタイミングで1on1ミーティングでのメンタリングが実施しにくいなどの課題があります。日本大学文理学部においても、同様の課題がありました。

そこで、NECソリューションイノベータと大澤研究室は、メンタリングの事例を収集して、問いかけの方法や手順を形式知化しAI化するところから、システムの共同開発をスタートしました。

本実証実験の概要

  1. 実施目的

    AIを用いたシステムとの対話により、相談者が自らの考えを深められたかや、システムへの抵抗感、UX(注3)効果などを検証します。人によるメンタリングと比較することで、本システムの特長を明らかにします。

  2. 実施内容

    実験への協力を得られた1-4年生30名程度を対象とする予定です。インターネットに接続されたPCからWebアプリケーションシステムにアクセスして利用できるため、自宅などで活用することを想定しています。本実証実験に参加した学生に実施するアンケートから、効果などを検証します。

    システムを利用してメンタリングを受けるユーザー(相談者)の画面イメージ
  3. 将来計画

    本システムをファシリテーションにも適用し、チームやコミュニティのマネジメント支援への可能性を探る計画をしています。また、人に寄り添うAIの構築を目指すNECソリューションイノベータと大澤研究室が、2021年より共同で開発してきた「人の心を学ぶことに特化した機械学習技術」を、本システムの実証をもって前進させ、システムの社会実装に挑戦していきます。

NECソリューションイノベータは探究学習をICTで支えるべく、本実証実験を通じてプロフェッショナルのスキルを代替するシステムの技術改善や強化を進めていきます。さらに、本システムの社会実装を通じて、幅広く属人的な業務への適用を視野に、社会課題の解決を目指していきます。
RINGSは、実験段階から本システムを積極的に大学での教育に取り入れ 、これまで難しかった学生一人ひとりの個性を伸ばす教育の実現を目指します。

以上

  • (注1)
    「コミュニティーベース」をキーワードに,「教員・学生・社会人が一体となって社会課題を解決できる広場」を目指し,産官学連携が最善手となる組織を設計し,取り組みを行っている。2022年より、NECソリューションイノベータもパートナーシップを締結。
  • (注2)
    学生に考えてもらうための問い方を意識して制作したフレーズ
  • (注3)
    ユーザーエクスペリエンス。システムの利用を通じてユーザーが得る体験。
  • 記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。

「RINGS」に関する情報

本件に関するお客さまからのお問い合わせ先

NECソリューションイノベータ イノベーション推進本部
E-Mail:ha-contact@nes.jp.nec.com