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グリーンナッジ ミニガイドのご紹介と所感
DATE:2023.01.27
研究テーマ:資源循環高度化
こんにちは。NECソリューションイノベータの日室です。
私たちは資源循環・サーキュラーエコノミーの更なる促進を目指して日々研究をしています。この記事では今年度から私たちの活動に参画いただいている奈良女子大学の安藤先生が監修された『グリーンナッジ ミニガイド』の紹介と私の所感をお伝えします。

Chapter.1 グリーンナッジ ミニガイドについて
みなさまナッジはご存じでしょうか?ナッジとは行動科学の知見に基づく工夫や仕組みによって、人々がより望ましい行動を自発的に選択するよう促す手法です。行動経済学者であるリチャード・セイラー教授が2017年にノーベル経済学賞を受賞したことがきっかけで大きな注目を集めました。英語でナッジは「ひじで軽く突く」という意味です。
このナッジの中でも、環境にやさしい行動を促すナッジのことをグリーンナッジといい、このグリーンナッジの具体的な事例と活用プロセスをまとめたのが、今回紹介するグリーンナッジ ミニガイドです。
グリーンナッジ ミニガイドは国連環境計画(UNEP)が2020年9月発行した
The Little Book of Green Nudgesの日本語版になります。
グリーンナッジ ミニガイドでは大学キャンパスでの環境にやさしい行動を促すナッジの事例が40件紹介されています。これらの事例はEASTと呼ばれるナッジを検討するためのフレームワークに照らし合わせて説明されています。また、ナッジを成功さえるための考え方もさまざま紹介されています。
ご興味ある方はグリーンナッジ ミニガイドを読んでみてください!
Chapter.2 グリーンナッジ ミニガイドに対する所感
グリーンナッジ ミニガイドを読んだ私の所感を紹介します。全体的な印象としては、各事例のポイントがとてもわかりやすいと感じました。また、綺麗に情報が整理されているので、ナッジ施策の検討やブラシュアップを考える際に利用できると感じました。さまざまな内容が掲載されていますが、私は特に「ナッジは比較的簡単に実行できると言及している点」と「検証と試行錯誤が必要なことを言及している点」に共感しました。この記事では、この2点について所感をお伝えします。
まず、「ナッジは比較的簡単に実行できる」ことはページ8で言及されています。みなさま、行動経済学やナッジに対して難しいという印象はないでしょうか?私は2018年から行動経済学やナッジの活用を開始したのですが、始める前は難しいイメージを持っていました。ですが、ナッジ事例を調査すると意外と単純でわかりやすい事例が多いことがわかりました。そして、自分たちの活動でナッジ施策を検討するにあたり、1から考えるのではなく、よい事例を参考に、微調整することで効果的な施策を生み出すことができることがわかってきました。私がもし2018年に「ナッジは比較的簡単に実行できる」ということを知っていたら、始める辛さが軽減されていたと思います。ですので、グリーンナッジ ミニガイドで「ナッジは比較的簡単に実行できる」と言及し、敷居を下げることに努めている事は大切なことだと私は感じました。ですので、共感したポイントにあげました。
次に「検証と試行錯誤の必要性」についてはページ38~39で言及されています。ついつい何をするかに注目しがちですが、ナッジ施策を成功に導くには検証と試行錯誤が重要だと私は感じています。私たちはこれまでに様々なナッジを実施してきましたが、それがすべて成功したかというと、そうではありません。多くの失敗がありました。失敗することの方が多かったです。このように、ナッジ施策は絶対に成功するものではありません。ですので、失敗から学びを得て改善を繰り返す必要があると私は経験から感じています。そのことについてグリーンナッジ ミニガイドで言及している点に共感しましたし、みなさまに理解いただいてからナッジ施策を実施いただきたいと思い共感したポイントにあげました。
Chapter.3 おわりに
今年度から私たちの活動に参画いただいている奈良女子大学の安藤先生が監修された『グリーンナッジ ミニガイド』を紹介させていただきました。一言でいうと、とてもよい資料です。ですので、ご興味ある方はぜひ実際に読んでみてください。
最後に、私たちは共に活動する共創パートナーを募集しております。私が所属するグループは資源循環やサーキュラーエコノミーを中心に研究を進めていますが、弊社の研究部門はさまざまな領域でICTだけでなく行動経済学・ナッジ・心理学などの研究も行っています。コラボしたいなどありましたらお気軽にお問合せいただければと思います。弊社の研究活動をもっと知りたいなどの要望も対応できますのでぜひぜひお声がけください。
それでは、この記事が誰かの活動の参考になりましたら幸いです。
担当者紹介
研究テーマ:資源循環高度化
担当者:日室 聡仁
コメント:資源循環高度化PJを担当しています。今後も行動経済学や心理学とICTを組み合わせた面白い仕組みを実現していきたいと思います。
連絡先:NECソリューションイノベータ株式会社イノベーション推進本部デザイン・ラボ第2グループ
mebuki-thx-contact@nes.jp.nec.com
