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関係人口アプリを宮城県栗原市で利用しました!

DATE:2021.04.14
研究テーマ:エンゲージメント
こんにちは、NECソリューションイノベータのファンです。
本日は、以前ご紹介した関係人口アプリを宮城県栗原市で利用しましたので、アプリの活用ついてご紹介していきます。
具体的には、アプリの利用方法及びアプリから得られたデータから、アプリ利用者の栗原市に関する関心を分析できないか検討いたしました。
アプリ利用
関係人口では、旅行先にて関心や興味を持った時にそれを書き留める機能があり、今回はそちらの機能を、おてつたびを通じて、栗原市に来ていただいた学生さん2人(仮名: A君, Bさん)に利用してもらいました。
学生さんは1週間ほど栗原市に滞在し、地元で行われるお祭り(万葉祭)の準備をしておりました。具体的には、お祭りで使う竈・土器作りや竹など自然由来の素材を使った食器を作るなど、自然を感じながら作業を行いました。また、市滞在中は街の商店街など、栗原市の様々な場所も見ていきました。
そこで、滞在時に興味・関心事があった時にアプリを通じて自身の関心事を記録してもらいました。
また、一日の終りにその日を振り返って、興味を持ったこと・地域をもっとより良くしていくための改善案など、地域に対する気持ちを登録してもらうなど、日記としても利用していただきました。関心の登録はテキスト・写真で行いました。
一日を振り返って自分の興味・関心事を記録として残して行くことで、地域に対する自分の考えを整理する時間を設ける事ができのではと思い、一日の最後に振り返りという形で興味・関心を登録してもらいました。
アプリ利用の結果
アプリを1週間ほど利用してもらった結果、45件の興味・関心の登録がありました。
登録されたテキストから学生さんの関心を分析するため、ワードクラウドと共起分析を行いましたので、その結果についてご紹介して行きます。
ワードクラウドは、文章中での頻出単語を選出し、頻度に応じて大きさや色、フォントなどを変えてテキストを可視化する手法です。重要度の高い単語は文章内で良く利用される可能性があるため、ワードクラウドを利用すると、興味・関心を見つける事ができるかもしれません。
ワードクラウドの結果は図1です。A君は商店街など栗原市の景観に関する言葉がよく利用されているのに対して、Bさんは食の関する言葉がよく利用されていました。同じ一週間を過ごしたとしても、同じ関心を持つこともあれば、違う関心を持つこともあることが読み取れます。

さて、共起分析についても見ていきましょう。共起分析とは、連続して出現する頻度が高い単語同士をネットワークの形で可視化することで、出現パターンの似た単語を見る事ができます。
共起分析の結果は図2です。共起分析において、2人に共通して出た傾向は、ポジティブな単語同士で利用されている事です。ポジティブな単語同士が良く利用されている事から、栗原市に対してポジティブな感情を持っている可能性があります。

また、食べ物に関する単語が高い頻度で登場していることから、2人とも栗原市の食について興味・関心を持っている可能性もあります。同じ食に関する話題でも、A君はおやつに関する文脈で使っているのに対して、Bさんは主食の文脈で使っているとも読み取れます。
まとめ
今回は、栗原市における関心アプリの利用と利用データの可視化について見てきました。可視化の結果からは、同じような興味・関心を持っている部分もあれば、似ているようで中身は全然違うもの(2人とも食に関心を持っていても、それぞれ別の食に関心を持っている)もありました。
地方活性化のために興味・関心を見ようとする時にアンケートで取ろうとすると、どうしても全体的な印象しか聞けません。ですが、関係人口アプリを利用することで、アンケートリサーチからは中々見ることができない、解像度の高い興味・関心を可視化できる可能性があります。
今後はアプリ利用者からのフィードバックを元に、関心アプリを改良し、より使いやすいものにして行きたいと考えております。そうすることにより、もっと多くの方に利用してもらい、地域活性化のためのデータを取得できたらなと考えています。
担当者紹介
研究テーマ:エンゲージメント
担当者:ファン タァンクァン
コメント:心理学の観点から組織論について研究を行っております。熱帯(ベトナム・ハノイ)出身で実家のパイナップル園と共に太陽に育てられたため、性格は明るい方です。趣味はテニス、読書とサーフィンです。
連絡先:NECソリューションイノベータ株式会社 イノベーション推進本部
