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< 第2回 >
待ち時間解消の救世主
セルフチェックインシステム』

[事業による価値創造]

混雑解消で満足度を高める
次世代レンタカー店舗のかたち

[事業による価値創造]

混雑解消で満足度を高める、次世代レンタカー店舗のかたち

< 全3回 >

< 第2回 >

待ち時間解消の救世主
『セルフチェックインシステム』

左から
第三トランスポート・サービスソリューション統括部 船尾 明里
第三トランスポート・サービスソリューション統括部 石田 祐弥
株式会社トヨタレンタリース沖縄 総務部 次長 上地 義正 様
株式会社トヨタレンタリース沖縄 レンタル部 那覇空港シーサイド店 店長 仲宗根 大介 様
株式会社トヨタレンタリース沖縄 レンタル部 那覇空港シーサイド店 副店長 運道 聖太 様
以下敬称略

沖縄では観光客の増加に伴い、レンタカー利用者の長時間待ちが大きな課題となっていました。これを解消するために開発されたのが、『セルフチェックインシステム』です。 利用の流れはシンプルです。送迎バスで来店した利用者は、セルフチェックイン・有人窓口を選択。セルフを選んだ場合は、免許証をOCR(※1)で読み取り、顔認証で本人確認。料金はクレジットカード決済とタッチパネル署名で完了し、窓口で車の貸渡証と鍵を受け取り、出発。保険加入者は出発前の傷確認も不要となり、所要時間は大幅に短縮されました。

  • ※1
    印字された文字を読み取り、デジタルデータ化する技術。

この仕組みは那覇空港店でのトライアルから始まりました。石田は、「免許証の本人確認や偽造対策など、コア機能をセルフで実現できるかを中心に検証し、50回以上の改良を重ねました」と語ります。
船尾も「個人・法人のお客様の精算方法に、それぞれ対応したUI(※2)やマテリアルデザインの導入、免許証・カード挿入などの操作ガイダンスの改良を重ね、ユーザーの操作性を追求しました」と振り返ります。

  • ※2
    「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略で、ユーザーとサービス・製品との接点(タッチポイント)を指す言葉。例えばタッチパネルの場合、画像や文字、ボタン、入力フォームなど、操作画面でユーザーが目にするすべての要素がUIとなる。

その結果、那覇空港店での『セルフチェックインシステム』利用率は38%から44%へ上昇。空港と店舗間の送迎バス内での説明動画や店舗内の動線設計といった工夫も利用促進につながっています。その後、新設された那覇空港シーサイド店(以下、同店)にも導入し、利用率は現在、87%に達しています。同店の副店長、運道は「『セルフチェックインシステム』導入後は作業効率が上がり、 残業は半減しました。SNSでもスムーズに借りられる、との声が増え、嬉しく思います」と語ります。

現在、トヨタレンタリースの『セルフチェックインシステム』導入は、沖縄だけでなく全国に広がりをみせ、空港・新幹線駅併設店舗から導入が進んでいます。さらに、海外観光客の増加に合わせて多言語対応に対応し、2025年5月から全国展開が始まっています。
同店の店長、仲宗根は「お客様の利便性向上とスタッフの負担軽減に向け、今後も機能強化を進めていきます」と話し、石田も「改善を重ねる中で、お客様から直接感謝の言葉をいただけたことが何より印象に残っています」と振り返ります。

次回は「店舗省人化システム」プロジェクトのもう一つの柱である「『駐車位置管理システム』で環境にも人にもやさしい未来へ」をご紹介します。

プロジェクトのポイント

観光需要が高まる沖縄では、訪れる観光客の約65%がレンタカーを利用しており(※3)、空港周辺の店舗に利用が集中しています。特にトヨタレンタリース沖縄 那覇空港店では、繁忙期に受付業務が集中し、利用者は2時間以上待つこともあり、対応策が求められていました。この状況を改善するため、NECソリューションイノベータは、セルフチェックインと駐車位置管理を組み合わせた「店舗省人化システム」を開発し、2022年3月に新設された那覇空港シーサイド店に導入。これにより受付の混雑を緩和し、顧客満足度の向上とスタッフが安心して働ける環境づくりを実現しました。

  • ※3
    沖縄県「令和5年度観光統計実態調査報告書」より。

UPDATE:2025.12.04