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組織エンゲージメント

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勘と経験ではなく、データ分析で開発されたエンゲージメント調査票

組織エンゲージメント調査票は、ワーク・エンゲージメントの既存研究をもとに、個人特性や組織風土などを加え、実際にデータを取得・分析することで、ワーク・エンゲージメントに関わる要素を抽出したオリジナルのアンケート票です。

調査項目

  • 仕事の充実感
  • 上司への信頼
  • 組織への愛着
  • 仕事の納得性
  • チームワーク
  • 評価の納得性
  • 同僚への信頼
  • 風通しの良さ
  • 上司の頼りがい
  • 会社のための活動
質問数  43問
回答方法 リッカート式7件法

組織エンゲージメント調査票 改訂版

中間層の行動変容による組織の変化を可視化

2018年に、とある企業様の事業部の協力を得て、組織エンゲージメント調査票による測定と管理職を対象にした専門家によるワークショップを同時に行う通年実験を行いました。

ワークショップでは、参加者に測定結果を見てもらい、課題と感じる項目を改善するためにどのように行動したら良いかを考えてもらいました。当初は試行錯誤が続きましたが、繰り返すうちに参加者自身が工夫を重ね、4回目の測定では2つの項目で統計的に有意な改善が見られました。

ある参加者は、部下に細かく指示するのを止めたところ、大きな改善が見られことで、気づきにつながったようです。実験終了後は、組織の状態が見えなくなることが、逆に不安だという声もいただきました。

このように、比較的短期間で測定すると、その間に変化させた行動と測定結果の因果関係を考察しやすくなり、効果のない行動を盲目的に続けることがなくなります。

その後、実験に協力いただいた事業部では、3年連続で売上・利益ともに好調を維持しているとの連絡を受けています。

2018年の実験結果

調査票の開発プロセス

研究で保証された概念モデルを拡張

ワーク・エンゲージメント研究は、バーンアウト(燃え尽き症候群)の反対の概念の研究として始まりました。バーンアウトとワーク・エンゲージメントの間の関係を確かめるため、またそれらの要因と効果を確かめるため、仕事の要求・資源モデル(Job Demands-Resources Model, JD-Rモデル)が提唱されています。JD-Rモデルが成立することは、オランダ・スペインをはじめとする世界各国で確認されています。

JD-Rモデルによれば、(1)ワーク・エンゲージメントが高い人はバーンアウトになりにくいこと(反対の概念であること)、(2)ワーク・エンゲージメントが仕事のパフォーマンスに好影響を与えること、(3)仕事の資源(学習機会や上司同僚のサポートへの期待)がワーク・エンゲージメントを高めること、(4)仕事の要求(作業負荷や時間の無さ)はワーク・エンゲージメントと直接の関係がないことなどが分かっています。

しかし、ワーク・エンゲージメントと職場への影響が予想される組織風土や従業員のパーソナリティ(個人特性)、労働生産性との関係の研究は、世界でもわずかしかありませんでした。そこで、私達はJD-Rモデルに組織風土やパーソナリティ、組織市民行動(組織や同僚に自発的に協力する行動)、生産性の概念を追加し、バーンアウトやストレス反応を除外して「エンゲージメント」に焦点を当てたモデルを考えました。

仕事の要求・資源モデル

研究で使用されるアンケートを収集

初期調査を行うにあたって、JD-Rモデルの研究で使用されたことがあるアンケートや、独自に追加した概念の研究で開発されたアンケートを学術論文から収集し、40種類の調査票をまとめた608問に及ぶ巨大なアンケートを作成しました。

収集したアンケート
  • ワーク・エンゲージメント
  • 組織風土
  • パーソナル・エンゲージメント
  • 組織公正性
  • 心理的エンゲージメント
  • 報酬的同僚関係
  • チーム・ワーク・エンゲージメント
  • 支援的上司関係
  • Big5
  • 褒賞・承認
  • 中核的自己評価
  • 役割の衝突
  • 心理資本
  • 役割の曖昧さ
  • プレゼンティーズム
  • 同僚の規範
  • 組織コミットメント
  • 疲労感とリフレッシュ
  • 職務満足度
  • 人間関係の対立
  • 退職意図
  • 組織の制約
  • 組織市民行動
  • 定量的作業負荷
  • 職務特性
  • 因子的裁量尺度
  • リーダー・メンバー交換(LMX)
  • 仕事の要求・資源

1000人分の回答データを取得

調査会社の協力の下、作成した608問の巨大アンケートについて、1000人分の回答データを取得しました。しかしながら、質問数が膨大なことから回答の品質にばらつきが見られました。そこで、一定の基準を設けて品質を判断し、基準をクリアした599人分の回答を回答データとして採用しました。

回答データを標準化した後、概念間の関係を確認するために、偏相関分析を行いました。結果、エンゲージメントが個人と組織をつなぐ概念になっていることを確認しました。(日本経営工学会2017で発表)

回答データから10個の因子を抽出

次に、608問599名の回答データから、探索的因子分析を用いて、因子の抽出を試みました。このとき、妥当性として因子負荷量は0.4以上、信頼性としてクーロンバックα係数は0.8以上の因子の抽出を試みました。結果として、ワーク・エンゲージメントを含む17個の因子を抽出することができました。

その後、抽出した因子の平均値を用いて、偏相関分析を行ったところ、7個の因子はワークエンゲージメントと有意な相関が見られませんでした。そこで、相関が見られなかった7個の因子を除外し、ワーク・エンゲージメントを含む10個の因子をエンゲージメントに関する測定概念と定義しました。

アンケートを608問から43問に短縮

608問のアンケートは、とても実用に耐えられるものではありません。特定した10個の因子に関する質問に絞ったとしても200問以上あり、最小限の質問項目に短縮する必要がありました。

短縮にあたっては、項目反応理論の中で使用されるI-T相関(Item-Total相関、単項目と総合得点の相関)の考え方を利用しました。具体的には、1因子を構成する質問項目をI-T相関の大きい順に並べ、1問目と2問目の合計点と総合得点の相関、1問目から3問目の合計点と総合得点の相関、・・・と計算していき、相関係数が0.95以上となった項目数で打ち切ります。相関係数0.95は、2つのデータがほぼ同一とみなせる値です。これを繰り返すことで、43問に短縮することができました。

その後、43問のアンケートで1000人分の回答データを再度取得し、探索的因子分析を通じて、10個の因子が再現されることを確認しています。

独自の質問項目へ置き換え

エンゲージメントに関わる因子と質問項目が得られたため、オリジナルの質問項目をすべて独自の質問項目に置き換えました。

オリジナル質問をもとに約3倍の独自質問を考案し、オリジナル質問と独自質問を合わせて1000人分の回答データを取得しました。得られた回答データに対して確証的因子分析を行い、オリジナル質問から得られる因子と独自質問から得られる因子の相関係数が0.95以上になるように独自質問を選定しています。

同時に、オリジナル質問の回答データを探索的因子分析を行うことで、10個の因子が抽出されることを確認しています。これによって、約1年の時間を隔てても再現性があることが確認できました。

確証的因子分析

エンゲージメントに関わる要因に特化したアンケートが完成

このようにして、ワーク・エンゲージメントと組織風土を含む組織エンゲージメント調査票が完成しました。

この調査票は、学術研究とデータ分析に基づいており、エンゲージメントに関わる要因だけが選択されていることが特長となっています。経営層に関する質問も組織風土アンケートに入っていましたが、データ分析では関係は見られず、選択されませんでした。

この調査票を用いた調査・運用・分析サービスは、NEC VALWAYによって提供されています。組織のエンゲージメントを知りたいけれど、自分たちで調査の運用や分析までやる時間がない方は、下記の「組織エンゲージメント分析サービス」をご検討ください。

組織エンゲージメント分析サービスを検討する

現在の組織エンゲージメント研究

組織エンゲージメント向上の研究

現在は、日常型組織開発をキーワードに組織エンゲージメントを向上する方法の研究に取り組んでいます。

組織開発では研修やワークショップを行いますが、参加者は現場に戻ると内容を忘れてしまう、あるいは忙しすぎて実践できないことが多く、徐々に研修やワークショップの効果が薄れていってしまうという課題があります。

そこで、組織エンゲージメントを向上する日常的にできる取り組みは何か?また、日常的に取り組めるようにするテクノロジーはどんなものか?を探索しています。