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新規事業創出に挑む社員をつなぐメディアへ
目指すは「知の図書館と発信の場」

NECソリューションイノベータでは、新規事業の創出に取り組む、社員の挑戦を支援しています。2022年7月には、新規事業を生み出す際の課題や成功・失敗事例の共有を通じて、社員の挑戦を応援する社内メディア「COCOCREW(ココクル)」が発足。企画・運営を担当しているのは、日々新規事業の研究と実現に向けた活動に取り組むイノベーションラボラトリのメンバーです。メディアの立ち上げから運営に携わり、現在は編集長を務める白井貴典と、編集・デザインを担当する平岡史江に活動や今後の展望について聞きました。

社員の挑戦を後押しするリアルな情報を提供

COCOCREWは、事業デザイナーの育成を目指す人材育成プログラムの一環としてスタートしました。新たな事業に挑戦する社員をサポートすることを目的とし、挑戦のリアルな情報を共有する場が少なかった当時、社員が孤立することなく共に学び成長できる社内サービスとして立ち上げました。

このプロジェクトの発端は、当時の社長からの「挑戦と失敗の共有が足りない」という指摘でした。イノベーションラボラトリの取り組みや失敗事例を積極的に共有し、失敗をポジティブに捉えられるような読み物として提供することが提案されたのです。さらに、それまでの社内ナレッジシステムはパワーポイントなどの資料共有にとどまり、社員にあまり活用されていない状態でした。そこで、一般的なWeb記事と同様の高いクオリティで記事化し、社員に興味を持ってもらうことでナレッジの共有を進めたいという思いも込められています。こうして、COCOCREWは挑戦の成果や知見を多くの社員と共有し、会社全体で新規事業に挑む文化を育てるメディアとして誕生しました。

※COCOCREW(ココクル)の名称および、イメージは社内限定で使用しています。

コンテンツは複数のテーマに分かれており、編集長の白井がそれぞれの内容について語ります。

「もっとも多く読まれているのは、社内事例を紹介するコンテンツです。新規事業創出に挑む社員にインタビューし、彼らの挑戦の背景や努力に焦点を当てています。これは単に事業の詳細を伝えるだけではなく、挑戦する人々の姿を描くことで、社内のつながりを深め、コミュニティづくりにも貢献しています。ここが他の社内メディアと異なる点です。
また、新規事業に関する知識や情報、社外で得られたノウハウや失敗事例をまとめたコンテンツを提供しています。新規事業にはトライ&エラーがつきもので、失敗事例から学べることも多いです。これらを掲載することで、社員が新たな視点やアイデアを得られることを期待しています。
さらに、新たな挑戦に踏み出す前の準備として参考になりそうな情報を紹介するコンテンツもあります。社員が次の一歩を踏み出せるような情報の発信が、私たちの重要な役割だと考えています」

イノベーションラボラトリ プロフェッショナル 白井貴典

記事の更新は月に2回程度。そのほかにも、法務部門によるコラムや、イノベーションラボラトリの若手社員が紹介する海外事例、ビジネスイベントのレポート、さらには支社訪問の様子など多岐にわたるコンテンツが掲載されています。これらの内容を通じて、読者が最新の知見や社内の取り組みを広く知り、視野を広げるきっかけとなることを目指しています。

堅苦しいイメージがあった法務部門に親しみが持てた

これまで反響が大きかった記事は、やはり新規事業に挑戦する「人の顔が見える」ものだそうです。社内でよく知られた専門家や、さまざまな部署とつながりのある社員、役員のインタビュー記事が特に人気で、これまで約2,000人の社員がサイトを訪問しています。最近、編集に加わった平岡も、その記事に助けられてきた1人です。

「以前は私も新規事業を模索する立場で、情報収集のためにCOCOCREWをよく読んでいました。新規事業を進めるなかで法務の壁に突き当たることが多いのですが、法務は難解な案件を扱っているイメージが強く、堅苦しくて少し話しかけづらい印象を持っていました。でも、法務コラムは、ほっこりするイラストと親しみやすいデザインで、法務のメンバーを身近に感じられ、気軽に相談してみようかなと思わせてくれます。また、新規事業立ち上げにあたって今さら聞きづらい基本的な情報を扱っている記事があり、それを参考に会議に臨むこともあります。柔らかなデザインや気軽に読める記事が多いので、気分転換に、または休憩がてら覗きにくる社員も多いようです」

イノベーションラボラトリ 主任 平岡史江

新規事業支援の役割を果たす「図書館」と「発信の場」

COCOCREWは、新規事業の立ち上げをサポートするために、主に2つの役割を担っています。1つは、社員が自発的にノウハウを吸収できる「図書館」のような存在です。さまざまな事例を蓄積し、新しい挑戦をしたいときに、他の社員がどのように取り組んでいたのかを知ることができる場を提供しています。壁にぶつかりがちな課題やトピックを共有し、解決のヒントを得られる場所として機能していると白井は語ります。

もう1つは、自分のプロジェクトを社内に発信する場としての役割です。

「新規事業に取り組もうとする社員は、最初は一人で挑戦を始めることが多く、悩みや迷いを抱えることも少なくありません。そうした社員同士がつながり、コミュニティを作るためには、まず自ら発信することが重要です。新規事業に特化したメディアはCOCOCREWしかないということで、過去には高度専門職に就く社員が発信の場として活用することもありました。プロフェッショナルな活動を共有し、若い世代の育成にも貢献するミッションを担っていると考えています。ですから、記事を公開するだけではなく、社内メールや掲示板で告知し、情報を確実に届けることが必要です。
サイトの主な利用者は、各事業ラインの主任、リーダークラスの社員ですが、事業部長クラスなど上層部にも見てもらうことで、新規事業への理解とアクションがさらに促進されるかもしれません」

「つながりを生むメディア」を構築していきたい

2022年7月に立ち上がったCOCOCREWは、2年を経て、現在リニューアルを検討しています。

「ナビゲーション機能やレコメンド機能の追加、コンテンツの見直しも進めています。たとえば、社外メディアから転載した良質な記事も多いのですが、あまり読まれていません。当社の社員が登場していないため、ユーザーが自分ごととして捉えにくいのが一因だと思います。『社内の○○さんお勧めの記事』という見せ方にしたり、イラストを入れたり、対談形式で提供するなど工夫次第で閲覧数は増えるはずです。これからもそういった改善に取り組んでいきたいですね」(白井)

平岡もまた、さらに多くの事例を増やしていきたいと意気込みを示します

「これまでにどんな実証実験が行われてきたのか、また現在進行中のプロジェクトについても情報を充実させていきたいと考えています。欲を言えば、社内メディアにとどまらず、新規事業を応援するメディアとして社外にも発信していきたいですね。NECグループには5つの行動基準「Code of Values」があり、その1つが『視線は外向き』です。今後は外部からの情報も積極的に取り入れ、社外の方のインタビュー記事も掲載できると良いと思います。また、現在企画中ですが、事例紹介を人にフォーカスした“タレント図鑑”のような形にしたいと考えています。共感や気づきを得られることで、社員同士がつながり、アイデアやプロジェクトが生まれるようなメディアに成長できれば最高です」

「つながりを生むメディア」としての役割については、白井も立ち上げ時から同じ思いを抱いてきました。

「新規事業を創出しようとしている社員たちが情報を共有したり、仲間としてつながったりできるコミュニティメディアとして機能させたいと考えています。残念ながら現時点ではそこまで至っていませんが、コミュニティをサポートするための取り組みを模索中で、どのように継続的に成り立たせるかを考えています」

白井と平岡は「新規事業創出のメディアだからといって、決して新規事業を考えている人だけのものではありません」と話します。日々の業務で行き詰まりを感じたり、少し気分転換したいときに軽い気持ちで覗いてみれば、それが何かのきっかけや刺激になり、通常業務にも役立つかもしれないと二人は考えています。

今後も、COCOCREWは社員が気軽に学び、つながり、新たな価値を創出できる場として、進化を続けていきます。NECソリューションイノベータの新規事業創出に取り組む社員一人ひとりの挑戦をバックアップし続けていきます。

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UPDATE:2024.11.25