サイト内の現在位置

新入社員研修からリスキリングまで。インプットから新たな価値を生み出す

新たな学びの場「Learning PATIO」をオープン

NECソリューションイノベータでは、新型コロナウイルスのパンデミック以降、Smart Work Officeと称して、首都圏のみならず全国の拠点で順次オフィス改革を進めてきました 。その一環として、2024年2月13日、本社ビルの11階に新たな学びの場「Learning PATIO」をオープン。社員の成長を促し、後押しする場として新設された、Learning PATIOの概要と目的について、事業支援部プロフェッショナルの伊藤英示と主任の新開友裕に聞きました。

スタートラインは「誰もが学びが得られる場を作ろう」という想い

NECソリューションイノベータでは、2021年より本社ビルのリニューアルを進めてきました。コロナ禍によりオフィスに出社する社員が減ったことから、出社の意味やオフィスの価値を問い直し、執務フロアのレイアウトやデザインを刷新。その後、4階に共創とコミュニケーションの場としてInnovation Hub(イノベーションハブ)を開設しました。

「働く場所の選択肢が広がった今、せっかく出社するオフィスなのであれば単に業務を行う場に留まらず、社員同士の接点を持つことやその繋がりや結びつきが強化されるような環境を提供したいと考え、NECグループのさまざまな拠点に構築しているInnovation Hubを当社の本社ビルがある新木場にも導入しました。新木場のInnovation Hubは、100人を超える規模のイベントも実施可能なオープンなフロアとして20233月に完成。多くの社員が活用する場となり、その1年後に今回ご紹介するLearning PATIO(ラーニングパティオ)が完成したのです」(伊藤)

本社ビルの11階は、もともと大きな会議室ゾーンでした。7080人用の会議室が2つ、約100人が収容可能な会議室が1つありましたが、コロナ禍で大人数が集まる会議や研修もリモート配信が主となり、使用頻度が激減。そこで11階のスペースを有効活用すべく、リニューアルに取り掛かったのです。

その経緯について、伊藤はこのように話します。

「長年、新入社員の研修は本社の隣のビルで行っていましたが、20年以上も変わらない環境のもとで研修を続けてきました。『変化の激しいVUCAの時代にあって、せっかく意気揚々と入社して、これからというスタートラインに立っているのに、これではあまりに粗末だ』という意見も散見されたのです。そこで、本社ビルの11階に研修機能を移設しようと決まりました」(伊藤)

事業支援部 プロフェッショナル 伊藤英示

リニューアルをすることは決まったものの、ただきれいな研修会場にするだけではなく、明確な目的とコンセプトを決めてから着手しました。

「新入社員研修だけではなく、昨今重要視されているリスキリングについても話が及びました。長いキャリアを考えた時、やはり社内における教育は重要ですし、いいインプットがないといいアウトプットは生まれません。そこで、既存の社員にとっても学びが得られる場を作ろうと決まり、Learning PATIOのプロジェクトが始動したのです。社内の人材育成担当者ともワークショップを行い、関係各所と何のためにこの場を作るのかという議論を重ね、完成にこぎつけました」(伊藤) 

“ふと目に入る情報で学んでいく”をコンセプトに掲げたエリアも

執務フロアの刷新から始まり、実に3年を要した本社ビルのリニューアルプロジェクト。11階は今、それぞれ40名程度が入れる4つの部屋と、広々としたイベントスペースに生まれ変わりました。

エレベーターを降りてLearning PATIOに入ると、見晴らしの良い空間が広がります。Open areaと呼ばれる中央のメインスペースには、さまざまな講演やイベントに対応できるよう、大型スクリーンとステージを設置。部屋のどこにいてもステージを望めるように、椅子は中心から徐々に高くなっていく工夫が施されています。4階のInnovation Hubが開かれた空間であるのに対し、Learning PATIOは集中して話に耳を傾けるような、どちらかと言うとクローズド寄りの空間だと伊藤は話します。

2024年2月、Learning PATIOオープンの日に開催されたタウンホールミーティング

社会インフラソリューション事業部が主催したソリューション・保有技術の展示会

さらにステージと反対の壁側には、“ふと目に入る情報で学んでいく”をコンセプトにしたPassive zoneというエリアが設けられました。

「まだ準備中ではありますが、設置したアクリルボードに新入社員が学んだことや研修チームで立てた将来へのビジョンや目標などを掲示し、次の世代に紡いでいくという企画を進めている最中です。その内容を目にした次の新卒者たちが自分たちへのメッセージとして受け止めてもらえればと思います。また、ベテラン社員たちもフレッシュな気持ちに立ち返るという状況が生まれるかもしれません」(伊藤)

さらに別のスペースには、会社生活に役立つ情報や目指すキャリアにつながる情報を打ち出す企画を検討していると、伊藤と同じくLearning PATIOの設計に携わった新開が話します。

「たとえば、高度専門職に就くプロフェッショナルな社員のメッセージを紹介し、それを見た社員が同じ職種を目指すきっかけにつながるゾーンや、ここに来れば、社内や制度の情報も得られるようなゾーンに、今後、整えていく予定です。一方で、“学び”というワードだけが先行してしまうと堅くなりがちなので、リラックスできる軽食設備も設けました。全体的に柔らかさを打ち出し、“雑談などのオフコミュニケーションの中で学ぶ”という側面も重視しています」(新開)

事業支援部 主任 新開友裕

レイアウトを自由に組める点が活発な学びをアシスト

こだわったのはそれだけではありません。中央エリアを囲むように設けられた4つの会議室(教室)には、グループワークやワークショップなど、シーンに応じてフレキシブルに対応できるよう、利用者が自在に移動できる1人用のテーブルと椅子を設置。オフィス構築担当者では想定していなかったような自由なレイアウトで活用されている場面があるといいます。また、会議室の間を仕切る可動式のスライディングウォールをオープンにすれば、2部屋をつなげ、大人数で利用することも可能とのこと。

「使い勝手という点では、レイアウトを自由に組めることが1番のポイントかもしれません。状況に応じてレイアウトを組み替えることで、研修の場などでは議論や会話なども加速しやすくなるのではないでしょうか。会議室感を払拭したデザインと最上階ならではの開放感もあります。これらもより良い『学び』につながるのではと思っています」(新開)

会議室は用途に応じて、利用者がレイアウトを動かしやすい設計

Learning PATIO」の名称は、プロジェクトの道半ばで決まりました。プロジェクトを進める中で「実現したい学びのスタイル」を社内外の関係者と議論し、PassiveActiveTeachingImmersionOpenというキーワードを抽出。その頭文字を並べたところ、PATIOという言葉に行き着いたのだとか。スペイン語で「中庭」を意味するこの名称が決まってからは、それを具現化するための空間づくりが始まりました。

“P”...Passive Style 自然にインプットされる情報から学ぶ
“A”...Active Style 主体的に行動し、考えを発散することで学ぶ
“T”...Teaching Style 互いに教え合うことで学ぶ
“I”... Immersion Style 深い集中をしながら反芻することで学ぶ
“O”...Open Style オフコミュニケーションから学ぶ

中庭でリラックスしながら交流を持つというイメージでベンチやグリーンをレイアウトしたり、木材の街・新木場を想起させる木を多用した造作家具を設置。また、見る角度によって色味が変わるレインボーのガラスフィルムを会議室の壁に埋め込み、社員一人ひとりの多様性を表現しました。Open areaには、「この会社に根づいてほしい、ここから成長してほしい」という意味を込めて、根をモチーフとした重なり合う照明を設置しました。さらに研修や講演会後の集合写真撮影に最適な撮影スポットまで用意されています。

コンセプトから使い勝手まで、細部に至るまでこだわり抜いて作られたLearning PATIO

「空間は作りましたが、ここをどう活用していくかは我々が今後考えるべき課題です。継続して使っていくうちに『こうしてほしい』というリクエストが社員から上がってくるはずです。課題をひとつひとつクリアして、社員全員が使いやすい学びの空間として整備し、『会社の成長と個人の成長の両立』に貢献できる場となれば良いと考えています。将来的には、ここでの学びから新たな出会いとビジネスが生まれた、という声が聞こえるような場にしていきたいですね」(新開)

<関連リンク>

UPDATE:2024.03.18