POSレジとは?導入のメリットや選ぶ際の注意点など、特徴と合わせて解説 | NECソリューションイノベータ

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コラム

POSレジとは?導入のメリットや選ぶ際の注意点など、特徴と合わせて解説

UPDATE : 2021.03.19

以前、「POSシステムとは?」という記事を掲載しましたが、今回はその最重要パートを担う「POSレジ」について取り上げます。POSレジとは何か、一般的なレジ(キャッシュレジスター)との違いや種類など、特徴を詳しく解説。また、導入のメリットや選ぶ際の注意点なども合わせて紹介していますので、導入を検討している企業の担当者の方はぜひ参考にしてください。

関連記事:「POSシステムとは?|POSレジとの違いや管理できる情報や機能など詳しく解説」

INDEX

POSレジとは

スーパーやコンビニエンスストアなどでおなじみの「POSレジ」。「POS」とは「Point Of Sales」の略で、日本語に訳すと「販売時点情報管理」。「レジ」とは米国生まれの「キャッシュレジスター(金銭登録機)」。即ち、POSレジとは、お客さまに商品を販売し、お金のやり取りが発生した時点で販売情報を記録・集計するシステム(POSシステム)に対応した機能を搭載したレジのことです。
近年はネットワークを通じて複数のPOSレジのデータを収集、分析、管理、在庫管理や顧客管理などにも対応したPOSレジ(POSシステム)も登場しています。

POSレジとレジ(キャッシュレジスター)の違い

近年はPOSレジが主流になってしまっているため、うっかり混同してしまいがちですが、POSレジとレジ(キャッシュレジスター)は明確に異なります。レジは販売時の金銭のやりとりに必要となる計算(商品の合計金額や釣り銭など)と表示を行うための機械で、POSレジはそれに加え、販売情報を記録・集計するPOSシステムとの連携機能を組み込んだものです。

レジ、POSレジの歴史と今後の動向

POSレジの前身となるレジ(キャッシュレジスター)が登場したのは1878年。米国のカフェ経営者が店員の売上金ごまかしを防止するために作ったといわれています。当時のレジは購入商品の合計金額を正しく計算・表示するだけのものでしたが、その後、少しずつ機能を追加していき、約100年後の1970年代にPOSレジが登場。現在は、POSレジの機能をタブレット+アプリで実現した新世代のPOSレジが注目を集めています。

POSレジの種類・特徴

POSレジには大きく3つの種類があります。ここではその特徴と導入コスト、ランニングコストについて説明します。

パソコン型POSレジ

パソコン型POSレジとは、一般的なパソコンに専用アプリをインストールし、バーコードスキャナー、キャッシュドロワー、レシートプリンターなどの周辺機器を接続しPOSレジとして使えるようにしたものです。これらの購入費用(総額~40万円程度)が初期費用としてかかるほか、多くの場合、専用アプリ(POSシステムとしての機能も含む)に月額料金(〜3万円程度)が発生します。

ターミナル型POSレジ

ターミナル型POSレジは、大きな小売店や飲食店などで多く使われている、専用ハードウェアを利用するタイプのPOSレジです。 必要とされる機能が1つのハードウェアにまとまっています。特化したハードウェアのため、性能、使い勝手、耐久性は不足ありませんが、その分、導入費用が極めて高額です(50〜100万円程度)。大がかりな機能拡張をする際には丸ごと買い換えが必要になることもあります。

タブレット型やハンディ型POSレジ

タブレット型、ハンディ型POSレジは、アプリをインストールしたタブレット、あるいは専用のハンディ型ターミナルを利用するタイプのPOSレジです。他のPOSレジと比べて置き場を取らないため、移動販売やイベント販売などにも向いています。タブレット型POSレジは初期費用(〜25万円程度)、月額料金(〜1万5000円程度/POSシステムの利用料も含む)を抑えやすいため、小規模店舗でも見かけるようになりました。

POSレジ導入の目的は?

POSレジのメリットは、店舗運営改善やマーケティング活動のためのデータ解析に必要なデータを会計時に自動的に取得・入力できること。かつては本部機能をもった大手の小売りや飲食チェーン・グループが全店舗を繋ぐPOSシステムの端末として多数導入していましたが、近年ではPOSシステム導入の敷居が下がったことや、POSレジ自体の低価格化、多様化などもあって、小規模店舗でも導入されるようになっています。

POSレジの主な機能

ここではPOSレジが持つ多くの機能の中から、特に重要度の高い主要なものをピックアップして紹介します。

バーコードスキャン

バーコードを登録した商品は、POSレジのバーコードスキャナーを使って、一瞬で情報が読み取れるようになります。目視による商品確認や価格の手入力が必要なくなるため、会計時のミスが激減し、処理スピードが向上します。

レジスター(会計)機能

お客さまが購入する商品の合計金額を計算し、それを画面に表示する機能。そして、受け取ったお金から支払金額を引いたお釣りを算出する機能です。

自動つり銭機

レジスター機能と連動し、お客さまにお返しするつり銭を自動的に排出します。会計スピードがさらに向上するほか、つり銭を多く渡してしまう、あるいは少なく渡してしまうミスをなくすことができます。

キャッシュレス決済

電子マネーやクレジットカードを利用したキャッシュレス決済の処理を行います。決済に必要なカードリーダー、スキャナーを内蔵したPOSレジと、それらを外付けにするPOSレジがあります。

現金保管

お客さまから受け取った金銭をPOSレジのドロワーに保管します。ドロワーはレジ台に固定でき、厳重にロックされるため、盗難の危険を低減します。

基幹システムとの連携

POSレジを本部の基幹システムと連携させることも可能です。各店舗から売上の報告が上がってくるのを待つことなく、リアルタイムに全店舗の売上データを確認できるため、経営に迅速に役立てることができます。

POSレジを導入するメリット

ここではPOSレジを導入することで得られるメリットの中から、代表的なものを6つ紹介します。

データ収集と分析、マーケティング戦略に役立つ

POSレジでは、POSシステムでデータ分析を行うために必要な、商品の売上データをリアルタイムで自動的に収集できます。これによって、いつ、どれくらい、誰に売れているのかまで把握できるため、勘や経験頼りではない、数値に基づいた正確な売上分析が可能となります。数値に裏付けされた正確な分析は、的確なマーケティング戦略の立案にも役立ちます。

業務の効率化がはかれ、人件費の削減にもつながる

レジでの会計処理が自動化されることで、正確かつスピーディーなやり取りが可能となり、お客様の待ち時間が短縮できます。また、自動化・簡略化されることで、不慣れな新人スタッフでも熟練スタッフ並みのスムーズさでレジ対応できるようになります。これらは長期的には人件費、教育コストの削減につながります。

サービス面の充実、顧客満足度アップにつながる

スピーディーな会計処理による待ち時間の短縮は、お客さまにとっても大きなメリットです。また、キャッシュレス決済への対応といった支払手段の多様化、ポイントシステムによる付加価値の向上なども可能で、顧客満足度アップに貢献するでしょう。

打ち間違い(金額入力ミス)防止になる

バーコードスキャナーを利用して商品情報を読み取るPOSレジは、原理的に金額の入力ミスが発生しません。商品ごとに消費税率が異なるケースでも正確な処理が可能となるため、手打ちレジのような打ち間違いがなくなります。セールやキャンペーンなどによる金額変更の情報共有もスムーズに行えます。

セキュリティ強化(不正防止)につながる

POSレジには担当スタッフの記録も残されるため、問題が発生した場合でも、会計作業を誰が行ったのかを明確にできます。起きてはならないスタッフの不正を未然に防ぐことで、健全な店舗経営が可能です。

事業規模や業種に合ったレジの種類や機能の選択が可能

POSレジは店の規模や業種に合わせてさまざまな種類が選択可能です。例えば、ターミナル型やパソコン型のPOSレジを置く場所がなくコストも抑えたい小規模店舗ではタブレット型POSレジを、移動販売やイベント販売ではハンディ型POSレジを、といった形で使い分けることができます。

POSレジを選ぶ際の注意点

ここでは実際にPOSレジを導入する際に、どういった点に注意するべきかを解説します。

使いやすさで選ぶことがおすすめ

複数のスタッフが勤務する店舗では、使いやすさ優先で選ぶべきです。必要とする機能がすぐに呼び出せること、タッチパネルで操作が簡単など、誰でもすぐに使いこなせるよう工夫されているものがおすすめです。

拡張性の有無を確認しておく

店舗数や規模の増大、事業内容の拡大などを予定している場合は、POSレジの拡張性についても確認しておきましょう。キャッシュレス決済といった消費スタイルの変化などにも対応できる柔軟性を備えたものがおすすめです。

保守・運用をどうするかをあらかじめ検討しておく

日々の運用や不具合が発生した場合の保守をどのようにするか、という点も重要です。POSレジは導入して終わりではありません。適切な状態に維持する運用を誰が、どのように行うのかによって選ぶべきものが変わります。また、保守については購入、レンタル、リースなどの取得方法によって内容が異なります。こうしたことも検討しておく必要があります。

POSレジ導入の目的を明確にしておくことは必須

POSレジ導入の目的を明確にしておくことが不可欠です。目的によって必要な機能が異なるためです。「複数店舗で売上データを共有したい」「幅広いキャッシュレス決済に対応したい」「店舗が狭いので少しでもコンパクトなシステムがほしい」など、店舗のニーズに合ったPOSレジを選ぶようにしましょう。

POSレジ導入の大まかな流れ

ここではあらためてPOSレジの導入から保守・運用までの流れを簡潔に解説します。最初にやるべきは、前述したようにPOSレジで何を実現したいのかという目的の明確化です。それを明らかにすることで自ずと導入すべきPOSレジの種類が定まるでしょう。

次に見積り・契約へ進みます。POSレジを購入するか、レンタルするか、あるいはリース契約にするかを決めます。これは今後の保守・運用にも関わってきますので、慎重に検討しましょう。
導入が決定したら、納品までにPOSレジの配置場所や環境の構築(電源やネットワークの確保)をします。

納品後は初期設定や商品情報の登録など、使い始めるための準備が必要です。初期設定などは導入業者が行ってくれることも多いのですが、商品登録などは自分たちでやらねばなりません。さらに、自分たちでもマニュアルを読み込み、操作を覚えていくようにしましょう。

いよいよ利用開始。導入する機器、契約する業者によっても異なりますが、ここまででおおよそ3週間前後かかるのが一般的です。あらかじめ時間に余裕をもって取り組むようにしましょう。

POSレジの導入にかかる費用

POSレジ導入にかかる費用は、導入するシステムによって大きく異なります。また、購入かレンタルかリースか、などの取得方法によっても変わってきます。初期費用およびランニングコストを詳細に把握しましょう。例えば、パソコン型、タブレット型の場合、システムの月額料金が発生するのが一般的です。レシートプリンターやロール紙、キャッシュドロアなどの周辺機器の購入が必要になるケースもあります。
加えて、トラブル時の保守費用も把握しましょう。保守についても、購入かレンタルかリースかで金額や条件が異なります。保証期間や契約期間も忘れずに確認しましょう。

補助金を活用してPOSレジを導入する方法もある

POSレジの導入コストを下げる方法として、国や自治体の補助金を利用することも可能です。IT導入補助金、業務改善助成金、小規模持続化補助金、時間外労働等改善助成金(インターバル助成金)など、POSレジ導入に使える多くの助成金・補助金が用意されていますので、上手に活用してください。

まとめ

今や小規模小売店にとっても不可欠となりつつあるPOSレジ。選択肢も増え、事業規模に合ったものを手軽に導入しやすくなりました。しかしながら、導入にあたっては詳細な検討や準備が大切です。繰り返しになりますが、まずはPOSレジで何を実現したいのかをしっかり考え、また、導入後の運用・保守についても念頭におき、事業にジャストフィットするものを選びましょう。

NECソリューションイノベータでは、小売業向けの多彩なPOSソリューションを提供しています。売上管理・在庫管理・顧客管理・接客支援などのさまざまな機能を搭載し、小売業の店舗運営を強力にサポートします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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