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学会・研究成果発表

環境配慮行動の継続を促す情報システム開発に関する基礎研究が情報処理学会論文誌に採択されました。

環境配慮行動に対する心理状況にあわせた介入の効果

DATE:2022.07.28
研究テーマ:資源循環高度化

私たちはこれまでに環境配慮行動に対する心理モデルの検討、および、心理状況にあわせた介入の効果を研究してきました[1,2,3,4]。昨年度、これら研究成果をまとめ、情報処理学会論文誌「情報システム論文」特集に投稿し、2022年5月に採択されました。

この論文では、以下の観点をまとめています。

  • 環境配慮行動に対する心理モデルの検討とその妥当性の検証
  • 心理モデルに基づく介入群分類方法の検討とその妥当性の検証
  • 心理モデルを活用した介入の設計およびその効果の検証
  • これら結果を踏まえた行動科学を活用したシステムデザインの検討

この研究の結果、私たちの検討してきた心理モデルに基づく介入によって環境配慮行動に対するモチベーションを高めることができることが確認されました。この論文では私たちが奈良県生駒市で実施している実証実験[5]を例にモデルの妥当性を検証していますが、さまざまな文脈で活用できる知見になっていると考えています。ぜひ論文を読んでいただければと思います。論文はnew windowコチラから確認いただけます。

参考:
[1]:江島直也,笹鹿裕司,日室聡仁,福井知宏,後藤 晶:日常の『ごみ出し』及びICTを活用した地域コミュニティの向上モデルの実証実験,情報コミュニケーション学会第17回全国大会,C1-4(2020).

[2]:日室聡仁,江島直也,笹鹿裕司,福井知宏,後藤 晶:日常のごみ出しを通じた地域コミュニティ向上活動における環境配慮行動の検証:ステージモデルの観点から,日本環境心理学会第14回大会(2021).

[3]:江島直也,日室聡仁,笹鹿祐司,後藤 晶:日常のゴミ出しを通した地域コミュニティ向上モデルにおける個人の志向を加味したフィードバックの検討,第20回情報科学技術フォーラム,O-021(2021).

[4]:日室聡仁,江島直也,笹鹿祐司,福井知宏,後藤 晶:日常のゴミ出しを通した地域コミュニティ向上モデルにおけるICTを活用したフィードバックの検討,情報処理学会第83回全国大会(2021)

[5]:NECソリューションイノベータ株式会社:アミタ(株),NECソリューションイノベータ(株)は,12/20より,奈良県生駒市にて「日常の『ごみ出し』を活用した地域コミュニティ向上モデル事業」の実証実験を共同で開始します(2019),https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/press/20191216/index.html

担当者紹介

研究テーマ:資源循環高度化
担当者:日室 聡仁
コメント:資源循環高度化PJを担当しています。今後も行動経済学や心理学とICTを組み合わせた面白い仕組みを実現していきたいと思います。
連絡先:NECソリューションイノベータ株式会社イノベーション推進本部デザイン・ラボ第2グループ
mebuki-thx-contact@nes.jp.nec.com