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< 第2回 >
NICTとの連携が切り開いた
国内教育基盤

[事業による価値創造]

暮らしと社会を支える
サイバーセキュリティ教育

[事業による価値創造]

暮らしと社会を支える、サイバーセキュリティ教育

< 全3回 >

< 第2回 >

NICTとの連携が切り開いた
国内教育基盤

左:第一サイバーセキュリティ統括部 主任 樋口 由涼
中央:第一サイバーセキュリティ統括部 プロフェッショナル 藤本 万里子
右:NICT サイバーセキュリティネクサス 研究マネージャー 佐藤 公信 様
以下敬称略

NECソリューションイノベータがセキュリティ教育事業に本格的に取り組み始めたのは2021年。国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)が推進するサイバー演習基盤『CYROP(Cyber Range Open Platform)』のコンテンツ開発を受託したことがきっかけでした。
当時、日本のセキュリティ対策は海外技術に依存し、国内の人材やノウハウの不足が課題でした。サイバー攻撃の分析や対処には膨大なデータ収集と高度な解析力が必要ですが、対応可能な人材は限られており、自立的な防御力の不足が懸念されていました。

この状況を受けてNICTは2021年、「サイバーセキュリティネクサス(CYNEX)」を設立し、2022年には膨大なデータや知見を活用したサイバーセキュリティ人材を育成する共通基盤を提供開始。サイバー演習基盤『CYROP』は、教材や実機環境を柔軟に利用できる仕組みとして整備されました。

NICT サイバーセキュリティネクサス研究マネージャーの佐藤は次のように語ります。
「一般的なセキュリティ教育はカスタマイズの余地がないコースが多いですが、『CYROP』では各組織の目的に合わせて演習環境を自由に設計できます。セキュリティは実践的な学習が重要ですが、演習環境の整備・維持には大きなコストがかかります。その点、『CYROP』に参画する企業は、演習基盤を自社向けにカスタマイズし、最大60名が同時接続可能な環境を設定できる自由度の高さが特長です」。

NECソリューションイノベータは、演習コンテンツの開発業務の受託を通じて、コンテンツ開発や教育ノウハウの蓄積を進めてきました。2024年からは実機を活用した教育を開始し、企業や公的機関が現場に即したリアルな演習を体験できる取り組みを提供しています。
藤本は次のように振り返ります。「取り組みを継続する中で、当社も人材育成の重要性を強く認識しました。そこで『CYROP』のコンテンツや演習基盤を自社教育に取り入れ、さらには民間のお客様や公共機関にも提供する事業へと広げています」。

次回は「最新の攻撃に挑む。実践型人材育成の最前線」をご紹介します。

プロジェクトのポイント

サイバー攻撃は年々高度化し、医療機関のシステム障害による救急患者の受け入れ制限、交通機関の混乱、個人情報の不正利用など、市民生活への脅威は増す一方です。
しかし、日本ではこれらのサイバー攻撃に対応できる人材が不足しており、その影響は市民や企業だけでなく、国家の安全保障や経済基盤にも及んでいます。
このような状況の中、NECソリューションイノベータは国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)よりサイバーセキュリティ教育コンテンツ開発業務を受託し、NICTと連携して、防御力向上を目指した教育事業を展開。社会全体のセキュリティ基盤を強化し、深刻化するサイバー攻撃への対応力を高める取り組みを進めています。

UPDATE:2025.12.04

2025.12.15 公開予定
<第3回>
最新の攻撃に挑む。実践型人材育成の最前線