IDaaSとは「Identity as a Service」の略称であり「アイダース」「アイディアース」と呼ばれる。IDaaSはID(アイデンティティ)に関するサービスをSaaSで提供するサービスであり、ID認証、IDパスワード管理、シングルサインオン、アクセス制御などが提供されているケースが多く、企業での導入が進んでいる。
IDaaSが注目、普及が進んでいる背景としてAWSや Azureに代表されるパブリッククラウドの普及と、各種クラウドサービス、アプリケーションの利活用の本格化が挙げられる。業務によっては数十種類に及ぶサービスを利用している場合もあり、そのような中、問題となっているのがユーザアカウント管理の煩雑化、および管理者の負担増によるセキュリティレベルの低下、利用者観点ではサービス毎のログインの手間である。
IDaaSでは、これらの課題を解決するため、導入にコストや手間が掛からないSaaS型で、ユーザアカウントの管理や各サービスに対するシングルサインオン、アクセスコントロールを提供している。ID管理やシングルサインオンに関しては、これまでの同様のサービスが存在したが、従来のサービスが主に社内システムを対象とし、オンプレミスで構築する必要があったのに対し、IDaaSはクラウドサービスを中心に、SaaS型で機能を提供している点が異なる。
なおIDaaSはゼロトラストモデルを実現する上でも認証・認可を実現する機能として導入、検討が進んでいる。