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国際プログラミングコンテストへの挑戦

DATE:2021.04.14
研究テーマ:人間拡張技術

当社では人間拡張技術の1つとして、代理存在の実現に向けて研究しております。
代理存在とは、人のパーソナリティや人を取り巻く環境、状況をもとに任意の人の観点を可視化して、その観点に基づいてタスクに対する意思を決定するAI技術です。
その研究の一環として、情報処理学会主催の国際人工知能プログラミングコンテスト SamurAI Coding 2020-21(new windowhttps://samuraicoding.info/)に参加してきました。

コンテストでは、AIの制御するふたつのチームがSamurAI Dig Here 2020という名のゲームで競います。これは、AIプログラムに制御されるサムライと犬が協力して、隠された埋蔵金を相手より多く掘り当てるというものです。

引用:SamurAI Codingホームページ ゲーム内容より

これは不完全情報ゲームとして設計されており、相手の行動や刻々と変わる盤面の情報をもとに、どのように動かすか、最も良い手に関して意思決定しなくてはなりません。
例えば、人がプレイヤーであれば、盤面をみて敵プレイヤーの駒の位置、宝の位置、障害物の位置を俯瞰してみます。
この情報をもとに敵から離れよう、集まっている宝を狙おうといった戦略を立て、戦略を最も効率的に実行する戦術として、最短距離の算出や障害物の回避行動を実行します。
そこで、当社で研究している代理存在の技術を用いて、盤面をみたときに立案する人の戦略を模倣することに挑戦し、その状況に合わせて戦略を決定するAIを制作しました。
今回は、一人のプレイヤーにいくつかの盤面をみて戦略を立ててもらい、その戦略を同様に立案できるようにしました。
これにより、一意に決めた戦略で行動するのではなく、状況に合わせて戦略を変えることができ、柔軟な戦い方を取ることができます。

今回のコンテストでは、予選を突破してFinalistになり、受賞することができました。
この技術は、ゲームだけではなく技術伝承、接客ノウハウの転用、旅のガイド支援といった分野への応用を見込んでおり、これからも積極的な研究活動を通して役立つシステムを届けられるように取り組んできます。

担当者紹介

研究テーマ:人間拡張技術
担当者:佐々木康輔
コメント:AIと人における心の接点になるような技術を生み出して社会に貢献していきたいです。
連絡先:NECソリューションイノベータ株式会社 イノベーション推進本部
ha-contact@nes.jp.nec.com