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日経SDGsフェス ジェンダーギャップ会議に登壇

NECソリューションイノベータが目指す技術系人材の採用戦略とは?

NECソリューションイノベータ HR戦略室長
森 かおり

2023年12月8日、NECソリューションイノベータHR戦略室長 森かおりが「日経SDGsフェス ジェンダーギャップ会議」のパネルディスカッションに登壇しました。テーマは「ダイバーシティ先進企業のHRリーダーに聞く未来を拓く人材戦略〜技術系人材の採用と育成〜」で、本パネルディスカッションには技術系企業3社が集い、以下の3つのテーマについて事例紹介をしました。

「事業×人事(リソース)」という視点で経営をサポートすることを目的として設立されたHR戦略室 室長の森が語った、当社の技術系人材の採用と育成について戦略や取り組みを紹介します。

【テーマ1】2030 年に向けた人材戦略
【テーマ2】2023 年に注力した DE&I 施策とその成果
【テーマ3】各社が直面する採用における課題と対策

パネルディスカッション参加企業:三菱ケミカルグループ、日東電工、NECソリューションイノベータ

【テーマ1】2030 年に向けた人材戦略
 ~タレントマネジメントシステムによる仕事/人材の見える化~

NECソリューションイノベータでは、全国に在籍する約1万人のシステムエンジニアを可視化し、プロジェクトへの最適なアサインメントを目的に、「タレントマネジメントシステム(TMS)」を自社開発しました。エンジニア一人ひとりの専門性やスキル、資格などをデータベース化し、プロジェクトに必要なスキルや経験を持つ人材を検索できる「KnowWho検索機能」を備えています。

森は、タレントマネジメントシステムの利点を次のように語りました。

NECソリューションイノベータ HR戦略室長 森 かおり

 エンジニアの直近の活動領域や空き工数もシステム上で確認可能でアサインメントの効率化だけでなく、スキルギャップの把握やそれを踏まえたトレーニングなど、人材育成にも活用しています。
また、「私のキャリア」という個人カルテも実装しており、専門性・スキル・経験の棚卸しやキャリアプランの策定、実行計画により、成長機会の拡大、キャリア自律を促進しています。将来的には、社員一人ひとりが目指すキャリアに必要な経験や能力開発を提案する、レコメンド機能も実装できるよう開発を進めています。

【テーマ2】 2023 年に注力した DE&I 施策とその成果
 ~アンコンシャス・バイアスへの対応~

2023年NECソリューションイノベータで注力したDE&I 施策としては、役員・事業部長クラス約300名を対象にしたアンコンシャス・バイアスに関する研修が挙げられます。アンコンシャス・バイアスとは、人が無意識のうちに持っている偏見や思い込みのこと。先入観ともいえるでしょう。

 例えばTMSにより複数の適任者が見つかった場合に、アサインする人のバイアスによって女性より男性が優先されていないか、若手より年長者が優先されていないかなど、バイアスをコントロールする術を考える研修です。今年度、経営層を対象に研修をスタートさせましたが、2024年以降は対象者を拡大し、アンコンシャス・バイアスのさらなるコントロールを推進していきます。

あわせて、男性育休の取得促進にも取り組んでいます。数年前まで10%以下だった男性育休取得率は、各種セミナーの開催や、実際に男性育休を取得した社員の体験談の社内広報が功を奏し、2023年11月1日時点で38%まで向上しました。

※2023年12月時点では、43.2%までさらに向上。育休だけではなく配偶者出産休暇も含むと64%の取得率になります。

【テーマ3】各社が直面する採用における課題と対策
 ~高度専門職育成や、初任配属エリア確約採用の実施も~

NECソリューションイノベータでは、組織長とは別に、高度な専門性で当該事業を牽引・拡大していける人材を「高度専門職」として認定・育成しています。入社時に文系・理系を問わず全員が専門職を目指すことができる仕組みを整えており、研修や育成体系も充実させています。
森は、研修の具体的な内容に触れつつ、高度専門職への道筋を示しました。

 新入社員研修では3ヶ月間、技術者としてのベースを習得するため座学および実習を行います。それ以降もITベーススキル必須研修やオンライン学習基盤など“自主的に学び続けられる環境”を整備。さらにAIやセキュリティなど11の領域を強化領域として定め、座学だけでなく、OJTも含めた半年〜1年程度の「強化領域人材育成プログラム」を実施しています。これらの制度で専門性やスキルを高めつつ、実プロジェクトでも経験を積み、高度専門職への成長を促しています。

また採用活動では、2025年卒から「初任配属エリア確約採用」を開始し、自ら希望したエリアへの配属を実施予定です。

NECソリューションイノベータが目指す人材戦略の方向性とは

事業戦略と人事戦略の融合に向けて、TMSを活用しながら組織やプロジェクトへの最適な人材配置や獲得、育成・リスキルを推進しています。あわせて、アンコンシャス・バイアスのコントロールや男性育休の推進、初任配属エリア確約採用など、社員の多様な価値観やWell-Beingにも配慮した人材戦略を実践しています。一人でも多くの優秀なエンジニアに「NECソリューションイノベータで働きたい」と思ってもらえるよう、これからも、事業のバリュー向上と社員のバリュー向上の両面から、企業価値向上を実現していきます。

パネルディスカッションを終えて

NECソリューションイノベータは「DE&I」という大きなテーマに取り組んでいますが、まだまだ試行錯誤が続いているのも事実。この日、短い時間ながらも他社様とディスカッションができたことに、森は大きな手ごたえを感じていました。

 各社様がトップマネジメント層を巻き込みながら、様々な施策を実施されていて大変勉強になりました。同じ課題を抱えている者同士、協力したり、切磋琢磨したりしながら、DE&Iという考え方が普通である世の中を作っていきたいと思いました。

<イベント概要>

イベント名 日経SDGsフェスティバル ジェンダーギャップ会議
ダイバーシティ経営の最新潮流~本当に効果のある施策とは~
URL:https://project.nikkeibp.co.jp/event/sdgs2023/12/gender_gap/
開催日 2023年12月8日(金)15:00~16:00
プログラム名 パネルディスカッション②
登壇者 三菱ケミカルグループ 執行役シニアバイアスプレジデント人事本部長 平岡朋代様
日東電工 取締役 専務執行役員 人財本部長 大脇泰人様
NEC ソリューションイノベータ HR 戦略室長 森かおり

UPDATE:2023.12.22