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『技術で超えろ。』に込めた想い。NECソリューションイノベータが50周年に挑むカルチャー変革
NEC Solution Innovators 50th Anniversary


創立50周年を迎えるNECソリューションイノベータが掲げた社員向けのキーメッセージは『技術で超えろ。』。この言葉には、今のNECソリューションイノベータの強みをさらに伸ばし、技術力と人の力で次の50年を自ら切り拓くという決意が込められています。2025年9月9日の創立記念日に向けて、社内ではこのメッセージを根付かせるため、“らしさ”の見える化や未来構想ワーク、社内ラジオなど、代表的な3つの施策を中心にカルチャー醸成の取り組みが展開されています。
今回は、周年施策のコンセプトやメッセージ誕生の背景、各施策の狙いについて、プロジェクトを率いるコミュニケーション統括部の繁田聡子、岡田紘季、松本三咲に聞きました。
挑戦する意志を、ひとつの言葉に
創立50周年に向けた社内プロジェクトが動き出したのは、2024年に発足したカルチャー変革室の提案がきっかけでした。カルチャー変革室は、社員の挑戦心やオーナーシップを引き出し、カルチャー醸成や組織のエンゲージメント向上を目的に生まれた部門です。
「社員のキャリア自立や新たな挑戦を後押しする取組みを、50周年という絶好のタイミングで社内に強く打ち出したい」──そうした提案に経営層が応え、記念誌の制作や、創立記念イベントの構想と合わせて、プロジェクトが始動しました。
2025年度の組織再編に伴い、カルチャー変革室は「コミュニケーション統括部」へと再編され、当時からプロジェクトを牽引してきた繁田が統括部長を務めています。
「イベントや記念誌を作るだけでは、社員一人ひとりの心を動かすような強いメッセージにはなりません。そこで私たちが旗振り役となり、プロジェクト全体を貫くコンセプト設計からキーメッセージの策定、社内プロモーションの企画までを一気通貫で手がけることにしました」(繁田)

コミュニケーション統括部 統括部長
NECソリューションイノベータでは、当時社長を務めていた現会長の石井力が掲げた「自ら考え自ら行動する」という考え方を軸に、強いカルチャーの醸成に取り組んできました。50周年プロジェクトにおいても、その理念が根底にあり、次の50年に向けて、どのようなカルチャーを育てていくべきかをあらためて考えることになりました。その答えを探るため、常務以上の執行役員への個別インタビューに加え、社員の声を拾うワークショップも開催されました。
「できるだけ多くの社員の声を反映させるため、ワークショップには全事業ラインから3名ずつ代表者を選んでもらいました。若手社員、40代前後の次世代リーダー、後進の育成に注力するベテラン社員という3世代が集まり、半日かけて意見を交わしました。その結果を、言語化したのです」(繁田)
このセッションでは、『挑戦者』や『冒険家』といったさまざまなワードが書かれたカードを使い、各社員が「自分はどのような存在を目指したいか」「会社は将来どう見られたいか」を考え、そのイメージに合うカードを選びました。そこで見えてきたのは、意外な一面です。
「当社の社員は、真面目で与えられた仕事を着実に遂行するタイプが多いと思っていましたが、実際にはベンチャー企業の社員が好むようなワードが多数選ばれました。『挑戦したい』『自分たちで変革を起こしたい』という思いを強く持つ社員が多いとわかり、『技術で超えろ。』というメッセージにたどり着きました」(繁田)

「技術」という言葉は、NECソリューションイノベータがITエンジニアの集団であり、技術力で勝負しているという誇りを象徴しています。それは役員へのインタビューでも、ワークショップでも多くの社員が挙げていたことでした。
そして「超えろ。」という力強い言葉には、「顧客の要望に応えるだけでなく、それを上回る価値を生み出す」「顧客がまだ気づいていない課題まで提案する」という挑戦的な姿勢が込められています。
“自分たちらしさ”を見える化した人気の社内カルチャー企画
こうして決定した社員向けキーメッセージ『技術で超えろ。』は、4月初旬の全社キックオフで発表されました。並行して進められていたカルチャー施策では、「これまでの50年で大切にしてきたNECソリューションイノベータの文化」と「これからの50年に求められる姿」の2つを軸に、継続的な情報発信を組み合わせてプランが検討され、20件以上のアイデアから絞り込まれました。
まず始動したのが、“NECソリューションイノベータらしさ”を再発見し、社員の共感と参加を生む投稿型企画です。発案者は松本三咲。世間で話題となった展示イベント『いい人すぎるよ展』にヒントを得て、言葉にしづらいけれど確かにある“この会社らしさ”を見える化しようと考えたといいます。
「『いい人すぎるよ展』は、世の中ではあまり注目されていないけれど、“こういう人っているよね”と思える人の魅力をユーモラスに称える展示です。社内を見渡すと、まさにそうした“らしさ”が随所にあふれていると感じ、それを可視化することで、自分たちの良さや誇りを再認識できる。そうした前向きな気持ちは、『技術で超えろ。』というメッセージにもつながると考え、この企画を立ち上げました」(松本)

コミュニケーション統括部


社員から集めた“NECソリューションイノベータらしさ”を感じるエピソードや言動は、社内投票を経て、イラストレーターによる書き下ろしイラストとともに9月に特設サイトで公開予定です。さらに、これらのイラストはステッカーや社内のカフェスタンドのカップスリーブにもプリントされ、日常の中でふと目に入る仕掛けも用意しています。

特設サイトの制作では、SE出身ならではの技術的な視点と判断力が活かされました。
「多くの社員が楽しみながら参加できるよう、クリックしたくなるボタンデザインや部門別・地域別ランキング機能を導入。投稿形式も『自由型』と『大喜利型』の2種類を用意するなど、参加のハードルを下げる工夫を随所に施しました」(松本)
繁田はその完成度を高く評価します。
「正直、基盤となっているWebサーバーが古く、ここまで高度なサイトを作れるとは思っていませんでした。でも、松本さんは技術的な判断が的確で、3週間ほどで完成度の高いサイトを仕上げてくれたんです。他のメンバーの協力もありましたが、まさに『技術で超えろ。』を体現した成果だと思います。結果として、全部署の半数以上が参加する人気企画となっています」(繁田)
生成AIと想像力で描く、次の50年。「SF未来創造ワーク」
「これからのNECソリューションイノベータは、社会にどんな価値を提供していくべきか」。この問いに向き合うために企画されたのが、SFプロトタイピングを取り入れたワークショップ「SF未来創造ワーク」です。生成AIを駆使しながら、今後50年間のロードマップを構想し、50年後の会社や社会のあり方を議論。そこから生まれた未来像はSF小説としてまとめられ、全社員へ共有される予定です。
講師には、SFプロトタイピングの第一人者であり、様々な企業や大学で未来共創の教育・研究に携わる宮本道人氏を招き、効果的なプロンプト例や議論の進め方について直接レクチャーを受けました。

株式会社SF実装研究所 代表取締役
筑波大学 国際産学連携本部 産学連携准教授
東京科学大学 未来社会創成研究院 特任准教授
慶應義塾大学 SFセンター 特任講師

当日は、約30名の社員が5つのグループに分かれ、50年後の「公共・行政サービス」「リテール・ショッピング・決済」「ヘルスケア」「モビリティ」「通信」といったテーマでディスカッション。市役所や図書館、コンビニ、美容院、駅、学校など、身近な場所を未来の視点で描くことで、自由で斬新なアイデアが次々と生まれました。
この企画を推進した岡田紘季は、自身のエンジニアとしての経験も踏まえ、こう語ります。
「エンジニアはどうしても目の前の案件に追われ、未来についてじっくり考える余裕がありません。だからこそ、“思い切り未来を想像できる機会”を作りたかったんです。当初は全社員参加型のイベントとして実施する案もありましたが、議論の深さを重視し、宮本先生からも『少人数での濃い議論が望ましい』と助言をいただき、この形式になりました」(岡田)

コミュニケーション統括部 主任
7月上旬に開催されたワークショップでは、終始活発な議論が繰り広げられ、参加者からは「視野が広がった」「今後の考え方の軸になる有意義な時間」「生成AIの新たな活用ヒントを得た」といった声が寄せられています。
「SF未来創造ワーク」は、50周年を単なる節目ではなく、“次の50年をどう描くか”を考えるスタート地点にするための試み。『技術で超えろ。』というメッセージを未来の行動指針に変える──その布石として位置づけられているのです。
社員のリアルを届ける社内ラジオ「コエラジ」
6月から配信が始まった社内向け音声コンテンツ「コエラジ」。
「忙しい社員でもスキマ時間に気軽に聴ける番組を作ろう」というアイデアから生まれた企画です。当初はSpotifyなどで社外発信する案も検討されましたが、より率直でリアルな会話を届けるため、全6回構成で社内限定ラジオという形でスタートしました。

番組のパーソナリティも務める岡田は、その背景をこう説明します。
「日々の業務に追われていると、他部署の取り組みや社員の思いを知る機会は意外と少ないものです。特に若手からは『他部署の仕事をもっと知りたい』という声をよく聞いていました。そこで、さまざまな部署からゲストを迎え、『技術で超えろ。』に関連するエピソードや仕事の裏側をオープンに語ってもらう場を作りました。これまでに2回の収録を終えましたが、金融から官公庁まで多様な分野のリアルなトークが飛び出し、想像以上に興味深い内容になっています」(岡田)
次の50年へ受け継ぐ、NECソリューションイノベータのカルチャーと想い
半年以上にわたって進めてきた周年施策も、いよいよ終盤を迎えています。プロジェクトの中心で社員の声に耳を傾けてきた3人に、「次の50年に向けて、これからも大切にしたいカルチャー」について聞きました。
「今回の取り組みを通じて、NECソリューションイノベータらしさのひとつ、『人のよさ』があらためて浮き彫りになりました。相手の背景や状況をきちんと理解し、思いやりをもって提案できる。この価値観は、これからも変わらず大切にしていきたいと感じています」(松本)
「社内ラジオをはじめとした周年施策を通じて、『やりきる』『人がいい』といったエピソードが何度も語られました。私自身のエンジニア経験とも重なり、この文化をそのまま次の50年につなげていきたいと心から思います。今後も、最前線で挑戦を続ける社員の背中を少しでも後押しできるような取り組みを続けていきたいです」(岡田)
「初回のワークショップでは『温かみがある会社』という言葉が繰り返し出ていましたが、それと同時に、『挑戦したい』『変革をリードしたい』という熱い思いを持った社員が多くいることも強く印象に残りました。思いやりを持ちながら高い技術力で挑戦し続ける文化こそが、NECソリューションイノベータの強みです。これからの50年も、その温かさと技術への誇りを大切にしながら、世の中の変革を自ら起こしていけるような組織を目指していきたいです」(繁田)
NECソリューションイノベータは、これからも技術力と人の温かさを軸に、次の50年を自ら切り拓いていきます。50周年はゴールではなく、新たなスタートライン。技術と人の力で、社会の期待を超える挑戦を続けていきます。

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UPDATE:2025.8.18