PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)は、クレジットカード業界のセキュリティ基準である。American Express、Discover、JCB、Mastercard、Visaの5社が共同で2006年に設立した、PCI SSC(Payment Card Industry Security Standards Council)によって運用・管理されている。
日本カード情報セキュリティ協議会のホームページでは、加盟店やサービスプロバイダにおいて、クレジットカード会員データを安全に取り扱うことを目的として策定されたと説明されている。以前は各カード会社が独自にリスク管理を行っていたが、この状況では加盟店は、カード会社ごとに異なる要求に応えなければならず負担が大きかった。また同時に、大規模なクレジットカード被害が発生するようになり、より強固な対策フレームワークが必要となりつつあったことが策定の理由である。
クレジットカードの番号漏えい、不正使用といった犯罪は社会的にも大きな問題であることから、経済産業省は割賦販売法を改正して対策を強化している。その中でも、各加盟店にはクレジットカード番号などの適切な管理として、情報の非保持化、あるいはPCI DSS準拠を義務付けている。