PCやサーバなどを保護するエンドポイントセキュリティは2つに大別できる。1つはEPP(Endpoint Protection Platform)、そして、もう1つがEDR(Endpoint Detection and Response)である。
EPPは「マルウェアによる攻撃を水際で防ぐ」ことが目的なのに対し、EDRは「エンドポイントで脅威を検知(Detection)して、対応(Response)を支援する」ことを主眼としている。そのため、エンドポイントにおける脅威の動きを包括的に可視化し、侵害の検知・観察や記録、攻撃遮断などの応急措置といった機能を提供する。
このような製品が登場した背景には、マルウェアをダウンロードさせるのではなく、OSの標準的な機能などを悪用して攻撃を行う「Living Off The Land」と呼ばれる攻撃手法が用いられることが挙げられる。代表的な例として、WindowsのPowerShellを悪用した攻撃がある。
マルウェアが使用されず、Windowsの正規の機能が悪用されるため、多くのEPP製品が行うパターンマッチングで対応することが難しい。そこで、実際に攻撃を受けた段階で迅速に対応し、被害の拡大を防ぐEDRの重要性が高まっているのである。