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AI時代に、なぜTopエンジニアが必要なのか──Microsoft Top Partner Engineer Award 2026で過去最多10名が受賞

NECソリューションイノベータのエンジニア10名が、「Microsoft Top Partner Engineer Award 2026」を受賞しました。本アワードは、マイクロソフトのテクノロジーを活用し、お客様への価値提供やビジネスの推進に貢献したパートナー企業のエンジニア個人を表彰するものです。生成AIやAIエージェントの活用が広がる今、エンジニアにはどのような役割が求められるのでしょうか。本記事では、受賞者の中から4名に、受賞につながった取り組みと、AI時代におけるエンジニアの価値について聞きました。
Microsoft領域での存在感を高める、10名受賞の意味
「Microsoft Top Partner Engineer Award」は、2023年に新設された表彰制度です。例年春頃から募集が始まり、認定資格や案件での実績、コミュニティへの貢献度などを基準に選出されます。NECソリューションイノベータは制度開始当初より、本アワードに積極的に取り組んできました。2024年は3名、2025年は9名が受賞。そして今年、2026年は過去最多を更新する10名が受賞しました。
なぜ、NECソリューションイノベータは本アワードに力を入れているのでしょうか。DXサービス事業部門AIエージェント統括部 シニアプロフェッショナルの櫻井将一郎は、その背景を次のように話します。

DXサービス事業部門 AIエージェント統括部 シニアプロフェッショナル
「NECグループは長らく『AWSに強い会社』というイメージを持たれてきました。もちろんそれは間違いではありません。しかし私は、NECソリューションイノベータを『Azureに強い会社』としても、もっと知っていただきたいという思いを持っています。そのための一つの機会として、Microsoft Top Partner Engineer Awardは非常に重要です。受賞者を増やしていくことで社内外に向けて、Microsoft Azure領域における当社の存在感を示していきたいと考えています」(櫻井)
| カテゴリ | 受賞者 |
|---|---|
| AI Business Solutions | 島田 沙織 |
| 吉田 敏 | |
| Cloud and AI Platforms | 亀川 和史 |
| 櫻井 将一郎 | |
| 中沢 彰吾 | |
| 宮内 健佑 | |
| Security | 高橋 貞郎 |
| 戸部 嘉紀 | |
| 橋本 辰弥 | |
| 森 由恵 |
今回、インタビューに応じた4名の実績は以下の通りです。なお、櫻井は昨年に続く2度目の受賞、島田は2024年から3年連続の受賞となります。
櫻井 将一郎(DXサービス事業部門 AIエージェント統括部 シニアプロフェッショナル)
カテゴリ:Cloud and AI Platforms
実績:お客様が様々なアプリケーションを展開するガバナンスとセキュリティを兼ね備えたクラウド基盤「Azure Landing Zone」の全体アーキテクトを担当。ガードレールの整備など、アジリティの高い開発を支える環境づくりに取り組んだ。加えて、NEC社内の開発プラットフォーム「ソフトウェアファクトリー」のMicrosoft Azureへのクラウドシフトも推進した。
島田 沙織(DXサービス事業部門 AIエージェント統括部 ディレクター)
カテゴリ:AI Business Solutions
実績:Microsoft 365のデリバリを行うチームの中で、グループウェアなどの業務基盤やセキュリティの設計・構築を担当。官公庁のお客様がME3からME5へアップグレードするプロジェクトでは、IntuneやMicrosoft Purviewなど、セキュリティ機能の追加導入を支援した。その他、様々なお客様に向けてMicrosoft 365 Copilotワークショップを展開している。
中沢 彰吾(DXサービス事業部門 AIエージェント統括部 マネージャー)
カテゴリ:Cloud and AI Platforms
実績:櫻井と共に「Azure Landing Zone」プロジェクトに参加。プロジェクト立ち上げ後の設計・構築から、お客様が運用を進められる状態にするまで、チームマネジメントを担った。さらに、マイクロソフト社協賛による社内AIエージェント開発ハッカソンを企画・実行した。
森 由恵(DXテクノロジー事業部門 第二サイバーセキュリティ統括部 マネージャー)
カテゴリ:Security
実績:Microsoft Purviewを中心とした重要情報保護ソリューションについて、基本構想から導入・運用定着までを一気通貫で支援。Microsoft 365を利用しているものの、セキュリティ対策が十分に進んでいないお客様に対して、情報漏洩や内部不正を防ぐ仕組み作りを支援した。
「AI」と「Security」に表れる、技術領域の変化
Microsoft Top Partner Engineer Award 2026では、受賞カテゴリが見直されました。従来の5カテゴリが、「AI Business Solutions」「Cloud and AI Platforms」「Security」の3カテゴリに再編されています。
これまでのカテゴリは、「Azure Apps & Infra」や「Modern Work・Copilot」など、マイクロソフトのプロダクトに沿った区分となっていました。生成AIの普及を背景に、顧客企業の関心は個別製品の導入そのものではなく、AIを活用した業務変革やビジネス価値の創出へ移り変わり、「AI活用ソリューション」「クラウド・データ基盤」「セキュリティ」を推進するエンジニアが求められていることがうかがえます。
また、「Security」カテゴリが独立して残ったことにも意味があります。森は、AI活用が広がるほど、その前提となるセキュリティやガバナンスの重要性が高まると話します。
「企業がCopilotなどAIの活用を進めるほど、それを安全に使い、制御したいというニーズが高まっていきます。業務変革を加速させるAIも、その前提となるデータ保護・アクセス制御・ガバナンスがなければ安心して活用できません。今回、SecurityカテゴリにはAIという言葉が含まれていませんが、もはやセキュリティの議論からAIを切り離すことはできないと思っています。カテゴリがこのように整理されたのは自然な流れだと感じています」(森)

DXテクノロジー事業部門 第二サイバーセキュリティ統括部 マネージャー
これからの時代に求められるエンジニア力とは?
アワードのカテゴリが刷新され、「AI」が大きく打ち出されたことは、今後のエンジニアの役割を考えるという意味で重要な示唆を含んでいます。生成AIを用いた開発が広がる中で、エンジニアはどのような価値を発揮していくのか。中沢は「あくまで現時点でのイメージ」と前置きしたうえで、人が担うべきことはまだ多いと言います。
「生成AIはコード生成のように『正解があるもの』には明確な回答を出せます。お客様の環境を踏まえた最適なソリューションやアーキテクチャの検討といった、ドキュメントを読み込んでも明確な答えがすぐには見つからないような複雑な問いにはまだ対応しきれない部分があります。また、正しい回答を引き出すには、正しい問いかけが必要です。生成AIを適切に使いこなすためにも、知識と経験を積み上げたエンジニアが、今後も必要であることは変わらないと思います」(中沢)

DXサービス事業部門 AIエージェント統括部 マネージャー
では今後、システム開発のどの領域でAI活用が進み、エンジニアには何が求められるのでしょうか。櫻井は、コンサルティングや構想策定といった上流領域に加え、導入後の運用・改善を担うオペレーション領域の重要性も高まっていくと説明します。
「システム開発のプロセスでいえば、最初の要件定義やグランドデザインを策定する部分には、どうしても人間の判断が必要です。お客様の課題に向き合い、業務やシステムの全体像を描くアーキテクトの領域は、AIで情報を整理したり、ヒントを引き出したりすることはできても、主体はあくまで人間です。一方で、開発・テスト工程では、コード生成や設定処理、シナリオ立案など前工程の成果物をインプットしたうえで、AIに任せられる作業はどんどん増えていくと思います。その分、エンジニアには、構想を描く力に加えて、導入後にシステムをどう運用し、改善し、お客様の業務に定着させていくかという力がより求められるようになるのではないでしょうか」(櫻井)
実際に業務ではCopilotをはじめとした生成AIの活用が進んでいます。アイデア出しや資料作成、アウトプットの確認など、活用される場面は広がっています。
島田は、生成AI活用の変化を次のように説明します。
「昨年までは、議事録や資料作成、情報収集など“個人”の業務効率化にとどまっていました。しかし、今年はAIエージェントを用いたプロジェクト管理、ナレッジ活用、業務自動化など“組織”単位で業務そのものを変革する取り組みが本格化しています。今後はこれらの取り組みを横展開し、生成AIを組織の競争力向上に直結する基盤として活用していく考えです」(島田)

DXサービス事業部門 AIエージェント統括部 ディレクター
生成AIの活用が進めば、エンジニア一人ひとりの生産性向上が期待されます。では、AIを前提に働く時代に、若手エンジニアは何を意識すべきなのでしょうか。AIに頼るだけでは身につきにくい基礎力の重要性を櫻井は指摘します。
「気がかりなのは、AIがない時代は業務を通じて自然と身についていた情報の確からしさを見極める力や本質を理解する力が、今は意識しないと身につきにくくなっていることです。AIは強力な武器ですが、その回答が本当に適切かを判断するには技術的な理解が欠かせません。AIを使う力と同時に、AIを正しく評価できる力も身につけてほしいと思っています」(櫻井)
島田は、自ら試し、調べ、理解を深める姿勢が大切だと話します。
「設定して、動かして、うまくいかなければ『なぜだろう』と自ら調べる。その繰り返しが大切です。新しいものが次々にリリースされる中で、業務外の領域も含めて、いかに興味を持って自ら身につけていくかが、これまで以上に問われるようになっています」(島田)
中沢は、AI活用が進んでも最後に残るのは、お客様との直接のコミュニケーションだと言います。
「各種工程がAI化されていく中、より重要になってくるのはお客様とのコミュニケーションだと思っています。相手の気持ちを汲み取り、先読みして動くためのヒューマンスキルを大切にしてほしいと思います」(中沢)
また、若手世代ならではのAIとの向き合い方にも期待を寄せます。
「AI活用はむしろ若い世代の方が得意だと思っています。AIネイティブ世代の新しい発想を、ぜひNECグループに持ち込んでもらいたいです。私たち上の世代のエンジニアにAIの使いこなし方を教えてくれるくらいの気概を持ってほしいですね(笑)」(森)
幅広い現場の知見を組織の力に変え、AIエージェント時代の開発へ
今後ますます加速していく、システム開発現場でのAI活用。そんな時代においてNECソリューションイノベータの強みはどこにあるのでしょうか。
一つは、幅広い業種・業務に向き合ってきた経験によるドメインナレッジです。多くのお客様のプロジェクトに携わってきたからこそ、業種ごとの課題や、現場ごとに異なる制約を踏まえた知見が蓄積されています。さらに、構想策定からシステム構築、導入後の運用・改善までを一気通貫で支援できることも、AI時代のシステム開発において大きな強みになります。
櫻井は、こうした知見を個別のプロジェクトに閉じず、組織として共有していく取り組みが進んでいると言います。
「従来、Azureソリューションセンターが仮想組織としてMicrosoft AzureにおけるクラウドCoE(Cloud Center of Excellence/クラウド活用を全社レベルで推進するための専門家チーム)の役割を担ってきました。さらにAI時代の到来を受け、クラウドやオンプレミスといった技術領域の枠を超え、AI活用を全社横断で推進する実組織としてAI CoEが新設されています。今後、これまで以上に機動的に情報を収集・共有できるようになります」(櫻井)

櫻井はさらに今後の大きな取り組みとして、Agentic AIプラットフォームの構想にも触れます。2026年5月に一般提供が開始されたAIエージェントの管理・統制を実現するソリューション「Microsoft Agent 365」の登場により、企業がAIエージェントを安全に活用するための環境整備も進みつつあります。
「もちろん、まだ機能的には十分でない部分もあります。ただ、こうした仕組みの整備が進むことで、それぞれのお客様にとって最適化されたAIエージェントが自律的に連携し、それぞれの業務に適したエージェントが人のように役割を担う世界が実現できるようになっていくはずです。NECグループとしても、そうしたシステム開発に携わっていきたいと考えています」(櫻井)

<関連リンク>
NECグループのエンジニアが 「Microsoft Top Partner Engineer Award 2026」を受賞(2026年7月29日):PR TIMES |NEC