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Microsoft Top Partner Engineer Award 2025で快挙!
過去最多9名が受賞


日本マイクロソフトがパートナー企業の中で卓越した技術者を表彰する「Microsoft Top Partner Engineer Award」。設立からわずか3年で業界でも注目を集めるこの賞において、2025年、NECソリューションイノベータから過去最多となる9名が受賞しました。これは国内パートナー企業でもまれな規模であり、当社がマイクロソフトの技術領域で築いてきた実力と信頼の証です。
受賞者はAI、クラウド、セキュリティなどの先進分野で活躍し、お客様のビジネス変革を支えてきました。本記事では、その中から4名の取り組みと成果、そして未来への挑戦を紹介します。
アワードは社内外にエンジニアの熱意と技術力をアピールできる武器
NECソリューションイノベータとして過去最多となる9名が選出された「Microsoft Top Partner Engineer Award 2025」。
多彩な専門分野で活躍する9名の受賞者の中から、今回は4名にフォーカスし、それぞれの挑戦と成果を聞きました。このアワードは、マイクロソフト領域で顕著な実績を挙げたパートナー企業のエンジニアに贈られるもので、5つのカテゴリに分かれています。
今回、櫻井はAzure Apps&Infra、島田と吉田はModern Work・Copilot、宇佐美はSecurityで受賞。さらに島田は2024年にもModern Workカテゴリで選出されており、2年連続の受賞となります。
受賞者 | カテゴリ | カテゴリ概要 |
---|---|---|
櫻井 将一郎 | Azure Apps&Infra | クラウド基盤の設計・構築や、アプリケーション開発 |
島田 沙織 | Modern Work・Copilot | Microsoft 365やMicrosoft Copilotを活用した業務効率化、コラボレーション |
吉田 敏 | ||
宇佐美 雅也 | Security | マイクロソフトのセキュリティソリューションを活用したアクセス制御や情報保護 |
島田沙織は、受賞の意義をこう語ります。
「『Microsoft Top Partner Engineer Award』は、NECソリューションイノベータがマイクロソフト領域に注力していること、そして求められる技術力を十分に備えていることを示す“技術力の証”になります」(島田)
島田は社内セミナーなどを通じてアワードの存在と価値を広く紹介し、積極的な参加を呼びかけてきました。社内のエンジニアたちに強く働きかけた結果、2023年度の1名、2024年度の3名という受賞数を大きく上回り、2025年には9名の受賞という快挙につながったのです。

DXサービス事業部門 AIエージェント統括部 ディレクター
Microsoft Top Partner Engineer Award <Modern Work・Copilot>
国内屈指のAzure活用企業へ──共通基盤づくりで業界を牽引
Azure Apps&Infraカテゴリで受賞した櫻井将一郎は、Azureソリューションセンターの責任者として、Azure開発案件を牽引するキーパーソンです。顧客企業およびNECグループ全体におけるクラウド活用をリードした実績が高い評価につながりました。
櫻井は受賞の理由をこう語ります。
「お客様がクラウドを安全に利用できるよう、ガバナンスとセキュリティを兼ね備えたAzure共通基盤──Azure Landing Zoneを設計しました。さらに、それを横展開できる仕組みにすることで、複数の顧客の事業部門が安全かつ効率的にクラウド活用を進められるようにしたことが、大きな成果になったと考えています」(櫻井)

DXサービス事業部門 AIエージェント統括部 シニアプロフェッショナル
Microsoft Top Partner Engineer Award <Azure Apps&Infra>
この基盤の導入により、顧客の業務アプリケーションの開発のスピードや運用効率が大幅に向上しました。さらに櫻井は、アーキテクトとして顧客の業種を問わずシステム全体のグランドデザインを描き、クラウド活用が難しかった領域への挑戦にも取り組んできました。
また、社内外のSI実績を1,000人超が参加する社内イベントで発表したほか、数百人規模の社内エンジニアに対するAzureの技術育成にも注力。このような幅広い活動も、高く評価されたポイントです。
今後も、Azure案件のさらなる拡大を目指し、技術基盤と組織体制の両面で強化を続けていくとのこと。櫻井は、「“AzureといえばNECソリューションイノベータ”と認識される存在を目指したい」と語り、アワードの受賞はその実現に向けた第一歩であると位置づけています。
クラウド&生成AI活用でビジネスを拡大 社長賞を受賞
Modern Work・Copilotカテゴリで2年連続の受賞となった島田は、Microsoft 365の導入・移行・活用支援に加え、生成AI「Copilot」導入を支援するワークショップ体制の整備にも取り組んできました。
「Copilotの導入を検討するお客様に向け、ワークショップの提供体制を構築しました。このワークショップは、基本的な使い方から業務に合わせたシナリオ検討までを支援するもので、生成AI活用の第一歩を後押しする重要な取り組みになっています。さらに、Copilot Studioを活用し、より業務に特化した個別支援も展開しています」(島田)

同じ部署の櫻井らとともに、マイクロソフト領域におけるSI事業の高度化と拡大にも取り組んできました。
「Azureソリューションセンターで取り扱う各プロジェクトで高度化を推進し、マイクロソフト領域のビジネス規模拡大を目指しました。具体的には、マイクロソフト社との戦略提携のもとで、お客様への提案やPoC(概念実証)を積極的に推進。『Azure Bicep』や『Microsoft365DSC』といったIaCツールを活用し、Azure DevOpsやGitHubと連携して、Azure環境やMicrosoft 365の設定をコードベースで構築・管理する取り組みを進めています」(島田)
こうしたSI高度化や、入口から出口までの戦略を循環させることでマイクロソフト領域の事業成長に大きく貢献。その成果が社内で「革命的な取り組み」として高く評価され、社長賞を受賞しました。
生成AI時代に進化するセキュリティ対策 現場の挑戦
Securityカテゴリで受賞した宇佐美雅也は、Microsoft 365領域におけるセキュリティソリューション導入を通じて、顧客が安全かつ効率的にシステムを利用できる環境づくりを担ってきました。その実績が高く評価され、今回の受賞に至りました。
宇佐美は受賞の背景をこう語ります。
「Microsoft Entra IDを活用した認証基盤の強化や、Microsoft Defender製品群の導入支援を通じて、情報漏えいや不正侵入対策を進めてきました。特にこの1年半は、大規模顧客に対してMicrosoft Purviewの導入を、設計から構築・展開まで一貫して担当しました。無事に完遂できたことが、受賞につながる大きな評価ポイントだったと考えています」(宇佐美)

DXテクノロジー事業部門 第二サイバーセキュリティ統括部 主任
Microsoft Top Partner Engineer Award <Security>
導入支援において、顧客の重要な情報資産を守るため、NECソリューションイノベータとしての高度な技術力と実装力を発揮したことも、受賞の大きな決め手となりました。
さらに宇佐美は、自身の業務効率化にも生成AIを積極的に活用しています。Teams会議の自動議事録化や資料作成の効率化などにCopilotを取り入れることで、セキュリティ技術の検証や研究に割ける時間を大幅に増やしています。
「生成AIは、セキュリティの現場でも活用が進むと考えています。たとえば、SOC(セキュリティオペレーションセンター)業務では、膨大なログデータをAIで分析することで、検知結果の解析にかかる時間を大幅に短縮できます。これにより、早期の対策実施や業務効率化が可能になるでしょう。現在は実用化に向けたユースケースを模索している段階です」(宇佐美)
一方で、生成AIの利用には新たなセキュリティリスクも伴います。
「便利な反面、機密情報が意図せず外部に流出するリスクもあります。だからこそ、技術の進化と並行して、“どうAIを活用するか・どこまでAIに任せるか”を適切に見極めることが、これからのセキュリティエンジニアには求められます」(宇佐美)
セキュリティと生成AIの最前線を理解し、最適なバランスを見極めながら、宇佐美は新たな挑戦を続けています。
システム開発の最前線で生成AIを活用 マイクロソフトも注目した取り組み
Modern Work・Copilotカテゴリで受賞した吉田は、プラットフォームSIビジネスを担う一員として、Azureを含むさまざまなクラウド環境に携わっています。同じカテゴリで受賞した島田と比べると、その取り組み内容は大きく異なります。
「私はこのカテゴリの受賞者の中でも、少し異色の存在かもしれません。というのも、Copilotを“働き方改革”のためではなく、システム開発の現場で活用しているからです。
ChatGPTが話題になるよりも前から、生成AIを開発工程に取り入れる方法を考えてきました。さまざまなサービスを比較検討した結果、現場との親和性が高く、精度にも優れていたCopilotを選定。設計、工程管理、在庫管理など、プロジェクトのあらゆるフェーズで活用し、生産性向上を実現しました。このような取組みはマイクロソフト社にとっても新鮮だったようで、受賞に至った要因の一つだと思います」(吉田)

PFSI事業部門 デジタルPF統括部 主任
Microsoft Top Partner Engineer Award <Modern Work・Copilot>
さらに吉田は、Copilotの社内浸透にも積極的に取り組んできました。NECグループ全体を対象にしたCopilotの社内コミュニティの立ち上げに参画し、現在は1万1000人以上のメンバーが参加。マイクロソフト社よりアンバサダーを指名され、活用ノウハウの共有やコミュニケーションを促進しています。
こうした活動を通じて、生成AI活用をNECソリューションイノベータに根付かせることが狙いです。将来的にはAIエージェントなど、次世代の生成AI技術を実務で活かせるような基盤づくりを見据えています。
「Copilotの活用は社内に着実に浸透してきているものの、まだ“使って当たり前”という段階には達していません。出勤から退勤まで、生成AIをフルに使って生産性を高めるような実績を増やし、社外展開にもつなげたいと考えています。AIエージェントについても、非常に可能性を感じている領域なので、積極的にチャレンジしていきたいですね」(吉田)
アワード受賞の広がりが生む、組織と個人の成長サイクル
「Microsoft Top Partner Engineer Award」の受賞者が増加したことは、NECソリューションイノベータがクラウド領域で積み上げてきた実績を示す大きな成果となりました。その中心で牽引してきた島田は、来年度への展望を語ります。
「来年はさらに多くの受賞者が誕生するよう、マイクロソフト社の担当者と連携しながら社内認知の拡大に取り組んでいきたいと考えています。次は“2ケタ受賞”を目指したいですね」(島田)
この受賞の意義は、組織にとっての成果だけでなく、エンジニア一人ひとりにとっても大きな意味を持つと櫻井は話します。
「このアワードは、専門性と信頼性を備えた“ちゃんとしたエンジニア”であることを社外に示せる証になります。それだけでなく、受賞した私たちが、認められた技術力で若手を育成していくことで、技術文化の継承にもつながるはずです。次の世代のエンジニアたちが、私たち受賞者を一つのロールモデルとして目指してくれると良いですね」(櫻井)
セキュリティ領域で受賞した宇佐美も、活動が評価されたことの喜びを率直に語ります。
「セキュリティの仕事は縁の下の力持ちのような役割が多く、なかなか注目されにくいものです。今回、自分の取り組みをきちんと見て評価してもらえたことが素直にうれしいです。今後の励みになりました」(宇佐美)
彼らの挑戦はすでに始まっており、このアワードはあくまで通過点。さらなる飛躍に向け、個と組織がともに成長を続けていきます。
今回の受賞者たちは、生成AIをはじめとしたマイクロソフトの先進技術を、知識のみにとどめず、実務での活用・普及にまでつなげてきた点が高く評価されました。受賞は、個人の努力の証であると同時に、NECソリューションイノベータ、そしてNECグループ全体の技術力と革新性を対外的に示す成果でもあります。
- ※記事では、9名の受賞者のうち、技術領域の異なる4名の取り組みをご紹介しました。

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UPDATE:2025.9.2