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ATD-ICE 2019に参加してきました!

DATE:2019.05.19
研究テーマ:エンゲージメント

はじめに

こんにちは、NECソリューションイノベータにてHRの研究業務に携わっているファンと申します。5/19(Sun) – 5/22(Wed)にワシントンD.Cにて開催されたATDへ参加し、テクノロジー関連の面白い話を色々聞いてきました。ATDの聞いてきた話の中でぜひ共有したい話題があったので、ブログを書きました!

今回はテクノロジーのセッションで特に面白かったMicrolearning, xAPI, AIについて紹介していきます!!

Microlearning

iPhoneを始めとするモバイル端末が普及するに伴い、学習のスタイルは変化していきました。Microlearningはその変化の一つです。従来の学習はまとまった時間を確保して机に座って行うのが当たり前だったのですが、現在は通勤時間・待ち合わせ時間などのスキマ時間できるようMicrolearningが登場しました。

Microlearningは教材を5分程で完了できる単位で作られており(Figure 1)、学習者は自分の都合の良い時間に勉強できます。それによって、従来では学習が困難なユーザーに対してもコンテンツをデリバリーできるようになりました。さらに、コンテンツにタグ付けを行うことでユーザーは教材を効率的に検索でき、学びたい部分をピンポイントに学べる可能性を秘めています。

アメリカでは多くの教材作成者がMicrolearningを取り入れているのですが、教材作成のガイドラインがないためか、効果のあるコンテンツを作成できている教材作成者はわずかです。そのため、今年のATDではMicrolearning作成のガイドラインを説明する内容のセッション[SU114: Effective Microlearning: A Showcase of Examples and 5 Tips for How You Can Do It Too!], [TU410: MicroLearning on the GO!]がちらほら見えました。

私が特に気になったセッションは[TU410]です。教材の単位同士が独立している事を利用し、教材リリース後にも変更を加える事が重要であるというアジャイル的発想が教材開発に応用されるべきである(Figure 2)という事は興味深かったです。

Figure 1. Microlearning
Figure 2. Microlearningの作成サイクル

xAPI

xAPIは簡単に説明しますと、複数の学習プラットフォーム間の学習データを1つのビッグデータとして見なし、データ収集する仕組み(Figure 3)です。主にOAuthと呼ばれる認証技術を利用し、異なる学習プラットフォームでもユーザーのトラッキングできるようにしています。

概念は2013年に提唱されたのですが、今年のATDのセッションの傾向[SU414: Design With the End in Mind: Getting Measurable Results With xAPI], [W120: Building a Voice-Based Learning Experience for Alexa and Google Home], [SU210: Today's Trends in Digital Learning Experience: Understanding and Applying Them to Your Next Project]からxAPIは実装・検証の段階に入っていると読み取ることができます。

xAPIを利用するとプラットフォームを超えての学習データ収集・加工ができ、学習するユーザーや教材管理者が欲しい情報を届けられるようになります。

ですが、セキュリティ・データ精度などプライバシー侵害のリスクや教育システムとシステム構築力の両方のスキルを持つ人材の確保・プラットフォーム間の連携のための交渉などシステムを構築するためのハードルがあり、普及までにはもう少し時間がかかると言われております。

Figure 3. xAPI

AI

Microlearningで学習者のモバイル端末にデジタルな学習コンテンツをデリバリーし、xAPIで学習進捗をトラッキングすると学習データはビッグデータとしてたまると考えられています。

データがたまると、例によってそのデータをAIで分析し、ユーザーに最適なコンテンツをデリバリーしようとする動きが近年出てきます。2012年のGoogleによる猫認識AIの発表以降、様々な産業に組み込まれるようになりました。アメリカの人材開発業界における最新技術の利用は他の業界と比較して数年遅れる傾向にありますので、AIの導入が遅いのもうなずけます。

ATDではAIを活用した教材開発のセッション[W23EXS: AI-Based Performance Learning, From Design to Delivery]もありましたが、数は多くありませんでした。

AIによる分析でPersonal Learning Network(Figure 4)が私の中では印象的でした。これはプラットフォームの中で学習者が「誰からどの知識」を取り入れているのかをグラフで可視化したものです。Personal Learning Networkを取り入れるとECサイトのレコメンドのような機能を学習者に提供することができます。

例えば、ある教師から学習している学習者がいると、その教師から学んでいる他の学習者の学習状況を分析し、学習者に適した教材をレコメンドすることができます。

Figure 4. Personal Learning Network

まとめ

ATD-2019ではテクノロジーをメインとして聞いてきました。人材開発業界は「人」をメインとして扱うため、精神論的な話が多く、テクノロジーの導入が遅れているのが現状です。

ですが、本ブログで紹介したMicrolearning, xAPI, AIなどテクノロジーを取り入れようという動きもあり、勉強嫌いの自分にとって明るい未来があるように感じました。

テクノロジーは流行り廃りが激しく、ある時点での情報だけでは価値のあるテクノロジーかを判断できません。来年もATDに参加し、定点観測を行うことで本当に普及する技術を見つけ、皆さんにお伝えできたらと思います。

それでは、また会う日まで!!

ファン タァンクァン

担当者紹介

研究テーマ:エンゲージメント
担当者:ファン タァンクァン
コメント:心理学の観点から組織論について研究を行っております。熱帯(ベトナム・ハノイ)出身で実家のパイナップル園と共に太陽に育てられたため、性格は明るい方です。趣味はテニス、読書とサーフィンです。
連絡先:NECソリューションイノベータ株式会社 イノベーションラボラトリ ai-oxd@nes.jp.nec.com

Research theme: Engagement
Name: Quang Thanh Pham
Comment: I’m researching Organization Theory from the perspective of psychology. My personality is bright because it is from the tropics (Hanoi, Vietnam), and was raised by the sun along with the pineapple. How to spend a day off is playing tennis, reading and surfing.