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データドリブン経営を成功させるために欠かせないポイント
Tableau(タブロー)
データドリブン経営とは、自社の事業活動などから生み出されたデータを基に経営の意思決定をしていくことで、近年改めて注目が集まっている概念です。データに基づいた経営は従来から存在していた手法ですが、様々なツールやAIなどの登場により、さらに意思決定の効率化ができるようになってきています。今回はデータドリブン経営の内容についてお伝えしていきます。
データ活用やDXが進まない理由と対策
~1万人規模の組織を動かすデータ活用事例~
データ活用やDX推進を行うという大方針は決まっていているものの、実態として進んでいないというケースがよくあります。よくある課題や対策、また、当社のデータ活用事例についてまとめたebookです。ぜひご活用ください。
データドリブン経営で勝機を逃さない組織づくり
データドリブン経営とは、経験や勘に頼った判断ではなく、様々な状況から生まれるデータを基に経営の意思決定などをしていくことです。データドリブン経営によって、種々のデータから経営の現状を正確に把握し、過去の傾向や外部環境の影響から、自社の動向を可能な限り予測することでインサイトを導き出します。
データという事実を共通のツールとして用いることで意思決定の場においても合意形成が捗ります。変化の大きな時代においては中長期の予測が難しく、一層スピード感のある経営判断が求められていますが、データドリブン経営によって信頼のある最新データを瞬時に扱うことができ、正しい経営の意志決定に必要なタイミングで活用できることで勝機を逃しません。
総務省の「データの高度な利活用による業務・サービス革新が我が国経済および社会に与える波及効果に係る調査研究」によれば、ビッグデータを自社のビジネスに利活用することで、売上向上率は卸売業・小売業以外の産業においては平均で11.5%と推計されています。特に生活関連サービス・娯楽業、医療・福祉や運輸・郵便業などでは、平均よりも高い売上向上率が推計されています。データを経営に活用することで成果を出している例は複数存在します。「変化が激しい」「先が見えない」時代には、あらゆる組織的な意思決定の場面において、データに基づく判断を速やかに行うことがさらに重要になっていくでしょう。

データドリブンの実施方法
データドリブンで行動をしようと思っても必要なデータが無かったり、分析できる状況になければ困ってしまいます。データに基づき素早く意思決定などを行っていくためには準備が必要です。その準備とは段階に応じて対応するものがあり、大きく分けると「データ収集」「データ分析」「意思決定」の段階があります。その内容を順番にみていきましょう。
データ収集
まず、ビジネスの意思決定に必要なデータを蓄積していきます。データは、各部門の業務システムやIoTをはじめ、Web、外部サービス、日本政府が公開するオープンデータなどから取得します。
データを効率よく収集するには環境づくりが必要不可欠で、分析に必要なデータを最適な形で管理できる仕組み(データ管理基盤)を構築することが重要です。
データ分析
まずは目的に沿ってフォーカスすべきデータを決め、データの時間的変化や他のデータとの関連性などを整理し、分析していきます。
分析の際には、グラフや図で分析結果を出すことが一般的なのですが、近年ではデータ分析プラットフォームの普及によってデータ可視化が容易になり、DMPやWeb解析ツールの分析まで自動化できるツールも存在します。
データにより適切な分析手法を選択することや、データの活用法を理解することが大事です。
意思決定
経営層にデータを提出する際には、意思決定のために一目でわかる分析結果を出す必要があります。また、ステークホルダーからの合意を得るためには明快な分析結果の提示が必須です。数値やグラフ、図をバランスよくシンプルに組み立てて、データを可視化したうえで提示しましょう。
経営層は、その提出されたデータを基に施策や対策、結論などを決定します。一般的には、アルゴリズムやAIなどでは判断が困難な選択肢について決断を下していきます。データドリブンは行動対象の現状・実情もデータとして加味するため、意思決定には具体的な行動の内容が伴い、意思決定の後にはすぐ実践に移れるでしょう。
データドリブン全体の概要については以下の記事もご覧ください。
データドリブン経営の事例
NECソリューションイノベータの社内事例として、経営ダッシュボードを導入した事例が存在します。
きっかけは、コロナ禍に伴う「出勤者数の7割削減」の要請で、NECグループでも出勤者数の7割削減を対応していくことになりましたが、実際に在宅勤務率が7割になったのかを可視化する手段がありませんでした。そこで通常勤務に「社内」「自宅」「客先」という3つの区分を作り、データを入力する窓口を設け、経営ダッシュボードとよばれる仕組みを構築しました。構築後は社内ポータルサイトから窓口への動線を作ってデータ入力を促進することで、在宅勤務率だけではなく全社稼働率などの大まかな稼働率が把握できるようになっています。
データドリブン経営の課題
当社で実施をしたデータ活用調査*によれば、半数以上の企業でDWHおよびBI・AIツールを導入しておりデータの利活用に着手しているものの、取り組みを実施されている企業のうちビジネス上の成果を得ていると回答した企業は全体の18%、成果をやや得られている企業を含めても全体の49.7%に留まっています。いったいどのようなところに課題があるのでしょうか。
データ活用推進する上での課題についても伺ったところ、課題の上位3つは「データの一元化ができていない(サイロ化されている)」「分析できる状態でのデータ整備」「収集時のデータ加工が複雑」といずれもデータに関する課題が挙がり、次いで「効果的なデータ活用方法、分析の観点が不明」「推進人材不足」という課題が続きました。
これらの課題を生み出してしまう背景にはどのような問題があるのでしょうか。それぞれ順番にみていきましょう。
データのサイロ化
データのサイロ化とは、システムが部署ごとに分断されてしまいデータが連携されていない状態のことを指します。データのサイロ化が発生している場合は、例えば営業部門とマーケティング部門で異なるデータから顧客のインサイトを決定するなど、部門によって方針が異なってしまうなどの問題が発生します。またデータのサイロ化だけでなく、部門ごとにデータ分析基盤やツールが異なる場合、データの変換やクレンジング処理で業務プロセスが煩雑化するため、好ましくありません。
データのサイロ化に関しては、詳しく記載した記事がありますので、ぜひご覧ください。
指標の明確化に絡めて
社内におけるデータ活用の指標明確化やデータ解釈の統一化が実現できていない場合、収集したデータをまとめることができず、経営課題の実態を正しく評価できないなどの問題が発生します。結果として意思決定に時間を要してしまうため、データの利活用は思うように推進されず、従来の経営手法に頼る形になってしまいます。
推進人材や効果的な分析をするためにはビジネス部門の関与が必要
当然ですが、自社の課題状況を熟知しているのは自社のビジネス部門です。外部のデータサイエンティストに対してはデータの分析は任せられますが、自社のビジネス課題への対応に関しては効果が薄いことが多いでしょう。ビジネス部門が課題の仮説を検証するような積極的な関与がない場合、課題解決への道のりは遠くなってしまいます。
データドリブン経営を成功させるには
データドリブン経営の成功にあたっては、データの利活用の確実な推進、素早い意思決定、組織の文化醸成などの要素が必要です。ここでは各要素の内容をみていきましょう。
データの利活用を確実に推進すること
ここまでみてきた通り、「データのサイロ化」、「指標の明確化に絡めて」、「推進人材や効果的な分析をするためにはビジネス部門の関与が必要」などの潜在的な問題があり、データの利活用が進まない企業は依然として多いままです。これらの問題・課題を解決し、データの利活用を確実に実施していくことでデータドリブン経営のベースになり、事実に基づく意志決定のスピードを速くすることが可能となるのです。
意志決定の機会を待たない・遅らせない・失わないこと
データ管理・分析基盤を整え、モニタリングする指標を決定して、いつでも必要な時に必要な情報にアクセスできるようにすることで、経営状況の変化を確実にキャッチアップできるようになります。
昨今の早い時代変化に対応するための意思決定の機会は、待たない・遅らせない・失わない、の三原則が大事です。次の経営会議は一カ月後…などという事態は避け、情報を常に経営陣で共有し、必要に応じて会議を開ける体制を整えておきましょう。
データを活用する組織的な文化醸成に取り組む
データ利活用の基盤を整えても、組織の人員がデータ利活用に動かなければ本末転倒です。社内での説明会や研修などを積極的に実施し、重ねてデータ利活用のメリットも繰り返し広報していくことが重要です。
BIツールの活用でデータドリブン経営は前進する
データドリブン経営の事例として、経営ダッシュボードを構築した事例を前述しましたが、経営ダッシュボードのデータ分析プラットフォームにはBIツール「Tableau(タブロー)」を利用しています。Tableauは既に社内に存在するデータ基盤との連携機能を持っていて、機密データを扱う上でのセキュリティを確保します。
またTableauがデータベースを参照する場合には、使用頻度が高いデータをTableau用サーバーに置くことで処理効率の向上が可能です。従業員はTableauアカウントを使って個人の端末でデータを参照できるため、どこでも自由にTableauへアクセスでき、データ分析が実施できます。Tableauを導入したことで、データ利活用による新たな選択肢が見えるようになりました。
まとめ:BIツールの活用で効果的なデータドリブン経営を
データドリブン経営を取り入れることで、経験や勘に頼った判断ではなく、データを基にした客観的なスピード感のある意思決定が可能です。データドリブンにはデータの管理・活用という準備が必要で、「データ収集」「データ分析」の段階を経て「データに基づく意思決定」ができるようになります。データドリブン経営で利用するデータについてもこのプロセスで対応することになりますが、共通指標の設定やデータのサイロ化、ビジネス部門の関与といった課題も発生します。この課題を解決するためには、必要な時に必要な人がデータを迅速に利活用できるデータ管理・分析基盤などの環境整備に加え、データ利活用の推進や意思決定の確実な実施、データドリブンに対する文化醸成などの対処が必要です。
BIツール(データ分析基盤)の活用で高効率で効果的なデータドリブン経営を実施していきましょう。
データ活用やDXが進まない理由と対策
~1万人規模の組織を動かすデータ活用事例~
データ活用やDX推進を行うという大方針は決まっていているものの、実態として進んでいないというケースがよくあります。よくある課題や対策、また、当社のデータ活用事例についてまとめたebookです。ぜひご活用ください。