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「趣味はTableau」から世界へ
若手エンジニアがアンバサダーに選ばれるまで
データを分析し、ビジュアル化するためのビジネスインテリジェンス(BI)ツールの中でも、Tableauはその使いやすさと優れたデータ可視化機能で世界的に人気が高く、コミュニティが活発なことでも知られています。そのTableauコミュニティで最も権威ある称号のひとつ「2024 Tableau Ambassadors」に、世界46カ国から396名、そして日本からは27名が選出される中、NECソリューションイノベータの若手エンジニア、山本秀明が「Tableau Public Ambassador」として名を連ねました。「半分は趣味」だというTableauのコミュニティ活動が、世界で認められるまでに成長した過程と、その活動がもたらす意義について聞きました。
熱量が高いTableauコミュニティ
多彩なユーザー体験を通じ、世界中で多くのファンを獲得しているTableau。山本もその魅力に惹かれた一人です。
「専門知識がなくてもさまざまなデータソースに接続し、分析や多彩なビジュアル表現ができるのが人気の理由だと思います。そして、特徴的なのがそのコミュニティ。さまざまなイベントを通じて世界中で交流が広がり、他とは一線を画す熱量があります」
Tableauのコミュニティにはいくつかの種類があります。例えば「Tableau Community Forums」ではユーザー同士がオンラインで質問や相談を交わし、活用のヒントを共有しています。一方、オンライン・プラットフォーム「Tableau Public」では、ユーザーが自作のダッシュボードを公開し、フィードバックを受けながら交流が行われています。
「オフラインの勉強会を開催しているコミュニティもあります。それぞれがゆるやかにつながり、全体で大きなTableauコミュニティを形成しているイメージです。また、Tableauが面白いのは、コミュニティ内でさまざまなプロジェクトが展開されていることです」
趣味はTableau(笑)。コミュニティ活動が息抜き
「Makeover Monday」というプロジェクトでは、毎週月曜日にオープンデータと「お題」が発表されます。Tableauで作成された図表やチャートは「Viz」と呼ばれ、世界中の参加者がそれぞれの発想で「お題」に沿ったVizをTableau Publicに公開します。
「同じデータを使っても人によって表現方法が異なるため、それを見るだけでも学びがあります。また、自分のVizに対して、いろいろな人からフィードバックをもらえるのも楽しみのひとつです」
山本がTableauに初めて触れたのは、新卒採用で入社した2020年度のこと。
「当時は会計関連のシステム開発に携わり、データ活用の一環としてTableauの導入を支援していました。現在の部署ではTableauを扱う機会は少ないため、Tableauに触れる時間のほとんどが業務外です。実は、Tableauコミュニティでの活動が私の息抜きなんです。スキル向上のためでもありますが、趣味を聞かれたらTableauと答えると思います(笑)」
Tableauには世界中に500以上のユーザーグループが存在し、日本にも「Japan Tableau User Group(JTUG)」があります。JTUGは2024年1月に発足から10年を迎え、都内で記念総会を開催しました。総会では、Vizをいかに速く作れるかを競うコンテスト「VizつくりまShow!」が行われ、山本は本戦まで勝ち上がりました。
「優勝は逃しましたが、凄腕のエンジニアたちの技術に触れ、私ももっと使いこなせるようになりたいと思いました。その後、Makeover Mondayなどのプロジェクトに積極的に参加するようになり、さらなる高みを目指して『2024 Tableau Ambassadors』に応募しました」
アンバサダーとしてみんなのスキル向上をサポートしたい
Tableau Ambassadorsは講演活動やイベントなどを通じて、Tableauの魅力を広める役割を担っています。2024年は世界46カ国で396名、そのうち日本からは27名が選出されました。
「自分で応募したものの、選ばれたときは『マジか?』と思いました(笑)。Makeover Mondayなどの活動が評価された結果だと思いますが、簡単になれるものではないので、とても光栄に感じています」
Tableau Ambassadorsは、「Tableau Forum Ambassadors」、「Tableau User Group Ambassadors」など7つのジャンルに分かれています。山本は「Tableau Public Ambassadors」として任命されました。美しく、見やすいVizの技術を広め、データビジュアライゼーションの可能性を追求することが期待されています。
「Tableauコミュニティには大小さまざまなグループがあります。私もコミュニティを立ち上げ、みんなのスキルアップに貢献したり、Tableauに興味を持つエンジニアを増やす活動をしていきたいです」
スキルに自信がないエンジニアほど社外イベントが成長につながる
山本は現在、入社5年目。目指すべきエンジニア像は「広く深く」だと話します。
「広く浅くではなく、広く深く。あらゆる分野に精通したエンジニアになりたいです。私は文系の大学出身で、学生時代は学生新聞の制作を通じてデザインを学びました。その経験がTableauを扱う上で活かされています。だからこそ、何にでも興味を持って挑戦する姿勢が大事だと感じています」
IT業界は生成AI技術の進歩などで加速度的に変化しています。そうした時代において、山本はエンジニアとして何を心がけているのでしょうか。
「技術書を読み漁るなど、やっていることは意外とオーソドックスです。新しい技術に対応するには基礎が大事だと考えています。NECソリューションイノベータには毎年、数万円相当の補助が受けられるカフェテリアプランという福利厚生制度があり、私は主に書籍の購入に活用しています。『広く深く』を目指す私にとっては、学びをサポートしてくれる制度は本当にありがたいです」
あらためて、Tableauアンバサダーとして若手エンジニアに伝えたいことを尋ねました。
「Tableauコミュニティにはたくさんの出会いがあり、それが成長につながります。特に自分のスキルに自信がない若手のエンジニアほど、社外コミュニティに触れることでたくさんの学びが得られるはずです。実は、私は英語が得意ではないんです。でも、Tableauのプロジェクトは海外発のものが多いため、翻訳ツールを駆使して活動しています。今は便利なツールが多いので、それらを活用しながら、自分の興味に合ったものを探しつつ、Tableauに限らず、社外イベントなどに積極的にチャレンジしてみてください」
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UPDATE:2024.12.03