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文書管理とは|管理方法や効果だけでなくシステムを使った場合のメリットやおすすめシステムをご紹介
企業には契約書、社内稟議書、労務系の書類など多くの書類があります。誰でも探しているファイルがすぐに見つけられないという経験をしたことがあるはずです。書類を置いておくだけでは「文書管理」をしていることにはなりません。また他の業務が忙しく文書管理をなおざりにしていると、情報漏洩など企業にとって大きな損失にも繋がっていきます。
この記事では文書管理の目的や方法、得られる効果、またシステムを使用した文書管理で得られるメリットについてご紹介していきます。ぜひ最後まで読んで文書管理の重要性を知ってください。
文書管理とは
文書管理とは、「会社情報や顧客情報など社内の様々な文書の管理活動をすること」です。ただ書類を保管しておけばいいのではなく、文書の作成から活用・処理・伝達、保管、保存、破棄の流れ(文書のライフサイクル)に沿って適切に管理することをいいます。
管理する文書には、人事・労務系の書類や契約書、製品の設計図といったビジネスデータなどがあります。また文書は紙や電子など、形式は関係ありません。文書管理ができていない場合、文書を探す手間がかかることで無駄なコストに繋がったり、情報漏洩や重要な文書が喪失してしまう可能性が生まれてしまいます。
文書管理の目的
文書管理の目的は大きく2つあります。
まず1つ目の目的は「コンプライアンスの強化」です。企業は法律や社会的な責任を負うため、機密情報や個人情報といった守秘義務のある文書を保管・保存する必要があります。もしこれらの文書が外部に流出すれば、企業の信頼が大きく失われるだけでなく損害賠償責任、場合によっては刑事罰が科されることもあるでしょう。文書管理を適切に行うことで文書の保管場所や利用者などが明確になるので、情報漏洩を防ぐことができます。
もう1つの目的は「業務の効率化」です。仮に1日のうち書類を探す時間を20分とした場合、1年間に換算すると約80時間に相当します。文書管理が適切に行われていれば探す手間が省け、この時間を大幅に削減できるはずです。また文書がすぐに閲覧できることによって、業務遂行に必要な情報やナレッジを従業員同士で共有し有効活用することができます。
文書管理はDX推進においても重要なポイントとなる
文書管理は管理システムを取り入れることによって、DX推進のきっかけにもなります。2022年1月から改正電子帳簿保存法が施行されたことにより、「文書の電子化」がますます加速しています。
DXとは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」経済産業省のDX推進ガイドラインではDXをこのように定義づけています。つまり文書管理システムによって文書を電子化して管理することそのものが企業のDX推進の第一歩になるのです。
もちろん文書管理という一部のシステム化や文書を電子化しただけではDXにはなりません。文書管理システムを足掛かりに企業全体のデジタル化を進め、顧客に新しいサービスや価値を提供することが重要であることを知っておきましょう。
文書管理の方法
文書紛失のリスクを減らし、業務を効率化できる適切な文書管理を行うためには、以下の方法に沿って作業を進めていくことが大切です。ここからは文書管理の方法について具体的に解説します。
(文書管理の方法は、会社の規模などによって様々なアプローチがあります。以下に記載する方法は例示としてご参考ください。)
【文書管理の方法】
- 文書管理のルール・マニュアルを決める
- 文書を社内の規模に合わせて分類する
- ファイリングシステムを活用して管理する
- 文書管理システムなどのツールを活用して管理する
文書管理のルール・マニュアルを決める
文書管理を適切に行うには、社内全体で統一されたルール(文書管理規程)やマニュアルが必要になります。同じルールを社員が共有できれば、違う部署同士での情報共有もスムーズになるはずです。
文書管理規程を作成するには項目の策定が重要です。文書管理規程に明示すべきは「適用範囲」「保管・参照・編集」「廃棄」「罰則・改廃」などの項目です。
- 適用範囲の項目…文書管理規程が適用される範囲は紙媒体だけなのか、電子も含むのかといったルール
- 保管、参照、編集の項目…複製物の取り扱いや保管期限、保管場所、ファイルの命名の仕方などのルール
- 廃棄の項目…廃棄の手順、方法などのルール
- 罰則や改廃の項目…規程に違反したときの罰則や、規程の改正や廃止の方法に関するルール
文書管理規程は総務部門が主となって管轄します。ただし電子文書に関しては情報システム部門と協力すれば、情報セキュリティ面でより強固な文書管理を進められるでしょう。
文書を社内の規模に合わせて分類する
効率的な文書管理を行うためには「重要」「一般」や「部署別」「顧客別」など、用途に合わせて分類しましょう。文書を分類すると管理しやすいことはもちろん、検索もしやすくなり業務を効率化できます。分類方法には2つのパターンがあります。
ワリツケ式…総務部など社内の文書を管轄する部門が「大分類>中分類>小分類」といったトップダウン方式で分類する方法
ツミアゲ式…実務担当者が「小分類→中分類→大分類」にグループ分けしていく方法
ワリツケ式 | ツミアゲ式 | |
---|---|---|
概要 | あらかじめ決めた分類方法に従う | 実際に使う人が便利なように分類する |
トップダウン方式 | ボトムアップ方式 | |
メリット | 同じ基準で整理するため、組織的に統一できる | 実態に沿って文書を分類できる |
スピーディーに分類できる | ||
デメリット | 基準作りに時間がかかる | 書類すべてに目を通して分類するので、時間がかかる |
実態とずれる可能性が高い | ||
分類に収まりきらない文書も多く存在するために形骸化しがち |
ファイリングシステムを活用して管理する
ファイリングシステムの活用は文書のライフサイクルに沿った文書の管理が可能になります。ファイリングシステムには使用するフォルダの種類などによって方式が異なります。代表的な3つの方式をご紹介しましょう。
【バーティカル方式】
書類を種類ごとにクリアファイルに収め、キャビネットやファイリングボックスに垂直に保管する方法です。書類を綴じないので出し入れしやすいのがメリットですが、書類を紛失しやすいことがデメリットです。
【バインダー方式】
バインダーや厚型ファイルに書類を綴じる方法です。年代別や種類別に分類すれば、検索性が高くなります。ただし書類の枚数に関係なく、バインダーのサイズに合わせた保管場所が必要です。
【ボックス方式】
書類を挟み込んだフォルダをボックスファイルに保管する方法です。必要なボックスを自分のデスクなどに持ち運びできて便利ですが、フォルダとボックスの2つを使用するためコストがかかるというのが難点です。
文書管理システムなどのツールを活用して管理
文書管理をより効率的に行うために、文書管理システムは非常にいい手段です。文書管理システムとは電子化した文書を「文書のライフサイクル」に沿って一元で管理できるサービスです。手作業での文書の分類や保管、破棄には非常に時間がかかります。しかしシステムを利用すればすべてがデジタル上でスピーディーになり、ペーパーレス化も実現可能です。
文書管理システムにはおもに以下のような機能があります。
- 文書の電子化・管理機能
- 検索・閲覧機能
- バージョン管理機能
- セキュリティ機能(アクセス権限など)
- 保管期限、更新日の管理機能
- 書類の申請・承認などワークフロー機能
このように文書管理システムは文書を保管するだけでなく、保管期限がきた文書を自動廃棄したり、セキュリティレベルの高い文書にはアクセス権限をつけたりすることができます。
文書管理を行うことで得られる効果
文書はただ保管・保存するだけでなく、適切な文書管理をすることで多くの効果が得られます。
【文書管理を行うことで得られる効果】
- 業務が効率化する
- 書類紛失のリスクを軽減できる
- 業務の透明性を確保できる・適切な情報を入手できる
- 情報入手のスピードがアップする
社員個人が行う文書管理は、文書を整理して使いやすくしているだけであって、社員間で情報やナレッジを共有することには結び付きません。文書管理は企業全体で取り組むことによって、大きな成果を得ることができるのです。
業務が効率化する
先にも述べましたが、1人当たりが書類を探す時間は年間80時間といわれています。必要な文書がどこにあるかわからない状態だと、探し出すのに時間がかかってしまいます。しかし文書の種類別に分類し管理しておけば、すぐに取り出せるようになり業務の効率化に繋がります。
また文書管理システムを利用すれば、特定の人しか知らないような情報やナレッジを全従業員が共有できるようになり、業務の効率化や業務の質を高めることになるはずです。
書類紛失のリスクを軽減できる
文書管理をすることによって文書の紛失や流出、誤廃棄を防ぐことができます。個人情報などの重大な書類を紛失や流出してしまうと、顧客や取引先からの信頼を損なうばかりではなく、損害賠償責任など会社にとって大きな損失をもたらす可能性があります。
文書管理システムは文書ごとにアクセス権限を設定したり文書の暗号化をしたりすることで、データの持ち出しや改ざんに対応可能です。また文書をバックアップしておくことで、事故や災害が起きても文書を復元し、業務を行うことができます。
業務の透明性を確保できる・適切な情報を入手できる
文書の保管場所やどのような文書を保管しているのか把握することで、知的財産や個人情報などの情報漏洩や紛失を防ぎ、業務の透明性を確保することができます。また文書管理をすると様々な文書を蓄積・保管し、いつでも必要な情報をすぐに取り出すことができます。これにより顧客クレームや商品トラブルが起きても、すぐに情報を取り出して顧客への説明責任を果たすことができます。このようにスピーディーに確実なコンプライアンス対応ができ、内部統制を強化することが可能です。
情報入手のスピードがアップする
文書管理システムに人事・労務系の書類や契約書、製品の設計図といったビジネスデータといったあらゆる文書を登録しておけば、必要な情報がいつでも簡単に取り出すことができます。
文書管理システムに保存された文書はシステム内でフォルダごとに保存されているので、検索機能を使えば必要な文書をスピーディーに見つけられます。完全一致検索はもちろんのこと、あいまい検索にも対応しているシステムも多いです。名前がはっきりとわからない資料が紙ベースだと、それらしい保管場所を全て探し回らなくてはいけません。ところが文書管理システムを使えば、検索してすぐに閲覧することができます。
文書管理はシステムを使って行うのがおすすめ
文書管理には文書管理システムを利用するのがおすすめです。
電子化した文書を保存するには、ほかにもファイルサーバを利用する方法がありますが、文書管理システムは文書を保存するだけでなく、管理するための機能が十分に備わっています。
- 文書アクセス権限機能
- 文書バージョン管理機能
ファイルサーバでもアクセス権限を設定することはできますが、文書管理システムは文書の閲覧者・更新者を限定するだけでなく、万が一情報が漏洩しても誰がいつ参照したのか履歴が残るため、容易に追跡することができるのです。また文書は同じ見出しの古い資料と新しい資料が混在していることがあります。文書管理システムはバージョン管理機能があり、同じ見出しの文書が複数あっても最新バージョンにアクセスでき、更新されても履歴を確認することが可能です。そのため、古い資料を間違って使うのを回避することができます。
文書管理システムの利用はセキュリティの強化と企業内で正しい情報を共有することに繋がります。
文書管理システムを活用するメリット
文書管理システムは検索機能やアクセス権限機能など、今までの文書管理にはない機能によって業務を効率化できるだけでなく、活用することによって以下のようなメリットが得られます。
- ペーパーレス化によりコストを削減できる
- 保管スペースが不要
- 電子帳簿保存法に合わせて保存・管理することも可能
ペーパーレス化によりコストを削減できる
文書管理システムによって、印刷のコスト削減に繋がります。書類の印刷そのものがコストなので、印刷に必要な用紙やインクといったコストを削減することができます。印刷に必要な物など企業で使う消耗品のコストは「オフィスの4大コスト」の1つで、企業を運営するコストのなかでも大きな割合を占めています。ペーパーレス化が進めば、劇的なコスト削減を実現できるはずです。
保管スペースが不要
文書によっては3年、5年なかには10年など長期にわたって保管が必要なものがあります。当然それらは保管期限がくるまで保管しなくてはならず、紙の文書では大きな保管スペースを占有することになります。文書管理システムは全ての文書がデータ化され、物理的なスペースを取ることはありません。また資料を保管するのに必要なキャビネットやファイル、保管箱などの保管に必要な備品も不要になるのでコスト削減にもなります。ペーパーレス化することは備品代のコスト削減とオフィススペースの有効活用に繋がります。
電子帳簿保存法に合わせて保存・管理することも可能
2022年1月に電子帳簿保存法の改正がありました。電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類を電子データ等により、保存する方法について定めた法律です。2022年度には一部の要件が緩和されたことで、データ保管できる重要書類が増え、電子帳簿保存法に対応したシステム運用がしやすくなりました。つまり今まで紙ベースでしか保存・管理できなかった重要書類がデータ化できることで、より安全かつ効率よく管理することができます。
また電子帳簿保存法に対応した保存・管理が可能になると、「働き方改革の推進」に繋がります。例えば紙ベースの書類の確認や資料作成のためにわざわざ出社しなくてはいけなかった業務が、リモートワークでもできるようになります。
おすすめの文書管理システム「PROCENTER/C」
NECの「PROCENTER/C」は、情報共有に優れた文書管理システムです。「PROCENTER/C」の情報共有には大きな3つの特長があります。
PROCENTER/Cの1つ目の特長は情報共有の安全性です。ユーザーごとに該当情報に対する閲覧・書込・削除の権限を設定できます。またファイルをロックしたり、ダウンロード時に暗号化したりすることで印刷や改ざんを防止可能です。セキュリティ面の劇的な強化によって、安心して機密情報を共有できます。
2つ目の特長は関係者全員がいつも最新バージョンの情報を自動共有できることです。たとえ大規模プロジェクトでも確実な情報を共有することで、作業ミスや後戻りがなく作業品質の向上を図ることができます。
3つ目は独自の分割転送機能により、5GB超の大容量ファイルでも高速転送できることです。さらに受領確認機能により相手の受領・開封状況を常に把握できます。送るのが困難だったVR動画や3D画像、大量のカタログ画像も送信可能。情報共有が迅速にできます。
「PROCENTER/C」の導入事例
PROCENTER/Cを実際に導入した企業の事例をご紹介します。
【課題】
- 利用ユーザー数やデータ量増加による負荷増を見越したシステム設計・開発をしたい
- ユーザーが意識せずに、文書の適正な保管期限管理を行いたい
- 基幹システムの膨大なデータ管理基盤を、低コスト・短納期・高品質に構築したい
【解決できるPROCENTER/Cの機能】
- 保管期限機能により、法律や規定で定められた文書の保管期限管理をサポート
- PROCENTERのAPIを用いて、基幹システムと連携
- 基幹システムをシステム開発時にデータ管理機能を担うエンジンとして組み込むことが可能
【導入効果】
- 保管期限管理の自動化により、ユーザーの使い勝手が向上、業務の効率がアップ
- APIを活用して基幹システムとの連携を実現することで、システム導入のコストを大幅削減
- 基幹システムを文書管理機能エンジンとして組み込むことで、高品質のデータを保有するシステムが実現
まとめ
文書管理は適正に行うことによって「コンプライアンス強化」と「業務の効率化」をすることができます。 しかし残念ながら紙文書での文書管理には文書の紛失の防止やセキュリティの強化、情報入手のスピード化には限界があります。より適正な文書管理を行うには文書管理システムが不可欠です。文書管理システムはアクセス権限や文書暗号化によるセキュリティの強化、検索機能によるスピーディーで確実な情報入手ができます。さらに文書管理システムを活用すれば、印刷代や保管スペースのコスト削減や電子帳簿保存法に合わせて保存・管理も可能です。
当社の「PROCENTER/C」は、情報共有に優れた文書管理システムです。PROCENTER/Cを導入すれば文書のスムーズで安全な一元管理はもちろん、安全・確実・迅速な情報活用によって企業のDXを推進できるでしょう。
企業間・部門間情報共有プラットフォーム「PROCENTER/C」
ビジネスのサプライチェーンがそのまま情報共有の範囲になる現在。
ビジネスに必要なさまざまなコンテンツをスムーズかつセキュアに共有・一元管理。
企業間、部門間 情報共有プラットフォーム「PROCENTER/C(プロセンターシー)」が効率的な情報活用でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進します。