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学会・研究成果発表

第92回日本産業衛生学会にて、
睡眠日誌アプリの研究成果が優秀演題賞を受賞しました

睡眠日誌アプリを保健指導に活用するには?

DATE:2019.05.24
研究テーマ:睡眠日誌

去る2019年5月24日、名古屋で開催された第92回産業衛生学会にて、睡眠日誌アプリの研究成果の発表をいたしました。学会の期間は5月23日から5月25日までだったのですが、私は自分の発表のとき以外は基本的に当社の企業出展ブースにて、展示物の説明員として立っておりました。お越しいただきました皆様、その節は大変ありがとうございました。

日本産業衛生学会は産業保健に関する国内最大の学術団体であり、今回の第92回の集会では、4700人以上の方が参加されたとのことです。

今回発表した演題は「「睡眠日誌」アプリを利用した睡眠に関する生活習慣指導の検討」というタイトルです。当社で研究開発し、一般公開している睡眠日誌アプリの利用データを分析し、このアプリを産業医や保健師の皆様などが実施する保健指導に役立てていただくことの検討を行ったという内容です。

今回の発表では、不眠に関する主訴があるアプリ利用者と、主訴が無いアプリ利用者の中で実施している割合に顕著に差がある睡眠に関する生活習慣を明らかにしました。例えば「布団の中で寝る以外の行動をする」というのは良くない睡眠習慣として知られていますが、これは主訴のあるアプリ利用者では75%が実施しているのに対し、主訴の無いアプリ利用者では30%が実施しているに留まりました。このように、睡眠のデータに応じて実施割合の多い生活習慣の実施状況が分かることにより、実際の保健指導の場面において、改善すべき睡眠習慣の当たりをつけることが可能になると考えられます。

また、睡眠日誌アプリの中で提供している睡眠のコラムについて、利用者がどのコラムを好んで読んでいるかということについても分析を実施し、例えば入眠困難の主訴がある方は入眠困難に効果的な情報が含まれているコラムを読む傾向があるなど、主訴に対応するコラムが読まれやすい傾向があることが分かりました。

このような内容が評価され、今回の発表は、優秀演題賞を受賞することが出来ました。座長の方からは「世の中に睡眠のアプリは多数あるが、正しい知識を提供する学術報告に値する、エビデンスのあるアプリは少ない。これからもこのようなアプリを広めていって欲しい」という趣旨のコメントをいただきました。今後とも、より多くの方に睡眠日誌アプリをお役立ていただけるように、機能の改善やプロモーションなど努力していきたいと思います。

来年度の第93回は北海道の旭川で開催されるそうです。来年度も何かの研究報告が出来るように準備していきたいと思います。

担当者紹介

研究テーマ:不眠改善支援
担当者:秋冨 穣
コメント:DNA配列解析からアワビの世話までやっている睡眠担当です。
連絡先:NECソリューションイノベータ株式会社 イノベーションラボラトリ cft-sleep-contact@nes.jp.nec.com