“会えない時代”の利益はこう作れ 見込み客を育てて成果につなげる営業術 | NECソリューションイノベータ

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“会えない時代”の利益はこう作れ
見込み客を育てて成果につなげる営業術
【第1回】見込み客を顧客へと進化させる営業手法

UPDATE : 2020.12.24

コロナ禍で成果を出す営業マンが実践している、次々と購買意欲の高い顧客を増やし受注につなげる営業術とは。

「コロナの感染拡大が止まらず対面営業はもう無理だ…」。

新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多と連日のように報じられる今、営業マンからは悲鳴のような声が聞かれています。特に法人営業では、飛び込みで訪問したり、新規顧客と接点を持つ機会だった見本市や展示会が中止になったり…など、これまで通りの方法でセールスを行えず、困っている営業マンも多いのではないでしょうか。

一方で、そうした情勢下においても成果を出している営業マンがいます。直接会わなくてもメールやSNSと活用し、次々と購買意欲の高い顧客を生み出し、受注に結びつけているのです。

この連載では、顧客に対面できないコロナ禍においても成果を出す営業手法について、3回にわたって解説します。

顧客に会わず成果を出す
リードナーチャリングとは

コロナ禍で戸惑う営業マンが注目すべきは、顧客に直接会わずとも成果につなげる「リードナーチャリング」と呼ばれる営業手法です。

リードナーチャリングとは、リード(見込み客)を段階的に育成するプロセス管理のことをいい、潜在的な顧客を受注に結び付けることが目的です。

まず、営業活動はリードジェネレーション(リードの獲得)から始まります。従来の営業活動は、獲得したリードをもとに営業リストを作成し、ニーズの高い顧客から優先的にアプローチしていくというのが基本でした。

これに対してリードナーチャリングは、ニーズの高い顧客にアプローチをしつつ購買意欲の低い顧客にもメール配信やSNSでの情報発信などによって継続的にアプローチし、対面せずに関係を構築しながら受注まで進展させることができます。

やみくもに営業活動をせずとも
効率よく成果を出せる

リードナーチャリングにおけるリード(見込み客)は、購入意欲が高まっている「ホットリード」と、現時点では購入までに時間を要する「コールドリード」に大別されます。

ホットリードへは、従来の営業活動でニーズの高い顧客に行っていたアプローチ方法を活かすことができますが、図のように顧客数は絞られてしまいます。

一方、コールドリードはすぐに購入へとつながるわけではありませんが、ホットリードと比べ顧客数が多いため、ニーズが高くないからといって何もアプローチをしないのは、大きな機会損失と言えます。

なぜなら数の多いコールドリードへ有益な情報を発信し続ければ、自社への興味関心が高まり、ホットリードへと育成することができます。顧客の状況に合わせた営業活動をすることで、コールドリードだった顧客はホットリードへと成長し、効率良く受注や購入へとつなげることができるのです。

特に、BtoBのような受注までの意思決定に長い時間を要することが多い製品やサービスでは、信頼関係を作り、継続していくことが不可欠です。リードナーチャリングではこのプロセスを、顧客に会わずに進めることができます。

見本市や展示会、セミナーからの新規顧客獲得が難しい今だからこそ、すでに獲得しているコールドリードをホットリードに育成し、受注へと進展させるリードナーチャリングは注目を集めているのです。

なぜリードナーチャリングが注目されるのか

営業マンがコロナ禍においても対面せずに顧客との関係構築ができる方法として、リードナーチャリングを紹介してきました。

会えない時代の営業方法ということで注目されていますが、リードナーチャリングが注目されているのは、コロナ禍だけが理由ではありません。確かに、リードナーチャリングは非対面で見込み客を育成できるという「新しい生活様式」ならではの利点があります。

しかし、それ以上にリードナーチャリングの必要性を高めているのは、インターネットの普及により顧客の購買活動が複雑になったためです。

インターネットを誰でも当たり前に利用できるようになった現在では、顧客自身で課題を解決するための情報収集を簡単に行えます。

たとえば、「新しいモニターが欲しい」と考えた顧客は、家電メーカーのサイトに掲載された情報だけでなく、SNSで発信されている口コミも購買の判断材料として扱います。また、通販サイトでは実際に商品を使用した顧客のレビューも掲載されており、商品・サービスに関する膨大な数の情報を顧客の手で収集することが可能となりました。

このような背景もあり、顧客は商品の比較・検討を慎重に行うため、購入の意思決定までの時間が長くなりました。一人ひとり検討する時間が長いということは、潜在的な顧客の総数が増大していると考えられます。

上記の理由から、ニーズや状況の異なる見込み客とコミュニケーションを行い、関係を構築して成果を出すためには、顧客の興味関心事項や職種、地域などに合わせて細分化したアプローチが必要となります。

顧客のニーズに合わせたアプローチ方法の一つとして、リードナーチャリングが注目されているのです。

まとめ

今回は、顧客と会わずとも成果につなげるリードナーチャリングについて解説しました。コロナ禍の営業スタイルとして効果の高い方法であるため、まだ試していない営業マンはぜひ取り組んでみてください。特に、リードナーチャリングは法人営業には最適です。

次回は、なぜリードナーチャリングが法人営業に向いているのかを解説します。