ITインフラを支えるプラットフォームSI事業
移り変わる常識や技術と共に、社会の「当たり前」を支える基盤を築く。
PFSI事業部門は、企業や社会を支えるITインフラの設計・構築を担う部門です。サーバーやネットワーク、クラウドなどの基盤技術を駆使し、官公庁や医療、金融など多様な分野の“止められないシステム”を支えています。今回はさまざまな領域で活躍する3名に、キャリアの歩みやPFSI事業について、そして働く魅力について聞きました。
メンバー
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T.Y.
シニアプロフェッショナル
2007年新卒採用で入社。PFSI事業部門のシステムアーキテクトとして、金融業、官公庁など複数の業種のお客様に対し、システムの安定稼動を支えるインフラ設計の責任者を歴任。
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T.K.
マネージャー
2008年に新卒で入社。公共分野でSIやパッケージ開発を経て、2013年以降、公共から民需まで幅広い業種でAmazon Web Services(AWS)を利用したシステム構築を担当。Japan AWS TopEngineers 2022-2025に選出。
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Y.U.
主任
2017年に新卒で入社。インフラエンジニアとして、官公庁やその関連団体のお客様に対し、主にAWSを活用したSIや保守業務に従事。
これまでのキャリアを教えてください。
T.Y.
自社パッケージの開発・SI、他社グループウェア製品の提案・SIといった経験を経て、2010年にインフラSI事業を担う組織に異動。パブリックからエンタープライズまで、多岐にわたる基幹システムのインフラ設計と構築に携わってきました。現在はシニアプロフェッショナルとして、お客様への最適なプラットフォームの提案や開発に従事し、PFSIのプロジェクトではシステムアーキテクトの役割で技術的にNECのプロジェクトメンバーをリードしています。
T.K.
私は新卒で入社し、最初は公共領域のSIやパッケージ開発を担当しました。2013年頃からAWSに触れ、業務領域をクラウド領域へと転換。以降は公共・民間を問わず、サーバーレスアーキクチャを活用したシステム開発に従事しています。
入社時から札幌を拠点に活動しており、現在は九州のメンバーと一緒にプロジェクトを進めていますが、距離を感じることはありません。同じ事業部門には、関西や九州、沖縄のメンバーもいて、地方にいながら全国の案件に携われる環境は恵まれていると感じます。
Y.U.
私は入社後約3年間、官公庁向けのオンプレミス環境におけるSIや保守を担当しており、文系出身だったので当初は右も左も分からない状態からのスタートでした。仕事に慣れてきたタイミングで当時活用実績が増え始めていたクラウド領域で成長したいと考え、部署を異動。現在は主にAWSを使用したシステムのインフラ領域におけるSIや保守を担当しています。
PFSI事業部門の事業や業務内容について教えてください。
T.Y.
PFSIの「PF」はプラットフォームの略で、「土台」や「基盤」という意味を持っています。私たちの役割は、アプリケーションの基盤となる、サーバー、ストレージ、ネットワークなどを最適に設計・構築し、安定して稼働させることです。例えば病院の電子カルテや自治体の行政システム、企業の基幹業務システムなど、どれも止まってしまえば社会の動きが止まってしまうものですよね。そのすべてを支えるのが私たちの仕事です。
T.K.
PFSI事業部門は、NECグループの中でも技術力と業務知見を融合させた高い実装力を持つ事業部門として発展してきました。近年は部門横断の連携や人材育成を強化し、重点領域ごとに戦略を立て、社会実装を加速させています。
私が所属するビジネスPFグループでは、AWSを活用したシステム構築がメイン業務です。お客様の業務内容に応じて、オンプレミスとクラウドを組み合わせながら最適な環境を提供します。
T.Y.
PFSI事業部門はNECグループの中でも最大規模の事業部門です。5つの統括部に分かれていて、官公庁や自治体、金融、製造、通信など、あらゆる産業を横断的に支えています。Y.U.さんが所属するパブリックPFSI統括部は、官公庁や自治体のお客様を中心に業務を行っているのですよね?
Y.U.
はい。公共系の案件はスケールが大きく、国民全体に影響するシステムを扱うこともあります。業務上では技術力だけでなく、伝える力が欠かせません。例えば官公庁のお客様などは、設計書の表現一つとっても細部にわたる正確さが求められます。こうした仕事を通じて、論理的に説明する力や日本語の表現力も鍛えられました。
T.Y.
確かに伝える力は大事ですよね。技術的な内容を、お客様の業務に即した言葉に置き換えて説明することで、初めて信頼を得ることができます。
PFSI事業部門には1,000名を超えるエンジニアがいますが、公共と民間、オンプレとクラウドといった垣根を越えて連携する文化があります。分野は違っても、皆同じ方向を見て行動できる人が多い部門だと思います。
業務のやりがいや魅力は?
Y.U.
官公庁の案件では、国のシステムや社会保障の基盤を扱うことが多く、自分の仕事が社会を支えているという実感があります。新聞やニュースで関わったシステムの話題を見かけると、「この裏には自分たちがいる。社会の重要なITシステムを支える一員として貢献できている。」と誇らしく感じます。
T.Y.
私も同じように、金融業や旅客業、中央官庁など、止まると大ニュースになるようなシステムを手掛けてきました。そういう基盤が、日々問題なく動いていること自体が私たちの成果です。普段は表に出ませんが、“動いていて当たり前”に見える裏を支えるという点に、この仕事の奥深さを感じています。
T.K.
私はずっと札幌を拠点に活動していますが、地方にいながら全国規模のインフラに関わることができるところは魅力的ですね。難しいプロジェクトもある中、やり遂げた時の達成感はひとしおですし、地域に根ざしながら、社会の根幹を支えるような仕事ができるというのはそう簡単にできることではありません。地方にいても最前線の仕事ができる。それがこの会社の大きな強みだと思います。
T.Y.
強みを持っていれば、どこにいても呼ばれる。地域性を超えられるんですよね。
T.K.
はい。そこに到達するための研修やコミュニティが社内には整っており、リモートでも問題なくコミュニケーションを取ることができます。地方にいるからと言って、大きな差があるわけではありません。
Y.U.
コミュニティと呼ばれる勉強会は頻繁に行われていて、社員が自主的に集まってAIについて学んだり、AWSやAzureなどの最新技術を試したりしています。そういう文化がいいですよね。今はあまり参加できていませんが、自分が関わらない領域を知ることで、仕事の幅も広がると感じています。
業務を担当していて大変なことは何でしょうか。
T.Y.
やはり技術の変化のスピードが速いことですね。私が入社した頃はオンプレが主流でしたが、今はクラウド、さらにオートメーションの導入やAIの活用が当たり前になりつつあります。その上、お客様の期待値もどんどん高まっています。常に先を見据えた最適な提案をすることが求められるため、走りながら考える必要があると感じています。
Y.U.
私も常に技術知識のアップデートを求められる点に難しさを感じます。私が入社した当時は、オンプレミス環境でのVMwareなどの仮想化製品を活用したSIが主でした。しかしその後は、AWSやAzureをはじめとするパブリッククラウドが主流となり、さらには従来型のサーバー構成からクラウドネイティブな技術を活用することが当たり前の時代となっています。過去の対応案件や技術領域に縛られることなく、お客様の要件と技術トレンドを踏まえた最適なソリューションを常に提案し続けることが求められていると感じています。
T.K.
日々利用している技術がアップデートされており、その技術を会社の枠組みやプロジェクトにどのように活かしていくのかを考えるのは苦労しますよね。また、技術の進化と同じくらい、チームマネジメントの難しさも感じています。若手メンバーが多いので、それぞれの考え方を理解しながら、方向性をすり合わせていかなければなりません。それでも、みんなが主体的に意見を出してくれるので、大きな刺激になりますね。
T.Y.
チームで進める仕事なので、技術が完璧なだけではダメなんですよね。関係者との調整力や折衝力などの非技術スキルも大事です。プロジェクトを円滑に進めるためには、総合的なスキルが問われます。
T.K.
まさにそうですね。エンジニアの仕事は1人で完結するものではありません。お客様、社内、ベンダーなど、いろいろな人と関わりながら1つの基盤をつくり上げていきます。チームプレーが好きな人には合っていると思います。
今後の展望を教えてください。
T.K.
当社も、仕事を軸に人をアサインする「ジョブ型」を導入するなど、キャリアに対する考え方が変わってきています。今後は自分自身でキャリアを設計していく時代です。私のチームも、メンバーそれぞれが主体的に行動できる組織にしたいですね。技術を突き詰めたい人、マネジメントに挑戦したい人、それぞれの方向性を応援していきたいです。
T.Y.
私は専門職になってから、改めて背中で見せることの大切さを感じています。かつて憧れた先輩たちのように、言葉ではなく行動で信頼を積み重ねていきたいです。若手が「自分もあの人のようになりたい」と思えるような、そんな背中を見せていきたいですね。
Y.U.
私は現在主任ですが、将来的には管理職にも挑戦したいと思っています。会社としても、30〜40代でマネージャークラスになる人も増えている印象です。家庭との両立は大変な面もあると思いますが、会社の制度が柔軟でサポートも手厚いので安心です。
また技術面では、「自分ができることはここまで」と線を引かず、フルスタックな視点を持てるようになりたいです。システム全体を俯瞰して、最適な提案・設計構築・運用ができるシステムアーキテクトとして活躍するため、これからも精進し続けたいですね。
T.K.
それ、大事ですよね。AIや自動化が進んでいる中で、人間にしかできない「考える力」がますます求められています。ただ単に構築するだけでなく、「どうすればお客様の価値を最大化できるか」という視点で考える力が重要になっています。
T.Y.
まさにそう。自立して考えられる人を育てていくことが、これからのチームづくりの鍵だと思います。
PFSI事業に興味がある方へメッセージをお願いします。
T.K.
社会インフラを支えたい方にはぴったりの仕事だと思います。技術力の高い仲間も多く、AWSやAzureなどの公式認定を受けているメンバーもたくさんいます。私自身もJapan AWS Top Engineersに選出されていますが、そういう刺激的な仲間と一緒に切磋琢磨しながら働ける環境は、魅力の一つではないでしょうか。
T.Y.
社外のコミュニティで活躍している人は多いですよね。プラットフォームSIは、絶対に止められないシステムを支える仕事です。緻密さやこだわりが求められます。私にはずっと大切にしている「プラットフォームはこだわりの積み重ねでできている」という言葉があります。ちょっとした設計の判断ミスで全体が崩れてしまうこともありますが、その分、完璧に動いた時の達成感は大きい。物事にこだわりを持って取り組める人には、これ以上ない仕事だと思います。
Y.U.
私は社会的意義の大きいシステムを支えていることに誇りを感じています。介護や医療、行政のシステムなど、人の生活を支える仕組みの裏側に関われる経験は、とても貴重なものです。そして、技術は常に進化していきます。トレンドが変わるたびに新しい知識を吸収できるのがこの仕事の魅力だと思います。学びを楽しめる人、社会に貢献したい人には、ぜひ来ていただきたいです。
T.Y.
そうですね。場所や経歴に関係なく、意欲さえあれば成長できる環境です。技術が好きで、何かを極めたいと思っている人にとっては最高のフィールドではないでしょうか。