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海外研修で体感した熱量をエンジニアの育成につなげたい
「Tableau Conference 2024」に参加する意義とは?

NECソリューションイノベータでは、エンジニアの育成・技術力向上を目的として、AWS re:Invent、SalesforceのDreamforceなどテクノロジー関連の海外イベントへの参加を推進しています。そのひとつが、2024年4月29日〜5月1日にアメリカ・サンディエゴで行われた「Tableau Conference 2024」です。膨大なデータの収集や分析、ビジュアライゼーションを行うためのBI(ビジネス・インテリジェンス)ツール「Tableau」の熱狂的ファンが一堂に会するイベントに14人の社員が参加しました。海外イベントだからこそ得られる刺激、影響とは。企画者であるIT・業務改革推進部 シニアマネージャーの徳谷有三、研修に参加したAI・データアナリティクス事業部 主任の森田梨恵子に聞きました。

「Tableau」を活用できる人材の育成に尽力

ビッグデータの有用性、ビジネス上のデータを積極的に活用するデータドリブンの必要性がさらに強調されるようになった2010年代前半。当時、社内システムを手がけていた徳谷はTableauに着目したといいます。

「私が所属するIT・業務改革推進部はもともと勤怠管理などの社内システムを手がけていたのですが、NECグループで社内システムを共通化する方針になったため、自分たちは次に何をするべきかを考えることが必要でした。それがきっかけで『これからはシステム構築ではなく、データ活用だ』と目をつけたのがビジネスユーザーにも比較的扱いやすいツールのTableauでした」

IT・業務改革推進部 シニアマネージャー 徳谷有三

世界中にユーザーを持つTableauは、誰もが使える直観的なビジュアル分析で人気のBIツール。

「我々ITベンダーにとってTableauには2通りの関わり方があります。一つは、お客様に対しての活用サポート。社外からの依頼で分析、ビジュアライゼーションを請け負うケースがあります。そして、もう一つは自社での活用です。扱いやすいツールとはいえ、ある程度の自己学習は必要なため、社内では『外部に委託すればいい』という意見もあります。ただ、それでは意思決定の迅速化や継続的な成長は難しいと考え、人材育成に力を注いできました」

海外の独特な熱量を自社のメンバーに体感してほしい

徳谷が海外研修を企画した背景には、過去に参加したTableau Conferenceでの経験を他の社員にも共有したいという思いがありました。 「私がTableau Conferenceに初めて参加したのは2019年です。現地では、世界中のファンが高い熱量で、『Tableauの可能性を広げたい』とディスカッションしていました。国内からは競合他社の方々を含めて100人ほどが参加していたため、人脈が広がり、他社の活用事例から学べることも多々ありました。Tableauのベンダーが主催するセッションでは、最新技術や製品ロードマップに始まり、通常業務では知ることのできない尖ったTableauの活用方法を得られました。
そこで、自社のデータ活用人材の刺激になればと思い、選抜制の海外研修を企画しました」

応募理由の具体性、Tableauの技術レベル、過去の実績、TOEICのスコアなどを考慮して、参加メンバーを選抜。今年は事務局を含め、14人が参加しました。

「条件を厳しくすると多様性がなくなるので、できるだけエントリーのハードルを下げて、部署を問わずに幅広く募集をかけました。実際の参加者はTableauのリセールビジネスの担当者、他のシステム開発担当で間接的にツールと関わっていたメンバーなど、さまざまです。経歴や将来像も聞いて、メンバーを選抜しました」

国内では見えないものが、見えてくる。新鮮な刺激があった

今回、「Tableau Conference 2024」に参加したAI・データアナリティクス事業部の森田は、お客様の「Tableauのスキルが足りない」「どう活用してよいかわからない」といったお悩みに寄り添うデータ活用の伴走支援やカスタマーサクセスを担当しています。

「過去に参加した先輩の体験談を聞いて、私もTableau Conferenceに参加したいとずっと思っていました。ただ、選抜研修のため、自分より長くTableauを扱っている同僚も多くいるなかで応募をためらっていました。そんなときに上司から『行ってみませんか?』と背中を押してもらい、すぐに立候補したんです。決意してからは積極的に動くようになり、社内のTableauユーザー会主催のコンテスト、Iron Viz※にエントリーし、決勝戦まで進むことができました。決勝戦では20分でViz作成と3分のプレゼン(ストーリーテリング)を行います。観客の前でVizを作成する経験は初めてで緊張しましたが、良い経験になりました」

  • Tableau Conference で行われるビジュアルデータストーリーテリングコンテスト
AI・データアナリティクス事業部 主任 森田梨恵子

森田は、Tableau Conferenceに参加したことで、多くの学びがあったといいます。

「カスタマーサクセスや活用事例をキーワードに、いくつものセッションに参加しました。他社との交流も非常に有意義でした。一緒に参加したメンバーとも研修がきっかけで知り合い、担当業務は異なるものの話してみると同じような課題感を持っていることに気づきました。現地では『一緒にこのセッションを受けよう』とコミュニケーションが生まれて、誰もが同じくTableauユーザーという共通点がある環境で、学びの相乗効果もありました。今回の学びを自分なりに噛み砕いて、カスタマーサクセスのエッセンスとして取り入れていきたいです」

英語でのコミュニケーションについても、最大限に学びを得られるように準備をして臨みました。

「Tableauエキスパートと1対1で相談ができる『Tableau Doctor』では、限られた時間でできるだけ多くのアドバイスがもらえるように、事前に質問内容を英語で準備し、イラストを使いながら会話をすることでスムーズなコミュニケーションを図る工夫をしました。」

海外研修で得たマインドによる新たな変化にも期待

今回の貴重な経験を糧に、社内で新たな広がりが生まれるのを期待したいと徳谷は言います。

「森田が『受け身ではなく、自分から動かなければ』とマインドを切り替えてくれたのはうれしいです。Tableau Conferenceで出会う社外の方々は、成功するかどうかわからなくても、面白いと思うものに積極的に挑戦する姿勢を持っています。私も何度も『やってみたら?』と背中を押されましたが、今度は私が背中を押す側です。それに触発されたメンバーが何人もいますので、私がねらっていた目標は達成できたと思っています。Tableauをきっかけに、今回の研修に参加したメンバーが、部署や会社の枠を超えた企画をする流れも生まれつつあって、新たな変化を期待しています」

UPDATE:2024.06.10