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全社員の健康をサポート
会社全体で挑む健康経営プロジェクト
NECソリューションイノベータは、2024年3月に経済産業省と日本健康会議が主催する健康経営優良法人認定制度において、「ホワイト500」を取得しました。その後も健康経営への取り組みを強化しており、昨年に続き、5月から6月にかけて「ヘルスチャレンジキャンペーン」を実施しました。これは、社員の心身の健康を目指す取り組みの一環です。その背景について、プロジェクトに携わった3人のメンバーに聞きました。
なかやまきんに君を招いて若手に訴求
「ヘルスチャレンジキャンペーン」は、社員の運動習慣の定着とコミュニケーションの促進を目的としています。具体的には、自社開発の健康アプリを活用したイベントや、運動指導の資格を持つ社員によるオンラインエクササイズ、さらに生活習慣のスコアを把握できる「ライフスタイルサーベイ」といった複数の施策が実施されました。
今年の「ヘルスチャレンジキャンペーン」のテーマは「若手社員や健康に興味の薄い人も巻き込むこと」です。目玉企画として、ボディビルダーとしても活動するお笑い芸人のなかやまきんに君さんを招いたセミナーを実施しました。なかやまきんに君さんは、YouTubeでフィットネスや筋トレ、健康に関する情報を発信し、多くのファンから支持を集めています。セミナーでは、食事や運動のコツを紹介していただきました。
なかやまきんに君さんを招いた狙いについて、「ヘルスチャレンジキャンペーン」を主管する事業支援部の山本美緒は次のように語っています。
「健康をテーマにしたイベントでは、40代以降の社員や、既に健康意識が高い社員の参加率は高い一方で、20〜30代の参加率は低い傾向にありました。産業医からは『健康でい続けるためには、問題が出る前に早めに健康意識を高めることが重要』とのアドバイスを受け、なかやまきんに君さんの力を借りることで、若い世代の関心を引くことができるのではないかと考えました。テレビCMやバラエティ番組での活躍が目覚ましいだけに、注目度は抜群です。実際、セミナー会場は入場規制がかかるほどの盛況で、約400人が参加し、さらにオンラインでは約2,000人が参加しました。20~30代の参加率は昨年から大幅に増加し、新たな層に健康への関心が広がったことを非常にうれしく思います」(山本美緒)
健康アプリで社員のコミュニケーションが活発に
「健康ミッションアプリ」は、ゲーム感覚で楽しみながら生活習慣の改善に取り組めるのが特徴です。アプリ開発を担当するイノベーションラボラトリの山本大貴は、「昨年度と比較してユーザー数が倍増した」と喜びを語ります。
「アプリには多彩な機能を実装しています。例えば、『5,000歩歩こう』『郵便ポストを撮影しよう』といった運動や外出を促すミッションや、『ビタミンAを含む食品を撮影しよう』といった食事に関するミッションなど、毎日さまざまなミッションが配信されます。ミッションをクリアするとコインを獲得でき、アプリ内ではコインの獲得数に応じたランキングも表示されます」(山本大貴)
健康への取り組みは継続が鍵です。もちろん一人で参加することも可能ですが、同僚と組んでチームで参加することもできます。これは、参加し続けてもらうための工夫です。
「フレンド機能も強化しました。社員同士がQRコードを交換するとコインを獲得でき、異なる部署の人と交換するとコインが2倍もらえる仕組みにしています。これにより、社員間の交流がさらに活発になるよう工夫しました」(山本大貴)
さらに、歩数に応じてレベルを表示したり、コインを使ったガチャや脳トレクイズを楽しめるなど、ゲーム性を強化。集めたコインの数に応じて、コンビニでドリンクやアイスクリームと引き換えられる特典も用意しました。
こうした工夫が社員に好評を得た一方、アプリの利用がキャンペーン期間に限定されてしまうことについてもどかしさも感じているようです。
「社内からは『期間限定ではなく日常的に使いたい』といううれしい声も寄せられていますが、常にミッションを提供し続けるのは体制的に難しいです。しかし、それだけ社員がアプリを楽しんでくれている証拠ですので、キャンペーン終了後も運動や生活習慣の継続を支援できるように、アプリの機能追加などで応えていきたいですね」(山本大貴)
エンジニアが講師を務めるヨガ講座が盛況
オンラインエクササイズでは、ヨガインストラクターや指圧の国家資格を持つ4人の社員が講師を務めました。
「過去のリサーチ結果から、当社では運動習慣を持つ社員の比率が低いという課題が明らかになっていました。当社には1万人のエンジニアが在籍していますが、デスクワークが中心の業務で、長時間椅子に座りっぱなしになり、運動がおろそかになりがちです。そこで、オンラインで気軽に参加できる講座を開催することにしました。外部の講師を招くよりも、社員が講師を務めるほうが運動をより身近に感じてもらえるのではないかと考えたのです」(山本美緒)
山本がビジネス基盤事業部の近藤晴香にヨガ講座の講師を依頼したのは、2022年度に社内で実施された健康に関するeラーニングのアンケート結果がきっかけでした。
「私はエンジニアですが、運動不足を感じていたことから、10年ほど前に趣味でヨガを始めました。それからヨガに夢中になり、数年前には全米ヨガアライアンスやマタニティヨガインストラクターの資格を取得しました。いまは、会社の兼職制度を利用してヨガスタジオでインストラクターとしても活動し、社内ではヨガサークルを立ち上げて、オンラインで100人ほどの仲間とトレーニングしています。
『ヘルスチャレンジキャンペーン』は非常にすばらしい取り組みだと感じていたので、何か自分が貢献できることはないかと考えていました。そこで、健康に関するeラーニングのアンケートに、自分がヨガインストラクターであることや、できることがあれば協力したいと書いたところ、今回のヨガ講座の開催につながりました」(近藤)
「日頃から体を動かすことの大切さを伝える立場として、今回の『ヘルスチャレンジキャンペーン』で、全社的に運動を促す試みに貢献できてよかったです。キャンペーンの講座に参加したことがきっかけで、私が運営する社内ヨガサークルに加入する社員も増えました」(近藤)
期間限定ではなく、継続することが大事
今年も全社員を対象に健康調査「ライフスタイルサーベイ」を実施。約12,000人の社員のうち、9割近くから回答を得ることができました。全27問のアンケートは、運動・食事・間食・睡眠・飲酒・喫煙の6つの項目に分かれており、それぞれの生活習慣をスコア化し、客観的な数値として算出しています。自分のスコアがランキング形式で表示されるだけでなく、スコアが低かった項目についてはeラーニングで生活習慣の改善策を学ぶ機会も設けられ、健康意識の向上を促しています。
「社員の健康意識向上をミッションとする事業支援部では、スコアの推移をモニタリングしています。健康経営は経営戦略の一つと掲げる社長の石井をはじめ、経営陣による啓発活動も効果を上げており、健康的な生活習慣を意識する社員が増えてきました」(山本美緒)
調査の委託先によると、『ライフスタイルサーベイ』の結果が前年比で1.0ポイント以上向上した場合は『改善』と見なされます。今回は、運動が前年比で1.9ポイント、睡眠が1.5ポイント向上しました。さらに、生活習慣に関するスコアとWHO(世界保健機関)の指標に基づく業務の生産性や集中度との関連を数値化し、業務効率化に生かす施策も試みています。」(山本美緒)
多くの社員が参加し、数値的な効果も出ている「ヘルスチャレンジキャンペーン」ですが、山本美緒は課題も感じているといいます。
「実施したイベントが本当に参加した社員のためになっているかを測るため、目標数値を定めていました。開催後のアンケートで『今後も生活習慣の改善など健康行動に取り組みたい』と回答した社員が80%以上となるのを目標にしていましたが、結果として95%に達したため、健康意識の向上に役立った手ごたえはありました。ただ、本来はキャンペーン期間限定ではなく、年間を通じて運動を促すのが理想です。『ライフスタイルサーベイ』に限らず、社員の健康診断結果などの数値もリンクさせて、社員に寄り添う新たな生活習慣の改善策を継続的に提案していきたいです」(山本美緒)
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UPDATE:2024.10.11