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エンジニアが変革の主役
創立50周年の節目に、SE出身の新社長が描くこれから

NEC Solution Innovators 50th Anniversary

NECソリューションイノベータは、2025年9月9日に創立50周年を迎えます。
その節目の年の4月に、新たなトップとして就任したのが、代表取締役 執行役員社長の岩井孝夫です。生成AIをはじめとするデジタルテクノロジーの進化がITサービスのあり方を根本から変えようとしている現在、システムエンジニア出身の岩井が描く「これからのNECソリューションイノベータ」とは──。自らの原体験や現場への想いとともに未来像を聞きました。

NECグループの土台を支える「エンジニアの力」

社長に就任してから、あらためてNECソリューションイノベータをどんな会社だと感じていますか?
岩井 孝夫(いわい・たかお)
代表取締役 執行役員社長
岐阜県出身、名古屋大学大学院工学研究科修士課程修了。2000年NEC入社。21年、金融システム本部長。23年、Corporate SVP兼金融ソリューション事業部門長。25年4月1日、NECソリューションイノベータの代表取締役執行役員社長に就任。NEC執行役Corporate EVP兼デジタルデリバリーサービスビジネスユニット長を兼務。

私は2000年にNECに入社して以来、システムエンジニアとして金融領域の多くのプロジェクトに携わってきました。新入社員の頃から、全国各地のNECソリューションイノベータのメンバーとは同じチームとして働いてきたため、今回、社長という立場になりましたが、「新しい会社に来た」という感覚はありません。4月から5月にかけて、私自身を知ってもらうために、全国の主要9拠点を回り、社員と直接対話するタウンホールミーティングを実施しました。そこで、かつての仲間やお世話になった人々と再会する機会にも恵まれ、あたたかい言葉をかけてもらいました。NECソリューションイノベータが全国に広がる拠点と人のネットワークを持ち、長年にわたって強いつながりを築いてきたことを、あらためて肌で感じました。

当社はエンジニアが中心の企業です。NECグループの中でも、ITサービス事業の中核を担っており、その土台を支えているのが、まさにエンジニア一人ひとりの専門性と実行力です。現在、世の中では生成AIをはじめとするITがより身近な存在となり、あらゆる業種・業務で活用されるようになりました。こうした中で、お客様は自社に最適な形でITを取り入れたいというニーズを強めています。だからこそ、私たちが社会に果たせる役割は、より大きなものになっていると思います。

あわせて、私は現在、NECのデジタルデリバリーサービスビジネスユニット長も兼任しています。この役職のミッションは、NECグループのITサービス事業における「届ける力」、すなわちデリバリー機能を強化することです。そして、その中心となる存在が、実装力を中心とするデリバリー力に優れたNECソリューションイノベータだと考えています。当社の社長とNECのビジネスユニット長という、密接に関わる2つの役割を私が担うことで、両社の方向性にこれまで以上の一貫性を持たせられると感じています。

これまで当社は、NECからの案件を担う「受託側」と見られがちで、マーケットから一歩引いた存在に映ることもありました。しかし、ITサービスにおいて真に重要なのは、サービスや価値を「届けきる力」です。当社がその実行を主体的にリードし、着実に進化していくことが、NECグループ全体の成長にもつながります。
だからこそ、社員一人ひとりが「自分たちがこの変革の主役である」という誇りと気概を持ち、いきいきと働けるような環境を整えていきたいと考えています。

タウンホールミーティングにて社員と交流する岩井(2025年4月/北陸支社)

半歩先を早く踏み出す ── 信頼が生む変革と成長

これから会社をどのようにリードしていきたいと考えていますか。

NECソリューションイノベータの各拠点にはそれぞれ異なる強みと個性があります。たとえば、サイバーセキュリティ領域を担う北陸、Java系ミドルウェアに強みを持つ大阪、データベース分野で実績を重ねてきた長野など、長年にわたって拠点ごとに切磋琢磨し、独自性を育んできました。今後は、そうした地域ごとの力を活かしながら、同じ方向を向いて一体となることがより大きな価値を生む鍵になると考えています。そのためには拠点間の連携、そしてチームワークと信頼関係が重要です。

若手の頃、ある案件で和歌山拠点のエンジニアとチームを組む機会がありました。右も左もわからず悪戦苦闘していた私を、和歌山のメンバーが何度も支えてくれて、なんとか無事にプロジェクトをやり遂げることができました。そのときに痛感したのが、チームワークと日頃のコミュニケーションの大切さです。普段からの何気ない会話や気軽なやり取りが信頼関係の土台となり、いざという時の助け合いにつながる。この経験は今でも私の原点となっています。
どんなに技術が進化しても、人と人との信頼に支えられたチームの力こそが、エンジニアが生み出す価値を最大化すると確信しています。

一方で、日本はこれから本格的に人口減少社会を迎え、あらゆる分野で労働生産性の向上が求められます。ITサービスの分野も例外ではありません。その中で、生成AIの登場は極めて大きな転換点であり、私たちにとっての追い風だと捉えています。当社ではこれまでもソフトウェア開発の生産革新に取り組んできましたが、生成AIはその取り組みを飛躍的に加速させる技術です。AIによる自動化や翻訳技術の進化により、開発体制やスキルのあり方そのものを見直す契機になります。
この変化をチャンスと捉え、私たちは生成AIをはじめとする先進技術の活用を積極的に進めることで、日本の開発力の底上げと、社会への提供価値をさらに高めていきたいと考えています。

組織として進化を続けていくうえで、どんな価値観や姿勢を持った人と働きたいですか?

技術を磨きたい人。チームで協力しながら成果を出すことにやりがいを感じる人。そして、変化を前向きに楽しめる人。
NECソリューションイノベータには、技術に真剣に向き合っている社員が多く、最先端からレガシーまで、幅広いIT領域に挑戦できる環境があります。開発や運用、プロジェクトマネジメントなど、さまざまな経験を通じて、自分の強みや志向に合ったキャリアを見つけられる。それが、当社で働く面白さのひとつと感じています。変化のスピードが速いこの業界では、ある程度の先読みが求められますが、あまりに先を読みすぎて一気に踏み込んでしまうと、かえって足元をすくわれてしまうこともあります。大事なのは、「半歩先」を、できるだけ早く踏み出すこと。一歩一歩はわずかでも、その積み重ねが、エンジニアとしての価値を着実に高めていくのです。

社員の成長のために、取り組みたいと考えている施策はありますか?

具体的な施策はこれから検討していきますが、私自身が大切にしているのが、年に一度のシリコンバレー訪問です。現地のテックカンパニーや金融機関を訪れ、最新技術がどのように活用されているのかを自分の目で確かめています。また、日本の市場でそれらの技術やサービスがどう活用できそうか、こちらの意見を伝えると、先方も関心を持って聞いていただけます。
そうして得た知見は社内で共有し、現場での議論や新たなチャレンジのきっかけにつなげています。これまでもNECソリューションイノベータの社員に同行してもらっており、今後は若手にも参加してもらいたいと考えています。普段とは異なる環境に身を置き、現地でのディスカッションや英語でのコミュニケーションをとったりする経験は、技術的な成長だけではなく、視野の広がりや「自分たちの仕事が世界に通用する」という実感につながるはずです。

未来を描き、自ら動く。50周年を超えて進化する組織へ

仕事をするうえで心がけていることはありますか?

難しいプロジェクトほど、「やるからには楽しく」という前向きな姿勢で臨むようにしています。どんなに厳しい状況にあっても、「今が底なら、あとは上がるだけ」と思えば、「上げていくにはどうしたらよいか」と、自然と気持ちが前を向くからです。

ご自身のコンディションや思考を整えるために、大切にしている習慣やリフレッシュ方法はありますか?

毎朝のストレッチと入浴が日課です。湯船に浸かりながら、その日のタスクや話すべきことを整理する時間が、自分にとっては大事な準備体操になっています。昨年は人生で初めてのフルマラソンに挑戦し、泣きながら完走しました。それ以来、体型管理も兼ねてランニングを続けています。また、アニメや漫画も好きで、気持ちを切り替えるために「ながら見」して頭をリラックスさせる時間も大切にしています。

2024年12月 NAHAマラソンにて。沖縄で挑んだ人生初のフルマラソン。写真中央が岩井
2025年9月にNECソリューションイノベータは創立50周年を迎えます。その節目の年に就任された社長として、あらためて組織のこれからについて、どのように考えていますか?

ITが関わる領域は今後もさらに広がっていきます。その変化をいち早く捉え、当社がエンジニアリング力を活かして、新しい価値を社会に届ける存在であり続けたいと考えています。50周年という節目に立つ今こそ、私たちが自らの存在意義を見つめ直す好機でもあります。
そのために必要なのは、社内外からの信頼と、仲間への感謝の気持ちです。プロフェッショナルとしての自覚を持ちつつ、互いに信頼し合えるチームワークを築くこと。その両立こそが、これからの時代に求められる姿勢だと確信しています。
「NECソリューションイノベータに頼めば安心だ」と言っていただけるように、誰に対しても誇れる組織を目指し、変化を楽しみながら、未来を切り拓いていきます。

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UPDATE:2025.7.16