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< 第3回 >
最新の攻撃に挑む。
実践型人材育成の最前線
[事業による価値創造]
暮らしと社会を支える
サイバーセキュリティ教育

暮らしと社会を支える、サイバーセキュリティ教育

- 第1回 進化するサイバー攻撃に立ち向かう。社会を守る人材育成の必要性
- 第2回 NICTとの連携が切り開いた、国内教育基盤
- 第3回 最新の攻撃に挑む。実践型人材育成の最前線
最新の攻撃に挑む。
実践型人材育成の最前線

中央:NICT サイバーセキュリティネクサス 研究マネージャー 佐藤 公信 様
右:第一サイバーセキュリティ統括部 主任 樋口 由涼
以下敬称略
NECソリューションイノベータは、サイバー演習基盤『CYROP(Cyber Range Open Platform)(※)』のコンテンツ開発をきっかけにセキュリティ教育事業を本格化しました。社内教育の強化に加え、市民の生活を支える製造業や政府機関向けのプログラム、将来的には国際演習へと展開していきたいと考えています。サイバーセキュリティ人材の拡充・強化は日本の喫緊の課題であり、セキュリティ教育コンテンツの需要は急速に拡大しています。『CYROP』を活用したサービスは2024年に開始しましたが、開始直後から多数の申し込みが寄せられています。
藤本は「演習環境が整っており、マニュアルも充実しているため高く評価されています」と話します。特長は顧客ごとの業務環境に合わせたオーダーメイド設計も可能なことです。そして、最新の攻撃手法を模擬体験できるように設計されています。また、樋口は「重大な被害をもたらす典型的な攻撃は迅速に演習に含め、ログデータに攻撃痕跡を巧妙に紛れ込ませるなど、実際の現場を想定した工夫も重ねています」と補足します。
- ※国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)が整備したサイバー演習基盤。セキュリティ教育事業の実施を希望する民間業者や大学などの教育機関向けにオープン化されている。


さらに、工場やサプライチェーンを支える制御システムのセキュリティにも対応。操業や運転に影響を与えない形で現場に寄り添い、セキュリティ強化を進めています。教育には、ランサムウェア被害を受けた病院の実データも活用し、弱点の把握や被害拡大の教訓をリアルに学べる教材として活かしています。
しかし、サイバー攻撃が後を絶たない中でも「自分の組織は大丈夫」という過信が一部に根強く残っているのが現状です。NICT サイバーセキュリティネクサス研究マネージャーの佐藤は「『CYROP』では基本演習として、簡単なパスワード設定が引き起こす不正アクセスの対処法について学びます。基本を徹底することがサイバー攻撃から自身を守る鍵であると、セキュリティ担当者だけでなく一般社員にも意識してもらうことが重要だと考えます」と強調します。
NECソリューションイノベータは、市民の生活や安全を支えるインフラや組織をサイバー攻撃から守るために、お客様ごとに異なる業務環境に応じたコンテンツで、医療・製造・公共領域など多様な分野へサイバーセキュリティ人材の教育事業を拡大するほか、国内で培った知見を活かし、ASEAN諸国などの海外へサービス展開する予定です。実践的な教育を通じて市民の生活と社会基盤を守る人材を育成し、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献していきます。
| プロジェクトのポイント |
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サイバー攻撃は年々高度化し、医療機関のシステム障害による救急患者の受け入れ制限、交通機関の混乱、個人情報の不正利用など、市民生活への脅威は増す一方です。 |
UPDATE:2025.12.15

