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認知科学若手の会ワークショップでの招待講演
DATE:2024.03.27
研究テーマ:Augmented Human
弊社では、人とAIの共生を目指して、代理存在の研究を進めております。
我々は、特定の人のスキルを学習して再現できる人工エージェントのことを代理存在と呼んでおり、AIによる「人の創造性を高めるための支援」に注目し、多様な人財・スキルをデータ化して利活用するビジョンを掲げて研究開発に取り組んでおります。
これまでの研究活動のなかでの縁があって、認知科学若手の会ワークショップにご招待いただき、講演させていただきました。
今回は、当日の様子と講演内容の概要をご報告いたします。

第11回 認知科学若手の会ワークショップ ~人とAI・ロボットの相互理解をめざして~
今回の企画は、認知科学分野の若手研究者を中心に運営されているコミュニティが主催で、沖縄県那覇市で開催されました。
現地参加とオンライン参加があり、私は現地参加しました。
現地は冬の沖縄ですので、気温や湿度も東京より快適で過ごしやすかったです。
2日間に渡る企画だったのですが、議論していると瞬く間に時間が過ぎて、研究会後の懇親会でも研究討議から若手の悩みなど、参加者の皆様と熱く語り合うことができました。
ご登壇された先生方のご発表内容は、いずれも示唆に富んだ内容でした。
特に、福地先生の研究テーマは人とAIの間を繋ぐインタラクション機構のお話しで、弊社テーマと近いところがあり、大変勉強になりました。
恐縮ながら、私からも企業研究者としてのポジションを意識して講演させていただきました。
代理存在の社会実装に向けて ~AIメンターへの試み~
弊社で取り組んでいる代理存在の事例として、メンタリングを代理するAIメンターの取り組みをご紹介いたしました。
AIメンターとは、メンタリングにおけるメンター(相談を受ける人)とメンティー(相談する人)のうち、メンターの代理存在のことを指します。
我々が研究開発しているAIメンターの特徴は、メンティーに答えを教えるのではなく、メンティー自身に考えてもらうことを大切にした「問いかけ」を重視している点です。
この問いかけにプロフェッショナルの形式知を応用することで、多忙なメンターの支援と、メンティーの内省を促すことに挑戦しております。
今回の招待講演では、社会実装を意識した研究開発のプロセスとして、フィールドの実証実験や開発経緯などをご説明いたしました。
少しでも皆さんの研究活動の糧になれば幸いです。
また、認知科学分野にいらっしゃる若手研究者の皆さんと、熱くディスカッションできる機会も貴重な機会ですので、人のスキルと心のモデルの関係性の仮説を提示させていただきました。
議論が白熱(少々時間オーバー)しながらも、皆さんと多く意見をぶつけ合うことで、多くの気づきを得られました。
今後も代理存在の研究において、認知科学の知見を活かしながら研究活動を進めていけたらと思っております。
担当者紹介
研究テーマ:よい関係性を築き上げるためのインタラクション研究
担当者:佐々木 康輔
連絡先:NECソリューションイノベータ株式会社 デザイン・ラボ第一G
ha-contact@nes.jp.nec.com
