ビジネスメール詐欺(Business E-mail Compromise:BEC)とは、経営者や取引先などになりすましたメールを経理担当者などに送り、偽の送金指示や送金依頼で金銭をだまし取る詐欺の手法である。この手法を使うサイバー犯罪者は、フィッシングメールなどによってメールアカウントの認証情報を盗み、標的とする企業のメールを事前に盗み見ることで、巧妙になりすましメールを作成する。
米国連邦捜査局(FBI)によれば、2013年10月から2022年12月までに報告された被害総額は500億米ドル以上である。日本でも被害が発生しており、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が2017年4月に注意喚起のための資料を公開した。その後もIPAより継続して注意喚起が行われたが、IPAへの情報提供や相談は続いており、2022年9月に、「ビジネスメール詐欺(BEC)対策特設ページ」が公開された。
ビジネスメール詐欺では、攻撃者によって事前にメールを盗み見られている場合があるため、基本的なフィッシング対策・マルウェア対策・不正アクセス対策が必要である。