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AWS Top Engineers 受賞者5名に聞く──AI 時代に成長し続けるエンジニアの働き方

AWSに関する高い技術力と実績を持つエンジニアを表彰する「Japan AWS Top Engineers」。2026年度はNECソリューションイノベータから5人のエンジニアが選出されました。
「トップエンジニア」と聞くと、特別な才能を持つ人を思い浮かべるかもしれません。 しかし、話を聞く中で印象的だったのは、一人ひとりが日々の仕事や学び、社内外での出会いを通じて、自分なりの技術者像を築いてきた姿でした。AI時代に、技術者は何を学び、どのような環境で力を伸ばしていくのか。5人の言葉から、NECグループで働き学び続ける姿が見えてきました。
役割もリズムも異なる、それぞれの仕事の組み立て方
同じAWS領域で活躍する5人でも、日々の仕事の進め方や学びの時間のつくり方はそれぞれ異なります。まずは、自身の役割や生活のリズムに合わせながら、どのように仕事と技術に向き合っているのかを聞きました。
皆さんは日々どのように仕事を進めているのでしょうか。
田中 朝5時半に起きて、まずは瞑想で頭と心を整えるところから一日を始めます。朝は情報がまだ少なく、一人で集中しやすい時間です。その時間に考えを整理し、主要なタスクを進めています。日中はさまざまな案件の立ち上げに関わることが多いですね。関西、広島、九州、沖縄などの拠点に足を運び、現地のメンバーと一緒に取り組む機会もあります。案件を前に進めるだけでなく、各拠点のメンバーが動きやすい環境を整えることも、私の大事な役割だと感じています。

田中 拓摩(たなか・たくま)
2026 Japan AWS Top Engineers(AI/ML Data Engineer)
佐々木 私も朝5時に起きて、AWSの最新アップデートを確認するところから始めます。データベース関連のアップデートは日本時間の深夜から早朝に発表されることが多いので、朝のインプットは習慣になっています。最近は、AIを前提にした仕事の進め方に変わってきました。朝のうちにAIと当日のタスクを整理し、任せられる作業はAIに任せる。そのうえで、自分はインプットやアウトプット、AIが出した内容のレビューに時間を使うようにしています。AIに任せられることが増えた分、何を任せ、何を確認し、次に何を考えるかを決めることが自分の役割になってきていると感じています。

佐々木 航太(ささき・こうた)
2026 Japan AWS Ambassadors・2026 Japan AWS Top Engineers(Services)
お二人とも活動のスタートが早いですね。
好光 私は完全に夜型です。朝はAIに最新トレンドをまとめてもらい、それを後で確認するようにしています。日中は組織横断の活動が中心です。設計レビューや相談対応、AI活用の推進、会議など、日によって動き方は変わります。業務が一段落した夕方に、朝集めた情報を読み込み、そこから自身のブログテーマを考え、社内にどう適用できるかを検討しています。外の情報をそのまま追うだけでなく、自分たちの仕事にどう結びつけるかを考える時間にしています。

好光 泰章(よしみつ・やすあき)
2026 Japan AWS Top Engineers(Services)
加藤 朝はいくつかのプロジェクトのミーティングを行うことが多いです。その後は案件の企画や構想に携わり、立ち上がったプロジェクトの実装までを支援しています。最近は、まだ従来型の進め方が残っているプロジェクトに対して、どこでAIを活用できるかを一つひとつ試しています。単に「AIを使いましょう」と言うのではなく、実際にやって見せることで、現場の進め方を少しずつ変えていこうとしています。夕方以降は、社内外のコミュニティ運営や資料作成、クラウドを使った技術検証に時間を使うことが多いですね。

加藤 寛士(かとう・ひろし)
2026 Japan AWS Top Engineers(Services)
近藤 私はマネージャーとして、メンバーのフォローや設計に関する相談を受けることが多いです。午前中はデイリーのミーティングでプロジェクトの進行状況を把握し、その後、各タスクのレビューや設計内容の確認を行います。午後は、複数のプロジェクトのアーキテクチャの検討・設計に時間を使っています。自分で手を動かすだけでなく、メンバーが迷っているところを一緒に整理し、プロジェクト全体が良い方向に進むよう支えることも大きな役割だと思っています。

近藤 恭史(こんどう・たかふみ)
2026 Japan AWS Top Engineers(Services)
技術の外側にも目を向ける。AI時代に学び続けるための習慣
技術の変化が速い時代だからこそ、5人はAWSやAIの最新情報を追うだけでなく、技術の外側にある知識や経験にも意識を向けていました。視野を広げること、新たな関心を持ち続けることも、エンジニアとして成長するうえで大切な習慣になっています。
成長するために大切にしている習慣はありますか?
田中 AI技術そのものではなく、人間への理解を深めるような分野の書籍を読むようにしています。AIは人間を参考に発展してきた技術でもあるので、人間について理解することが、結果的にAIへの理解にもつながると考えています。AIが様々なことをできるようになる中で、人間にしかできないことは何かを考えるうえでも、技術以外の学びは大切だと思っています。
佐々木 私も意図的にAIから離れる時間を作っています。以前は新しい技術を追いかけることに時間を使うことが多かったのですが、最近は本を読んだり、新聞を読んだりする時間を増やしています。AI時代に何をすべきかを考えるようになり、歴史やリベラルアーツのような分野から学ぶことも重要だと感じるようになりました。技術の進化が速いからこそ、変わらないものを見極めることや、「本質を問う力」が大事になってくると思っています。

加藤 私も日常の外にある文化に触れることを意識しています。最近は一人で音楽フェスに出かけたり、一人焼肉を楽しんだりと、これまであまり経験してこなかったことを試しています。仕事や学習だけで視野を広げるのではなく、普段の生活圏とは違う場所に身を置くことで自分の中に新しい刺激を入れるようにしています。社内のものさしだけで考えていると、どうしても視野が狭くなってしまう。外に出て違う価値観に触れることは、自分の現在地を知るうえでも大切だと思っています。
仕事とプライベートのオンオフの切り替えはどのように意識していますか?
近藤 私は、土日は子どもたちのサッカーやバスケットボールの応援に行くことが多いです。家族との時間を大切にすることで、仕事とのバランスを取るようにしています。もちろん技術のキャッチアップも必要なので、業務前や合間の時間に技術ブログやSNSで発信されている情報をまとめて確認するようにしています。
好光 AIに触れ続けていると、どうしても仕事とプライベートの境目が曖昧になってしまうと感じています。家にいても、つい仕事の延長で考えてしまうことがありますし、時間をきっちり分けるのは、私自身あまり得意ではないかもしれません。だからこそ、自分の時間を意識して取ることは大切だと思っています。

挑戦を個人で終わらせない、学びの広がり
技術者としての成長を支えるのは、研修や資格取得支援だけではありません。自ら手を挙げて動き、社外に出て学び、実際に手を動かして試行錯誤する。さらに、多様なプロジェクトに関わる中で経験の幅も広げていくことができます。5人の話から、個人の挑戦が周囲の学びへとつながっていく様子が見えてきました。
皆さんが技術者として成長していく過程で、NECグループのどのような環境や文化が支えになりましたか。
加藤 「こうでなければならない」という一律の決まりに縛られるのではなく、組織ごとの状況に合わせて柔軟に決められる余地があることは大きいと思います。例えば、出社ルールも会社全体で一律に決めるのではなく、それぞれの組織に合った形を考えられる。そうした自由度の高さがあるからこそ、個人も主体的に動きやすいのだと感じます。AWSの資格試験費用を会社から全額補助されることも、学び続ける意欲を後押ししてくれました。

佐々木 社外に出て学べる機会があることも大きいですね。海外カンファレンスへの参加や、外部のユーザーグループで得た知見を社内に持ち帰ることで、外と中の良い文化を循環させることができます。世界の最新トレンドに触れる機会も多く、そうした環境は、成長の面では魅力的だと感じています。
田中 会社には、手を挙げれば挑戦できる懐の深さがあります。私が社外コミュニティの勉強会を立ち上げたときも、当時はまだ新しい取り組みでしたが、会社の後押しを受けながら活動できました。最初から成果を狙っていたというより、「こういう場が必要ではないか」と思って始めたものが、結果的に周囲にも広がっていった。失敗を過度に恐れずに挑戦できる、そうした経験が、自分自身の成長にもつながっていると感じています。

好光 田中さんが立ち上げた勉強会を見て、自組織でも同じような取り組みを始めました。当時はAWSにまだ触れたことがない人も多く、自らが感じたAWSの面白さを他の人にも知ってほしい、そんな思いがありました。私自身もかつて、社外のイベントやカンファレンスで、業界の著名な方々や、田中さん、佐々木さんのような社内のエンジニアと出会いました。「NECソリューションイノベータにはこんなにすごい人たちがいるんだ」と刺激を受けたことを覚えています。そうした交流ができたことは私にとって大きな財産ですし、自身もトップエンジニアを目指してみようと思うきっかけにもなりました。
今では若手が自分たちで立ち上げたコミュニティも増えています。そうした自発的な活動を会社に認めていただき、活動をサポートしてくれるというのは、積極的に挑戦したいエンジニアにとって成長しやすい環境だと思います。
スキルを試す場や業務を通じた成長実感についてはいかがですか?
好光 社内には私たちが「砂場」と呼んでいる環境があります。子どもが砂場で自由に遊ぶように、AWSやAIを実際に触りながら、新しいサービスを試作することや、アイデアを検証できる場所です。個人でその環境を用意するには費用面で負担がかかりますが、会社の環境として使えるからこそ、失敗を恐れずに思い切った試行錯誤ができます。
近藤 幅広い業種や規模のプロジェクトに関われることも、成長の機会として大きいと思います。公共インフラから身近な生活サービスまで、さまざまな領域でシステム開発に携わることができるのはNECグループで働く魅力ですね。自分が携わったシステムが社会基盤として実際に動いているのを目にすると、大きなやりがいを感じます。
AI時代に必要なのは、自分で問いを持ち続ける力
これからの技術者に、5人は何を伝えたいのか。AIの活用が当たり前になった今だからこそ、技術そのものだけでなく、学び方や周囲との関わり方も重要になっています。
AI時代を迎えた今、若手エンジニアにはどのような姿勢が求められると思いますか?
近藤 生成AIを活用することが当たり前の時代だからこそ、AIが出した結果をそのまま受け入れるのではなく、自ら判断し、自分の言葉で説明する力が一層重要になっています。常に新しい技術に興味を持ち、何にでも実際に触れてみること。好奇心がそうした力を養う第一歩だと思います。
好光 好奇心はとても大切ですよね。以前、先輩から「Joy of Work」という言葉をもらったことがありました。仕事を楽しむことは、技術を学び続けるうえでも大事です。最近は若手にも、自分がやりたいことやテーマを持ってほしいと伝えています。ただ、最初から明確なテーマを持てる人ばかりではありません。そういうときは、「今の仕事で何か困っていることはないか」「得意なことは何か」と問いかけ、一緒に考えるようにしています。いま抱えている業務にどんな課題があるのかを掘り下げていくと、自分なりの問いや関心が見えてくることもあります。そうやって、自分が面白いと思えるものを見つけていくことが、学び続ける力につながるのではないでしょうか。
加藤 私は新人時代に先輩から「プログラムは作った通りにしか動かない」と言われたことがあります。不具合が起きると「おかしい」「こんなはずない」と思ってしまうことがありますが、実際には設定した通り、作った通りに動いている。だからこそ、問題が起きたときに投げ出さず、ロジカルに解析する冷静さがエンジニアには必要です。 もう一つ若手に伝えているのは、人にすすめられたことは一度やってみる、ということです。知らないことは悪ではありませんが、知る機会を逃してしまうのはもったいないと思います。
佐々木 AI時代で技術の進化が速い中でも、変わらない基礎はあります。例えば、コンピュータが0と1の組み合わせで処理を行っていることは昔から変わりませんし、ネットワークの基本的な考え方も大きくは変わっていません。新しい技術を追うことも大切ですが、その土台にある仕組みを理解しているかどうかは、エンジニアとして大きな差になると思います。その一方で、AIがさまざまなタスクを担う時代だからこそ、これからのエンジニアには、システム全体を俯瞰する力や相手に合わせてわかりやすく伝えるコミュニケーション力が求められるようになってきていると思います。
田中 「若手だからここまで」といって、自分で限界を決める必要はないと思っています。むしろ、教えてもらう立場にとどまるのではなく、「先輩を使う」くらいの気持ちで動いてほしいですね。先輩に頼る、巻き込む。そうやって周囲と関わりながら自分がどう成長したいかを考えていくことが大切だと思います。会社に成長を委ねるのではなく、自分の意思を持って動ける人と一緒に切磋琢磨できると嬉しいですね。

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