NECシステムテクノロジー、森林の価値を高精度に「見える化」する技術を研究開発
- ITによる次世代林業経営の支援を目指して -
2012年7月27日
NECシステムテクノロジー株式会社
NECシステムテクノロジー株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役執行役員社長:富山卓二、以下NECシステムテクノロジー)はこのたび、広域にわたる森林資源量と伐採木材量を容易に推定し、森林価値を「見える化」する技術を研究開発しました。本研究開発は、農林水産省から受託した「新たな農林水産省政策を推進する実用技術開発事業」(H21~H23年度の3年間)プロジェクトの一環として、三重大学大学院生物資源研究科と共同で実施したものです。
このたび研究開発した技術は、広域にわたる森林を撮影した航空写真を解析することで木の高さ(樹高)を推定し、GIS(地理情報システム、注1)上で地図情報と重ね合わせ、管理することで森林資源量の推定を可能とします。また、伐採を行った場合の材木量・端材量からそれらを売却した場合の売上金額を試算可能です。この技術により、従来の人手による測定では困難であった広域にわたる森林の金額価値が「見える化」でき、林業分野でのITによる経営効率化に貢献します。今後、本技術の改良を進めるとともに、協業パートナーを募り、実用化を目指していきます。
今回研究開発した技術の特長
- 航空写真から森林資源量を推定
従来から測量用などに撮影している航空写真をステレオ処理(注2)し、画像解析を行うことにより、森林の木々の高さ(森林高)と地面の高さ(地盤高)を算出、森林の管理区画単位における平均樹高を自動的に推定。従来、作業者の経験に依存して行われてきた人手による写真判読を不要とし、さらに、GIS上で航空写真と画像解析結果を地図情報と重ね合わせることにより、広域にわたる森林でもその資源量を低コストで自動的に推定することを実現。 - 木材の収穫量推定と売上見込高試算を可能に
対象地域の森林管理図(電子地図)と森林資源量の推定結果を元に、森林組合などの施業主体が、システム上の簡単な操作で、森林の管理範囲ごとに路網を敷設した場合に伐採可能な木材量、端材量などの収穫量の見積と、売却した場合の売上見込高を試算可能。事業者が森林施業の集約化を行う際に必要となる試算を容易に実現。
森林資源管理技術の詳細については下記URLをご覧下さい。
https://www.necst.co.jp/company/rd/shinrin.html
日本は、国土の7割を森林が占める世界有数の森林大国です。CO2吸収による地球温暖化抑制や、生物の多様性や豊かな水資源を守るなど、持続可能な社会の実現における森林の果たす役割が再認識されています。しかし、近年、林業従事者の高齢化や材木価格の低下などにより、森林の手入れが行き届かず、森林資源の保全と活用が課題となっています。 本技術により、ITによる森林管理の効率化を実現し、次世代の林業経営の支援を目指します。
NECシステムテクノロジーは、これからも、安心で安全な社会の実現にITで貢献して参ります。
以上
- (注1)GIS
Geographic Information System 地理情報システム - (注2)ステレオ処理
2枚の航空写真を入力として、全画素を計算機内部で立体化し、高さ情報を算出する処理
<本件に関するお客様からの問い合わせ先>
NECシステムテクノロジー システムテクノロジーラボラトリ 神谷
電話:0743-72-3591
E-Mail:kamiya-txa@necst.nec.co.jp
<本件に関する報道関係からのお問い合わせ先>
NECシステムテクノロジー 経営企画部 川村
電話:06-6945-3411
E-Mail:kawamura-kxc@necst.nec.co.jp
NECコーポレートコミュニケーション部 高橋
電話:03-3798-6511
E-Mail:mari-t@ct.jp.nec.com
<別紙> 森林資源管理技術の概要
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