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自分らしさを大切に。それが組織の強みにつながる

国際女性デー イベントレポート

2024年3月8日の国際女性デーに、「NECソリューションイノベータ Women’s Day 2024」を開催しました。新木場本社ビルの4階の会場、Innovation Hubも、ミモザのフラワーアレンジメントでドレスアップ。取締役の佐藤千佳、執行役員の渋谷史子、プロフェッショナルフェローの舘田あゆみの3人を迎え、管理職層の女性社員らとともにパネルディスカッションやグループワークなどを行いました。

組織は、多様な視点を持つ人が集まることで強くなる

取締役の佐藤のオープニングトークから会がスタートします。

「外資系企業を含むさまざまな企業のHR業務に40年ほど従事してきましたが、1982年の新卒時は日系企業に入社しました。人事部門に配属されましたが、当時は女性社員が全員制服を着て、お茶汲みとふき掃除をして、デスクの灰皿掃除までしていた時代。
40年以上経った今、ダイバーシティは世間一般にも広く認知されるようになりました。そして、私がNECに入社した2018年から比べると、この6年でNECグループは世間の変化の何倍もの速度で、変革が進んでいると感じます」

取締役 佐藤千佳

佐藤は、女性が管理職に就くことの重要性を次のように語ります。

「世の中には『私は管理職にはなりたくない』『私にはなれない』という女性もいると聞きます。しかし、マネージャーや重要な意思決定をしていく管理職の中に多様な人材が揃わないと、会社は成長できません。リスク面での話をすると、同質性の高い組織で議論しているとコンプライアンス違反が出やすくなり、危険度が上がるという弊害を伴います。個人の思いはいろいろあると思いますが、会社はみなさんがキャリアを伸ばし、意思決定に関わることを待っています。そうした思いに応えるためにも一人ひとりが成長を継続し、当社をさらに未来ある素晴らしい会社にしていってほしいと思います」

3人の登壇者の「自分らしいリーダーシップ」

オープニングトークが終わると、渋谷と舘田が登壇。ファシリテーターの質問に3人が応じるパネルディスカッションがスタートしました。

「ご自身のリーダーシップやキャリアプランを振り返って、影響を受けたことはなんですか」

この質問には、登壇者の3人が一様に実は個人として、先の先まで考えているようなきちんとしたキャリアプランを持ったことがないと答えました。仕事での様々な転機をきっかけに、気づいたら「自分なりのリーダーシップ」の形を築いていったというのです。

「具体的にキャリアプランは持っていませんでしたが、『何事もまず実行し、どんどん動いていった方がいい』と思い、いろいろな仕事に挑戦してきました。そして選択においては常に『タフな方を選ぶ』をモットーに取り組んできました。状況、会社、部門、それぞれの場面や所属にとってタフな選択をすると、その先の道が自然と開けてくるのです」(佐藤)

「私は入社7年目くらいの頃、あるプロジェクトのリーダーになりましたが、当時は『チームで取り組む』ということをうまくこなせず、先輩にリーダーを代わってもらったという苦い経験があります。それ以降、必ず周りの協力や上司の協力を仰ぎ、チームワークを心がけています」(渋谷)

執行役員 渋谷史子

「技術系の教育やシステムエンジニアをやっていましたが、現在は出向して東北大学の教授も務めています。リーダーシップについて意識したのは、仕事が忙しくていっぱいいっぱいになっていた私を周りの人がフォローしてくれた時でした。周りにいる優秀な人をいかに生かすか、外部の人をいかに巻き込むかを意識し、『サーバント型』のリーダーシップを心掛けています」(館田)

プロフェッショナルフェロー 舘田あゆみ

3人から語られる言葉は、参加した女性管理職層にとってどれも深く頷けるものばかり。ディスカッションは軽快に進み、話題は「NECソリューションイノベータの今後」に移り、それぞれが会社の未来を描きます。

「経営会議にまだ女性がほとんどいないので、女性経営層が増えてほしいですね。女性の視点から見るからこそ顕在化する経営の課題、というものがあると思います」(舘田)

「ここのところIT業界ではDXの推進をと言い続けていますが、人の成長なくして発展はありません。当社は人事制度も整っているので、インターネット以来の革命と言われている生成AIや外の変化を見据えて、経験の幅、役割の幅を広げていけたらいいと思います」(渋谷)

「私は今日ここに集まった皆さんの発信力に期待します。皆さんがエバンジェリストになり、後輩にロールモデルを示してもらいたいと願っています。現状、当社の女性管理職の割合は1割未満です。ということは、9割の男性管理職の意識を変えてもらうことが、ダイバーシティ推進のカギになります。みなさんからも、女性の視点でおかしいと思うこと、こうした方がより多様な人が活躍する、など心の声を実際の声にして、9割の男性管理職の方に働きかけてほしいと思います」(佐藤)

私たちだから、できること

続いては5つのグループに分かれて行われたラウンドテーブル。登壇者の3人に加え、アドバイザーとしてプラットフォームサービス事業部主席主幹の田村、CHROの上浜の2人も各グループに加わり、多様性を競争力へと変え、会社が変化していくためには、参加者それぞれの立場でどう行動していくと良いか、グループごとに話し合いました。そして話し合いを通して得た気づきを共有し合いました。

◆ 男性管理職の方に「フェムテックって商売になるの?」などと言われ違和感を覚えた。マジョリティの発見、気づきを語るときに、「説明」ではなく「ストーリー」で語るという技を佐藤さんに教えてもらい、また色々な相談にものってもらって勇気をもらうことができたと思う。

◆ チャンスには積極的にトライしていく必要があるが、管理職に上がる際に、壁を感じてしまい一歩踏み出すことを躊躇してしまう人もいる。決して気負う必要はないと伝えたい。今日ここに集まった人たちは、「管理職」という立場は同じかもしれないが、それぞれのチームや部署のメンバーもおかれている状況も違う。そうした人たちと話をすることが大事だと思った。

◆ チームメンバーそれぞれの個性・強みを理解し、それぞれの人にどう向き合うと良いか。その人の適材適所を考えてあげることが大切である。互いに尊重しあうことも重要だと感じた。

◆ 私たちが「あの人が管理職としてがんばってるから、私も大丈夫」と思わせる身近なロールモデルになる。専門職か組織長かの2択だけではなく、いろんなキャリアの選択肢があると良い。また、上に上がるだけでなく横に広げていくキャリアもあってもいいのではないか。

◆ 90%いる男性管理職も、本当に個性を発揮できているのか、彼らにも「男性だから」や「こうあらねば」と同調圧力という「呪い」がかかっているのかもしれない。「呪い」にかかっている本人は気づいていない。周りだけでなく、自分自身のアンコンシャスバイアスに気づく機会が必要だと感じた。

(左から3人目)CHRO 上浜敏基

イベントの最初は少し緊張した面持ちであった参加者も、グループワークが終わる頃には会場のあちこちで本音や笑いが飛びかい、和やかな雰囲気になりました。CHROの上浜は「女性の頑張りだけでなく、男性管理職の意識改革が大切!会社として女性活躍の推進に取り組んでいきます!」と力強く語りました。

最後に、登壇者の3人から参加した女性社員へのエールが送られました。

「女性の管理職を増やす、ダイバーシティを促進するといったことは大切ですが、自分の人生をいかに充実させていくかが大事です。仕事は人生の一部。いやいや取り組むのはもったいないですよね。時には気持ちが乗らない時もあるかもしれませんが、そんな時も自分をうまくだましながら、楽しく日々を過ごしましょう」(舘田)

「仕事を楽しくやってきたので、昇格を躊躇する人には『周りの人がフォローしてくれるから、迷っているなら、なってみてから考えればいい』と伝えています。もう1つは健康第一ですね。皆さんが、『女性管理職』という特別な言葉で言われない時代を築いていってください」(渋谷)

「人生は仕事に生きる、ともいえます。といっても、24時間365日を仕事に捧げるという話ではありません。自分なりの働き方を築き上げながら、自分の力を発揮する。そういった個人が増えていくことで、集団として強い組織になっていくのです。まずは自分らしさを大切にしてほしいですね。そうすることが最終的に組織の強みになっていきます。また本日のネットワークをぜひ継続して、いい仲間でいてほしいです」(佐藤)

ジェンダー平等、インクルージョン&ダイバーシティへの課題を共有するために行われた本イベント。NECソリューションイノベータは女性活躍の推進を通して、ジェンダー平等を実現し、多様な価値観・多様な視点を持つ組織への変革を進めていきます。

登壇者プロフィール

佐藤 千佳(さとう・ちか) 取締役
30年超、日本企業およびグローバル外資系企業 (GE、Microsoft、Nokia)にてHR業務に従事。
2018年に日本電気入社、執行役員 カルチャー変革統括部長
2023年にNECソリューションイノベータ 取締役(非常勤)
渋谷 史子(しぶや・ちかこ) 執行役員
金融ソリューション事業部長等を経て、2023年より現職
館田 あゆみ(たてだ・あゆみ) SIサービス事業ライン プロフェッショナルフェロー
兼 イノベーション推進本部
兼 スマートシティ推進室
兼 東北大学大学院工学研究科 特任教授
(クロスアポイントメント・兼業出向)
  • 文中の組織名、役職名は2024年3月時点
  • NES:NECグループ内で使用する当社のコミュニケーションネーム

UPDATE:2024.03.27