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多様な家族の在り方を認めるFamieeプロジェクトに賛同
NECソリューションイノベータのI&D の取り組み

多様性を受け入れて尊重し、すべての社員が本来持つ能力を最大限に発揮して、活躍できる環境を整える──。NECソリューションイノベータでは、このようなインクルージョン&ダイバーシティ(I&D)を推進するため、数々の施策を行ってきました。その1つが、「同性婚を含む事実婚を法的な婚姻と同等に扱う」という取組みです。2020年に社内規程を改定、さらに2023年12月からは、一般社団法人Famieeが発行する「パートナーシップ証明書」を家族関係証明書の対象に加え、よりスムーズに家族登録手続きが行えるようになりました。導入に至った経緯やこれまで取り組んできたI&Dの施策について、人財企画部 I&D推進室の打谷実希に聞きました。
- ※NECグループにおいて、インクルージョン&ダイバーシティとは経営/事業における成長戦略そのものです。NECグループでは、インクルージョンが発揮されて初めてダイバーシティに価値があることを強調するために、あえてインクルージョンをダイバーシティの前に置いています。
Famieeのパートナーシップ証明書によって
家族登録の手続きがスムーズに
NECソリューションイノベータでは、以前から「同性婚も法律婚と同等に扱う」という規程を定めています。家族登録をするにはどのような書類を提出する必要があったのでしょうか。
打谷 日本国内に在住している場合は、同居していることがわかる住民票か各自治体が発行しているパートナーシップ証明書のどちらかが必要で、それがない場合は会社に公正証書等を提出して証明する必要がありました。パートナーシップ制度を施行している自治体は400弱とわずかで、居住エリアの自治体が対応していないと公正証書を用意してもらうしかありません(2024年1月16日時点で導入自治体は387)。公正証書の作成はハードルが高く、以前から家族登録を認められる他の良い方法がないか模索していました。問い合わせのあった社員からは、住んでいる自治体が制度に対応しておらず、落胆したという声も寄せられており、何か打ち手がほしいと思っていたのです。
そんな時、ある社員が一般社団法人Famieeの代表の方と知り合いになり、それがきっかけでFamieeの発行するパートナーシップ証明書の導入に至りました。ブロックチェーンを使った技術ということもあり、会社としては、ITやテクノロジーの力で世の中を変えていこう、というFamieeの世界観に賛同しています。

Famieeが発行する「パートナーシップ証明書」について詳しく教えてください。
打谷 スマホのアプリで個人情報と戸籍謄本を登録することで、地方自治体が発行するパートナーシップ証明書に相当する書面を無料で発行できる、オンラインのサービスです。2人揃って役所に出向くことはアウティングにもつながり、躊躇する方もいらっしゃるでしょうし、先ほどお伝えしたような、パートナーシップ証明書に対応していない自治体に住んでいる社員も使うことができるので導入を決めました。このサービスはブロックチェーン技術を活用しており、改ざんができない点も信頼できると当社の技術系スタッフから説明を受けています。
NECソリューションイノベータの社員として家族登録をすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
打谷 一般的な婚姻関係を結んでいる社員と同じ福利厚生を受けることができます。例えば、家族もカフェテリアプランをはじめとした福利厚生を使えるようになります。同性婚の社員の中には、結婚休暇を喜んでくれる人もいました。また、パートナーの連絡先をご家族の緊急連絡先として登録するといった、本来できて当たり前のことが可能になります。このようなことを一つひとつ整備することで、一人ひとりの社員の実態に合った働き方を実現できれば、と思っています。

これまで取り組んできた女性活躍から
広い意味での多様性に舵を切る
NECソリューションイノベータでは、パートナーシップ証明書だけでなく、他にも多くのLGBTQ+に関する取り組みを行なっています。
打谷 2022年12月には、婚姻の平等(同性婚の法制化)に賛同する企業を可視化するためのキャンペーン「Business for Marriage Equality(ビジマリ)」に参画しました。事実婚について調べる中で、会社として共感できる取り組みには積極的に名を連ねていこうという考えで、活動の幅が広がるかもしれないという期待と共に参画させていただきました。ビジマリへの登録を通して、2023年のG7広島サミットで提出した「同性婚を法律として認めよう」という賛同書にも参加しています。

2023年4月には、代々木公園周辺で開催されているイベント「東京レインボープライド2023」にスポンサーとして参画しています。
打谷 昨年はNECグループの有志社員がパレードに参加しました。今年も当社は3年連続でスポンサーとしての参画します。当社のレインボーカラーのロゴ入りTシャツを着てパレードに参加しますが、LGBTQ+に対して理解のある会社だということを社外にもアピールできる良い機会だと捉えています。お祭りのような活気のあるイベントなので純粋に楽しいですし、今年はより多くの社員にもぜひ参加してほしいと思っています。間接的な効果として、このようなイベントへの参加が社員のエンゲージメント向上にもつながればと思っています。
2024年には新木場本社ビルにジェンダーレストイレも導入されるなど、ここ数年でI&Dの中でもLGBTQ+関連の施策が加速している印象を受けます。
打谷 ダイバーシティ施策というと女性活躍を思い浮かべる方が多いかもしれませんし、我々もジェンダー平等は重要テーマとして取り組んでいますが、2023年にLGBT理解増進法が成立したこともありますし、私たちが目指しているのは多様な人が自分らしく活躍できることです。LGBTQ+に関する取り組みを評価する「PRIDE指標」では、2年連続で最高評価のゴールドを受賞することができました。
女性管理職比率の向上に関してはまだ道半ばではありますが、これまでの施策を評価していただき、ダイバーシティ&インクルージョンに取り組む企業を認定する日本最大のアワード「D&I AWARD」で、最高位のベストワークプレース賞を3年連続で受賞しています。
あらゆる多様性を受け入れることで
企業としての可能性を広げていきたい
最後に、I&Dにおける今後の展望について教えてください。
打谷 LGBTQ+は、あくまでも多様性の中の1つの側面に過ぎません。これからは、LGBTQ+などのセクシュアリティだけでなく、経験や価値観など、あらゆる多様性を受け入れられなければ、会社として将来的に立ち行かなくなっていくと強く感じています。
本来I&Dにおいて取り組まなければいけないのは”知と経験の多様性”の受容であり、そこを目指しながらも、まだフォーカスすべきジェンダー平等やLGBTQ+等にも並行して取り組んでいきます。
LGBTQ+に関しては、昨年「LGBTQアライの顔の見える相談窓口」を設置しました。社内サイトに担当者のメーリングリストだけが載っている形だと、問い合わせに躊躇するのではと考え、私たちスタッフの顔写真と個人のメールアドレスや自己紹介を載せることで心理的なハードルを下げるようにしました。今後はこのような細かな工夫も含めて施策を継続的に行っていくことで、I&Dの取り組みを浸透させ、様々な視点を持った方が集う企業にしていきたいですね。

UPDATE:2024.2.27