Security Information and Event Managementを略してSIEM。「シーム」と読む。サイバー攻撃への対応策の1つとして、2005年にガートナー社が新しい製品分野として定義した。
より複雑なプロセスで巧妙かつ執拗に攻撃してくるサイバー攻撃は、単一のセキュリティ製品だけで対応するのが難しく、複数のセキュリティ製品を組み合わせた多層防御が必要となる。また、完全に侵入を防ぐのも困難になってきており、侵入された後、どう対処するかを念頭においた対策が求められるようになっている。
SIEMは、ファイアウォールやIPSなどのセキュリティアプライアンス、各種ソフトウェアなどが生成するイベント情報などのログを収集し、一元的に保管・管理するための製品。ログを互いにひも付けたり、分析したりすることで、攻撃がどこから侵入して、どこまで達しているのか、被害はどれくらいまで広がっているのかなど、セキュリティインシデントの全容を可視化し、対処に役立てることができる。
攻撃を可視化できることは、インシデントの傾向などの把握、対策を改善するPDCAサイクルの構築に有効なことから、経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドラインでも重視されているCSIRTといった組織を立ち上げ、運用していく上でもSIEMは有効な基盤となる。