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将来世代の「生きる力」を育むためのボランティア活動
ICTリテラシー講座の活動実績は全国トップクラス

「e-ネットキャラバン」は、児童生徒、その保護者・教職員を対象に講座を開催し、子供たちがインターネットを安心・安全に利用するために必要なリテラシーを身につけてもらうための啓発活動です。総務省および文部科学省の支援を得て、一般財団法人マルチメディア振興センターが運営しています。NECソリューションイノベータは2016年より協力しており、2024年6月時点で約110人の社員が認定講師に登録し、ボランティアとして活動。これまでに16人が、エキスパートとして運営事務局より感謝状を授与されています。その1人であるIT・業務改革推進部 主任の林恵理子に、e-ネットキャラバンに参加する意義や活動の内容について聞きました。

600超の講座を行い、活動実績は全国トップクラス

安全・安心なデジタル社会を作るためには、一人ひとりがICTツールを適切に利活用していくことが求められています。NECソリューションイノベータでは、これからの社会を担う将来世代のICTリテラシー向上に貢献するため、企業市民活動の一環として2016年よりe-ネットキャラバン活動の協力を開始しました。

講座では、インターネットを使用するうえでの注意点やポイントについて、具体的な事例や再現動画を交えながら伝えています。これまでに当社は600を超える講座をボランティア活動として引き受け、延べ65,000人超の児童生徒、16,000人超の保護者や教職員の情報リテラシー教育に貢献してきました。これはNECグループ全体の活動実績の半数以上を占めており、一企業の活動実績としても全国トップクラスです。

東京2020オリンピック・パラリンピックのボランティア熱に背中を押されて始めた認定講師

実際に活動に参加し、積極的に出張講座を行っている林は、「始めたきっかけは東京オリンピックだった」と話します。

「普段は情報システム部門の予算管理に携わっています。社内のシステムやインターネット環境などの構築・運用費用の予算を立てたり、実績や見込みを会社の業績に反映させるのが主な業務です。ノウハウや知識などの専門性が上がるものの、実際の作業は個人で粛々と取り組むことが多いため、もっと視野を広げ、人と関わることをしてみたいと思うようになりました。そんな時に社内イントラネットでe-ネットキャラバン講師のボランティア募集を見つけました。ちょうど東京オリンピックを控えて社会的にボランティア熱が高まっていた頃で、自分にもやれるかどうかわからないけれど、参加してみようと。ただ、それまで人前で話す機会が少なかったので、最初は戸惑いました」(林)

IT・業務改革推進部 主任 林恵理子 ※現在、NECビジネスインテリジェンスに出向中

e-ネットキャラバンでは、講座で使用する教材は提供されるものの、トークの進め方や用いる事例、再現動画などの選択は認定講師に委ねられます。

「運営事務局のWebサイトで募集を見て、私たち講師が事務局に応募しますが、講座の実施が決まるとそこからは直接学校様とのやり取りになります。強調したい部分を伺い、それを元に教材を組み立てていきます。たとえばいじめ防止に注力してほしいという要望が出たら、ネットが引き起こすいじめの再現動画や事例を多めに入れたり。多くはすでに先生が話していらっしゃることなので子どもたちは知っていますが、校外から行く人間が伝えることで説得性が増し、貴重だというお声をいただいています」(林)

講師を務める講座は年に7、8回ほど。小学生が長期休暇に入る前は開催数が増えるといいます。7月上旬には東京都・葛飾区立花の木小学校の3年生と6年生を対象に、それぞれ45分間の講座を行いました。数年にわたって講座を開催しているという花の木小学校の平野主任教諭は、「子どもたちにとってe-ネットキャラバンは非常に意義のあること」と話します。

「授業では1人1台タブレットを使っていますし、子どもたちの多くはプライベートでもインターネットに接続できる何かしらの端末を所有しています。そのため、教職員もインターネットの正しい使い方については常日頃から教えていますが、e-ネットキャラバンのように外部から専門性の高い講師の方が来て教材と映像で説明してくださると、子どもたちは一気に引き込まれるようです。今回の講座も“インターネットの7つの危険”と題して、子どもたちに気をつけてもらいたいことをしっかり網羅して話してくださって、多すぎず少なすぎず、ちょうど良い内容だと感じました」(平野主任教諭)

東京都・葛飾区立花の木小学校 平野主任教諭

講師を務めた林は、情報に過不足がないかを気にしつつ、授業時間の45分間で収めることに常々苦戦していると言いますが、その努力は業務においても実を結びつつあります。

「プレゼンの度胸はつきましたね。お子さんと対峙しているので、言葉選びや伝える内容についてお子さんがどう受け止めてくれるのか、伝わっているのかという点を絶えず考えるようになりました。業務における課題改善についても、私自身が想定する問題はこれだが、相手は本当にその問題で困っているのだろうかと相手の視点で考える習慣がつきました。そういった面で業務にいい影響を与えています。もう1つ業務に活きていることがコミュニケーションです。生徒さんもそうですが、学校の先生方とのやり取りも多いですし、同じボランティア仲間とのつながりもできました。e-ネットキャラバンの活動を機に東京マラソンなどのボランティアにも参加するようになり、NECグループの中で人脈が広がっています。グループ内に知り合いが増えるということは以前にはなかった強みで、世界が広がりました」(林)

ボランティア活動を通して将来世代の「生きる力」を育みたい

事業支援部 主任の平野智也は、企業市民活動全般の企画運営を担当。経営陣から社員まで一人ひとりが、ボランティア活動を通して社会課題への感度を高め、中長期的な社会課題の解決に貢献していくことを目指しています。e-ネットキャラバンでは運営事務局との窓口を担当し、林をはじめとした社内講師との橋渡しを行っています。この活動を始めてからの社内や社員の変化についてこう話します。

「講師として活動している社員を対象としたアンケートの結果から、プレゼンスキルの向上や人脈の広がり、会社に誇りを持てるなど、本業とはまた違った形での成長やモチベーションの向上を実感していることがわかりました。依頼元である学校とのつながりを通して、プログラミング教室などに活動の場を広げている社員もいます。

事業支援部 主任 平野智也

活動を通して気づきを得たり、スキルやモチベーションを高めたりすることは、事業活動への良いフィードバックにもつながります。活動にあたっては、複数の講師が分担して対応するパターンもあり、地域や部門、組織を超えたコミュニケーションや応受援により、風通しの良い組織づくりのきっかけにもなっています。また、運営事務局からは、一企業で100人以上の講師登録があること、会社窓口を設置して一元的に対応していることなど、全国的に見ても充実した体制と機能構築について評価いただいています」(平野)

NECソリューションイノベータでは、プログラミング教室や、最新技術やオフィスの見学体験といったFR(Future Generations Relations)活動も推進しています。「FR」とは、株主や投資家向けに行う活動「IR(Investor Relations)」に対する造語。FR活動は、将来世代(Future Generations)と対話し関係性を築く活動を意味しています。

「小学生を対象としたプログラミング教室では、ビジュアルプログラミング言語のScratchやViscuit、プログラミングロボットKUBOを使い、実際にプログラム作りを体験してもらうことで、プログラミングの楽しさを伝えています。1人のボランティア社員が2~3人のお子様をサポートできるよう、手厚い体制を心掛けています」(平野)

NECソリューションイノベータの中で広がりを見せる、FR活動。会社として、中長期的に将来世代の「生きる力」を育む一助となれるよう、今後も積極的に取り組んでいきます。

  • 記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 「Scratch」は MITメディア・ラボのライフロング・キンダーガーテン・グループによって開発されたプロブラミング言語です。
    https://scratch.mit.edu


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UPDATE:2024.08.07