CSIRTとは「Computer Security Incident Response Team」の略称。セキュリティインシデントが発生した場合の適切かつ迅速な対応を目的とした組織であり、その活動の一環として、ネットワークやデバイスの監視やインシデントの原因究明、影響範囲の調査などを行うことも多い。
世界初のCSIRTは、1988年のモリスワームによるインシデント発生の際に、米カーネギーメロン大学内に設置された「CERT/CC」だといわれている。その後、世界各地に同様の組織が設置されたが、「CERT」が商標登録されていたため、「CSIRT」という呼称が一般的に用いられるようになった。
日本では1996年にJPCERT/CCが発足しており、2002年には内閣官房情報セキュリティ対策推進室内でNIRT(National Incident Response Team)というCSIRTも発足している。他にも数多くのCSIRTが誕生しており、2007年には日本国内のCSIRTの連合体として、日本シーサート協議会(NCA:Nippon CSIRT Association)も発足している。
なおCSIRTの国際的なコミュニティとしては、1990年にCERT/CCなどが中心となり、FIRSTというフォーラムが設立されている。日本からもJPCERT/CCは1998年に参加するなど、多数のチームが正式メンバーになっている。