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学会・研究成果発表
日本核酸化学会第9回年会および第52回国際核酸化学シンポジウム(ISNAC2025)で発表しました
DATE:2025.11.27
研究テーマ:バイオセンシング
イノベーションラボラトリ サイエンスラボ第2のバイオセンシンググループでは核酸アプタマー及びアプタマーを用いた検出法の研究開発を行っています。11月12日(水)~11月14日(金)に富山国際会議場で開催された日本核酸化学会第9回年会および第52回国際核酸化学シンポジウム(ISNAC2025)でこれまで我々が開発した核酸アプタマーについて発表を行いました。

核酸アプタマーの開発において、アプタマーが標的に対する高い親和性と高い特異性を持つことは重要です。天然塩基からなる核酸アプタマーは、4種類のヌクレオシドから成るという制限のために、一般的に抗体と比べると親和性が低いという課題があります。そのためこれまでに核酸塩基、糖環、またはリン酸骨格のいずれかに修飾を導入する修飾塩基が開発されてきました。桑原らは塩基の疎水性を増やすのではく、ウラシルの5位にアデニンの誘導体を導入したアナログ(Uad)を用いることで、高い親和性で結合するアプタマーを創出しました[1]。我々はさらにウラシルの5位にグアニンの誘導体を導入したアナログ(Ugu)、アデニンの7位にアデニンの誘導体を導入したアナログ(Aad)といった塩基修飾塩基(base appended base modification)を開発し、生体分子に対して高い結合特性を有するアプタマーの創出に成功しました[2],[3]。
本発表ではアミラーゼ、分泌型イムノグロブリンA、成長分化因子15に結合する塩基修飾塩基アプタマーについて解離定数や結合特異性を示し、アプタマー創出に対する塩基修飾塩基の有効性を示しました。
- [1]Y. Imaizumi, Y. Kasahara, H. Fujita, S. Kitadume, H. Ozaki, T. Endoh, M. Kuwahara, N. Sugimoto, J. Am. Chem. Soc., 2013, 135, 9412.
- [2]H. Minagawa, K. Onodera, H. Fujita, T. Sakamoto, J. Akitomi, N. Kaneko, I. Shiratori, M. Kuwahara, K. Horii, I. Waga, Sci. Rep., 2017, 7, 42716.
- [3]H. Minagawa, A. Shimizu, Y. Kataoka, M. Kuwahara, S. Kato, K. Horii, I. Shiratori, I. Waga, Anal. Chem., 2020, 92, 1780.
担当者紹介
研究テーマ:バイオセンシング
担当者:皆川 宏貴
コメント:アプタマーおよびアプタマーを用いた検出法の研究開発を担当しています。
連絡先:NECソリューションイノベータ株式会社 イノベーションラボラトリ
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